マツダはアテンザをフルモデルチェンジしました。
先代モデルから引き続き、セダン(Sedan)、5ドア(Sport)、ワゴン(Sport Wagon)の3タイプのボディを用意。今時同一ブランドで3種のボディを用意する車って珍しいです。
エクステリアは、先代のイメージを残しつつ、上品かつ端正なイメージのもの。久しぶりに直感的にかっこいいと思わせる力のある車です。先代のデザインも秀逸でしたが、正常進化と言えるでしょう。ただ、幅が1,795mm。一体どこまで広くなるのか。1,800mm以内におさめたことをマツダの良心とするか、逆に日本では広すぎるとするか。道路が広くなっていないのに、車はでかくなっていく。欧州がメインとは言え、悩ましいです。
カラーはマツダらしくバリエーションが豊富で、全11色。MPVでは廃止されたラディアントエボニーもしっかり設定されています。
インテリアでは、カームホワイト色の本革シートとインパネデコレーションパネル「クリスタル」を組み合わせたセンスはなかなかのもの。上質感があり、いいと思います。
パワートレインの注目は、やはり新開発MZR2.5リッターエンジン。MPVのマイナーチェンジでも採用が噂されていたエンジンです。そして、先代の2.3リッターがハイオクだったのに対し、今回はレギュラー。これはガソリン高の昨今、ポイントが高いでしょうね。
トランスミッションはFF車は5AT、4WD車は6AT。いずれもAAS(アクティブ・アダプティブ・シフト)を搭載。SportとSport Wagonの「25Z」と「25S」に6MTが用意されているのは、マツダのこだわりです。
ボディに関しては、剛性アップしているものの、基本的には先代からのキャリーオーバー。成り立ちからするとビッグマイナーと言ってもいいですが、もともと素性のよいシャシーなだけに、熟成させた、と言った方が似合うのでしょうね。
インテリアではCF-Net(Cross Functional-Network)を採用。要はオーディオ、エアコン、トリップコンピューターなどの情報をインフォメーションディスプレイに表示させ、ステアリングスイッチで操作する、というもので、特に目新しい機能ではありません。
エアコンは最近トレンドの運転席と助手席で個別に温度調整ができるフルオートエアコンを全車に採用。
プレミアムオーディオはBOSEの8スピーカー。ナビは40GBのG-BOOK。7インチが今のサイズからすると小さめでしょうか。未だに高精細な画素数になっていないように見えるのも気になります。
最近マツダはイルミネーションに凝っていて、ドアを閉めると、センターパネルを下から上方と点灯していく照明や、オーディオのスイッチ操作に連動して各スイッチに内蔵された青色LED照明点滅する機能も装備。ただ、MPVのマイチェンでは間接照明が廃止されていただけに、この辺の整合性はとってもらいたいものです。
さて、今回最大の注目は安全性能。
まずは、私が常々注目しているDSC。これはTCSとセットで2.5リッター車は全車標準。2リッター車にもオプション設定されているので、グレード問わず装着可能なのは二重丸。
同様に、カーテン&サイドエアバッグも標準装備車はないものの、これも全車に装着可能。
3点式シートベルトとヘッドレストは人数分用意。後席中央が未だにヘッドレストレス&2点式シートベルトの車もある中、当然とは言え、見識が高い点です。ただ同じマツダでも実質国内専用のMPVは用意されず。相手を見て商売してます。
以前から発表されていたリアビークルモニタリングシステムは時速60km/h以上の走行時に、後方から接近する車両を検知してドライバーに警告するもの。死角に入った状態で車線変更しようとウィンカーを出すと、お知らせしてくれます。これは結構使える装備だと思います。
またAFSは固定式ですが、ほぼ全車に装着可能。これはMPVの可動式と違い、専用のランプを装備し、曲がる時に点灯させるというもの。昔あったコーナリングランプに近いです。
プリクラッシュセーフティーとレーダークルーズコントロールも、前述のリアビークルモニタリングシステムとセットですが、2,5リッター車の殆どに装着可能。このクラスだと最上級グレードにしか設定されてないことも多いだけに、マツダの見識の高さがこの辺りにも垣間みれます。
ただ残念なのは、相変わらずセットオプションが多い事。例えば、サンルーフをつけようとするとカーテン&サイドエアバッグがもれなくついてきます。これはこれで、いいのかもしれませんが、もっと自由度が高くてもよいでしょう。
と、いろいろ書いてきましたが、今回のアテンザはスポーツ性能もさることながら、経済性、安全性をブラッシュアップ。基本性能を全て底上げした印象です。スタイリングも先代よりおもちゃ感が減少し、大人の鑑賞に十分たえられるものになっています。目標販売台数は全てあわせて月間1,500台と控えめですが、この内容であれば、数年先でも十分クリアできるでしょう。動力性能と安全性能、これを全面に打ち出す事で、マツダの生きる道が見えてきます。
Posted at 2008/01/29 22:24:50 | |
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