ポケモンバトリオVに見る格差社会

週末になると息子が楽しみにしているのが、ポケモンのアーケードゲーム、ポケモンバトリオV。
1回100円で、パックが払い出され、そのパックを使ってバトルをするというもの。
そのパックには、いろいろな種類があり、当然レアなパックほど強いというシステム。

そんな中、今日出たのが、Vレアと呼ばれる5つ星のパック（テラキオン）。
これを先ほど、某オークションサイトで検索してみたところ、高いものだと何と即決価格で8,000円也。

カードゲームのカードや、我が家にもある仮面ライダーのベルトやアストロスイッチ等々、数が出回っていないものがオークションで法外な値段で落札されているのは知っていましたが、100円のものが8,000円とは常軌を逸しています。

オークションでは、投機目的で大人買いをし、出品している者も中にはいるわけですが、もはやそれは、そのモノ本来の目的とはかけ離れた行為。
根底は、ここで書いた、リセールバリューを踏まえた車選びと同じ考え方だと思います。
私もオークションを利用して購入したことがありますが、それは既に絶版となってしまっていた本で、落札価格は定価プラスα程度。
他にも骨董品的価値があるようなものならば、値がつくのもわかりますが、最初から投機的な目的で買い占める行為は、私利私欲に走りすぎて、どうにも理解し難い。

こういった類いのものは、何が出てくるのかがわからないところが楽しみの一つ。
コレクターならいざ知らず、法外なお金を出してまで、手に入れようとはさらさら思わないし、資力を武器に手に入れたところで虚しいだけ。

日本は景気が悪いといいながら、こんなパックに8,000円の値がつくし、アクアやプリウスはバカ売れ。
何が不景気なのか。
その反面で、生活保護世帯も依然として急増中。
これは一体何を意味しているのか。

原因は当然数あれど、そこにはやはり格差社会というキーワードは外せないでしょう。
ここでいう格差とは、売れるものと売れないものが、その本質とは関係なく、二極化しているということ。
今回のパックにしても然り、金さえあれば、どんなレアなものでも手に入ると考える人が多いからこそ、こんなオークション価格が成り立つし、日々のランニングコストが低ければ、イニシャルコストが高くても、見せかけの「エコ」を盾に、ハイブリッド車に買い替える人が多い。
いずれも、上っ面の動きに踊らされ、物事の本質を捉えていない事例。
こんな風にお金が使われているとするならば、それは非常に狭い世界で回っているだけ。
これでは、国民皆中流社会を目指していた高度成長期とは違い、一部しか景気はよくならない。
その裏では、生活保護を受けないまでも、ギリギリの生活をしている家庭が増えているという計算も出ています。

モノが溢れている現代社会では、精神的な満足度の高まりを求めることが必要だと思いますが、相変わらずこんなお金が全てかのような風潮がある限り、経済における格差の広がりが終焉を迎えることはなく、本来の意味での格差社会は消えないでしょう。
少なくとも我々消費者は、賢くなければいけません。