盗賊、山賊、追いはぎなんて車に乗りたいか（ソリオバンディット登場）

スズキはソリオにバンディットを追加し、6月28日に発売すると発表しました。

出ました、バンディット。
以前書いたように、ティザー広告が打たれていたモデルの登場です。

所謂、ソリオのデザイン違いのモデルなわけですが、その考え方は、他のデザイン違いモデルの域から全く脱していないもの。
公式プレスでは、相変わらず、『若者の多様な趣向に応える』『斬新で圧倒的な存在感を持つ専用のデザイン』といった文字が踊っています。
一体、若者の多様な趣向って何だ。
今までのソリオは、多様な趣向に応えてないのか。

トヨタスペードの時にも書いたように、デザインを大きく造り分けるなんて、自信のない証拠。
良いものならば、造り分けずとも、老若男女に受け入れられるはずではないか。

幸い、今回のバンディットは、他の同列モデルとは違い、それほど下品でも威嚇的でもなく、まとまっているため、このバンディットがデフォルトのソリオであっても良かったと思えるもの。

ただ、今回の最大の問題は、そのネーミング。
個人的には、バンディットと言えば、映画俳優のバート・レイノルズを思い出しますが、その意味は、これも以前書いたように、英語で盗賊，追いはぎ、山賊、敵機、（アメリカの俗語で）行為を迫る同性愛者、詐欺師、ぺてん師のこと。
同じスズキのバイクにバンディットというのがありますが、百歩譲って趣味性の高いバイクなら許容範囲と理解できないこともない。
しかし、ソリオのような、老若男女が乗るような車に、そのような名前を付けるということが、どうにも理解できない。
こんなネーミングをすることを、大の大人が会議で真剣に議論していたかと思うと、背筋がゾッとします。
もし、その響きの良さだけで選ばれたとするならば、ターゲットとされている若者は、反旗を翻すべき。
今の若者は、その由来なんぞ考えることなく、上っ面しか物事を見ているだろう、と高を括っているとしか思えない。

車のネーミングは、親が子どもにつける名前と同じような重要なことではないのか。
その車に対する、メーカーの願いや希望といった思いが込められるべきものであるし、名は体を表すという言葉もあるように、そんな名前の車が、良い車であるとはとても思えない。
十数年前、子どもに悪魔と命名した親がいましたが、根底はそれと同じではないか。
ベースのソリオ同様、乗降グリップ（後席両側）や防眩式ルームミラーを採用する等、真面目な改良を受けている反面、こんな車を出すなんて、おかしくないか。

過去に数えきれないくらいの車種が登場していますが、その最低度合いでいったら、バンディットは文句なし。
見識ある大人であれば、いくら内容が良くても、買ってはいけない車だと思います。