ポルテ納車

先日書いたように、妻の両親が車を買い替えることとなり、相談に乗ることに。
両親としては、コンパクトで使い勝手が良く、できればスライドドアを希望とのこと。
軽自動車では、スペーシアやタント。
普通自動車では、ポルテとソリオが候補に。

高齢と言うこともあって、うっかりミスを防ぐ衝突軽減ブレーキシステムは不可欠だなと思い、当初はスペーシアやタントもターゲットとしたものの、やはりその絶対的なボディの小ささや、車幅に対する重心の高さに不安を覚え、両親が拒否。
ポルテとソリオの対決となり、どちらも試乗した結果、ポルテに軍配が上がり、一昨日、無事納車と相成りました。

グレードは、1.3リッターのFFモデルであるX。
色はシルバーメタリック。
メーカーオプションで、サイド＆カーテンエアバッグを装着。

今日、あらためて近所を走ることができたのですが、収納スペースの多さや、室内の広さといった利便性は上々。
プラスチッキーなインパネも、道具として割り切れば、おもちゃ感覚で気にはならないレベル。
ただ、助手席側の大きなスライドドアは、動くとゴトゴトと大きな音を立て、業務用の倉庫の開閉を思わせるようなものであり、お世辞にも建て付けが良いとは感じず、開閉する度に、この音を聞くかと思うと、少々残念な気持ちになりました。
また、登場時に書いたように、室内の高さはアルファード並み、後席足元空間はレクサスLS並みなのですが、所詮それは数値上の問題。
実際、後席に座ってみれば、そんな雰囲気を感じるはずもなく、ただ単にコンパクトカー然とした広い空間が広がっているだけ。
いかに、その例えが馬鹿げているのかがわかります。

ただ、それ以上に残念なのは、やはり動的質感。
ピカピカの新車なので、Dレンジに入れた後、当然ゆっくり発進しようと、アクセルをふんわり踏み込んだものの、エンジンは唸りを上げ、思った以上に加速し始めました。
それを皮切りに、アシスト量の一定しない電動パワステに不安を覚え、極めつけはCVT。
前述のように、いきなり回転数が上がったと思えば、次はとにかく回転数を抑えようとするため、スピードに乗った後は、多少アクセルで速度を調整しようと思っても、CVTは反応せず、全く意図した走りができない。
低中速域から、アクセルをオフにした際のエンジンブレーキの効きも、ある時は空走したと思えば、ある時はフットブレーキなしでも止まってしまうのではないかと思わせるもので、その統一感のなさに、ビックリ。
一言で形容するならば、その走りは、非線形のかたまり。

私の妻が乗るキューブのCVTも似たようなものなので、最新のCVTには、素晴らしい出来を期待していたのですが、その何も変わっていないドライバビティの悪さには、落胆しました。

駐車場での取り回しの良さや、見切りの良いボディは、素晴らしいのですが、肝心のクルマとしての出来は、お世辞にも良いとは言えないもの。
この出来で、よく誰も何も不満を持たず乗っているなと思うのですが、妻の両親は大満足。
結局、クルマに利便性やカタログ燃費に重きを置く層＝日本ではサイレント・マジョリティに該当すると思われますが、その層は、本当にクルマは走れば良いと思っているのか、それとも、良いものを知らないのか。

カタログ上の低燃費を得ること以上に、失うものの大きい、日本のCVT。
日本車をつまらなくしている元凶の一つだと思います。