私の愛するNA6が2月に追突事故をもらい、4月末に終息するまでの回想録です。
シリーズでお送りしましたが、今回で最終回となります。
このブログがみなさんのもしもの時の参考に少しでもなれば幸いです。
masachiro
ディーラーM氏とのお話では修理費用891,000円で話が付いた(
ACT6参照)のですが、
送られてきた免責証書に記載されている修理費用は795,312円。
その差額95,688円、約10万円安く仕上がってきています。
免責証書(承諾書)
釈然としないものは聞いてみるに限ります。
ディーラーM氏に聞いたところ、出された修理費用の見積りは
あくまでも概算であって、実際に修理に取り掛かってみないとわからないことが多く、大きな事故の場合はどうしてもその差額が大きくなってしまうとのことでした。
【補足説明】
交換が必要と思われた部品が(いざ蓋を開けてみたら)加工をすれば使える程度だった→パーツ代がかからない代わりに加工技術料が発生。
こういった事項が多くなれば当初の見積りとの差額が大きくなるということです。
部品整備納品書 こちらが計4枚ありました。
そういうものなんですね。
確かにこればっかりは蓋を開けてみなければわからない事です。
大雑把な概算でも見積りが出なければ話が進みません。
また、ディーラーとしては、一旦出した見積り以上の請求を後から追加することは難しいでしょうから、ある程度のマージンを含んだ見積りを出すというやり方にもなるでしょう。
心情的には、「保険額上限まであと10万円分の予算があるのなら、その分外装をもう少し・・・」というのが正直な気持ち(やはり欲が出ちゃいますよねw)でしたが、これまでの経緯を踏まえ、飲み込むことにしました。
電話を切り、一呼吸。
さて・・・
ここに至るまで本当にいろいろなことがありました。
走馬灯のように・・・
「これでいいか?」
「やり残したことはないか?」
NAと自身に問いかけます。
そして・・・
万感の思いのもと、免責証書にサインをしてポストに投函。
また、自身の任意保険に対物超過特約をオプションで追加。
これで今回の物損事故に関するすべてに幕を降ろします。
(事故発生2016年2月3日 免責証書のポストへの投函2016年4月26日)
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おわりに
シリーズでかなりの長文になりましたが、こちらのブログに興味を持たれ、拙い文章に最後までお付き合いいただいた方々、ありがとうございました。
私はバイク・車を通じて約30年運転してきましたが、(運よく)これまでに事故という経験はありませんでした。
それだけに今回の事故は私にとって知らないことだらけで、あまりに衝撃的でした。事故から派生する事柄の理不尽度合は、50年近く生きた私の人生の中でも間違いなくトップ3に入るでしょう。
クルマを運転する以上、何時突き付けられるかも知れない”理不尽な現実”があることを、事故という(なければそれに越したことはない)実体験を通じ、一人でも多くの方に知っていただけたらと思い、このブログに綴りました。
25年もの間、愛情を持って付き合ってきたNAが、一方的に、それも無惨に壊されたことは、私の心の傷としてはやはり大きかったようで、修理が終わった後も、心が完全に癒える事はありませんでした。そのため上記の意図とは別に、少しずつ文章にしながら、外部へアウトプットすることで、私の心(気持ち)の整理を付けていく、カタルシス(浄化)の側面も持っていました。つまり、私自身が前に進んでいくためのブログでもありました。
このブログを通じて、ありがたいことにいくつかのコメントをいただき、(私が思っていた以上に)これらの理不尽な経験を既にされている方が数多くいらっしゃることに正直、驚きました。
事故から数日間、(頸にカラーを巻き)身体の不調を抱えながらも、壊れたNAのことに異常なまでに囚われ、憔悴し、苦悩している私に妻が言った言葉です。
「あなたが今までにロードスターをどれほど大事にしてきたかは、充分に知っているし、今本当に辛いことも痛いほどわかる」
「でも、私は単純にあなたが今ここに生きていることが、本当によかったと思っている」
そう言って妻は号泣しました。
思えば、たまたま追突されたのが軽自動車だったからよかったものの、もしトラックに80kmで追突されていたら・・・
恐らくは・・・。
IF(可能性)の話をしだすとキリはないのですが、考えただけでも悍ましいです。まして今回のような追突事故においては(どんなにテクニックがあったとしても)自分では、ほぼ防ぎようがありません。高橋啓介や風吹裕矢でもたぶんムリです。
バイクやクルマは私にとって便利で楽しいはずの乗り物です。これらのない人生なんて、私には考えられません。
しかし、被害者になるだけでなく、加害者になる可能性があることも考えると、改めてリスキーな乗り物だと思います。頭ではわかっているつもりでしたが、事故後はやはり認識が大きく変わりました。
事故から5ヶ月が過ぎましたが、未だに信号待ちしている間、後続車への不安は消えません。
また、大した用事もないならば、深夜や早朝に出かけることを控えるようにもなりました。
ちなみに身体の不調は未だにあり、人身事故の件は、終息までにまだしばらくかかりそうです。しかし、ここではあえて触れずにおきます。
この狭い日本に一億数千の老若男女がいて、これだけの歩行者や自転車、クルマやバイクが往き交っています。中でも首都圏のそれにおいては明らかに異常だと言えるでしょう。
●イヤホンをしながらスマホに没頭して歩いている人
●母親が子供を前後に乗せながらも、無灯火で縦横無尽に走る自転車
●危険感知・反射神経の鈍い人や、徹夜続きで殆ど寝ていない人などが運転するクルマ
●10年付き合った彼女と別れた直後で、完全に思考停止している人が運転するバイク
などなどが入り乱れ、それぞれが交差しているのですから、事故がない方がおかしい。ない方がむしろ不自然だと思います。
「事故ゼロを目指して」をスローガンに、常に事故をなくす努力はしていかなくてはなりません。
しかし、物事の本質として ”事故は必然=なくならないもの”
との認識を持つことも必要だと、私は思います。
それらを踏まえた上での保険があるわけですが、私は今回の事故を教訓に対物超過特約に加入しました。
もし、自分が加害者になった時、相手(バイクやクルマを単にモノやアシとして捉えておらず、特別な思い入れや愛情を持って大事にされている方々=まさにみんカラをやっているような人たち)に対し、(物損に対する現行法がただでさえ理不尽であるがゆえ)さらに追い打ちをかけるような思いをさせたくないからです。
状況により、すべてをカバーできる訳ではありませんが、ないよりはあった方が遥かにいいと思います(今回の事故において、加害者側がこれに加入していたことで私のNAは廃車を免れました)。私の父(82歳)も今回私の事故の件を聞き、対物超過特約をオプションで付けたそうです。
半年近くが経過して、このブログを綴りながら今一度振り返ってみても
”今回の事故そのもの”はやはり私にとって
”忌むべきこと”です。
これは変わらない事実です。
しかし、この”忌むべきこと”を通じて、私のまわりで心から心配してくれ、惜しまぬ協力をしてくれる人たちがいたこと、その人たちと新たな信頼関係が生まれ、築いていけたことで
「私はつくづく恵まれているな」
との実感を強く持つことができたのもまた事実です。
その意味で私は本当に幸せものだと思います。
ともあれ
これからもNAとの生活は続いていきます。
拘りは不変に、進化は永遠に。
最後に
事故発生直後から全力でサポートしてくれたNA乗りの友人Wさん
関東マツダ ○支店 サービスフロント M氏
○総合法律事務所 弁護士K先生
R.S.ア○ザワのA社長、スタッフのみなさん
その他、心から心配し、力を貸してくださった方々にこの場をかりて深くお礼を申し上げます。
あ、そうそう。
いつも隣でささえてくれる奥方様にも
ありがとうm(__)m
おしまい