マツダは、ビアンテをマイナーチェンジし、昨日発売しました。
その目玉は、プレマシー同様、SKYACTIV技術の搭載。
2WD全車のエンジンを、SKYACTIV-G 2.0にし、あわせてトランスミッションも6ATであるSKYACTIV-DRIVEに刷新。
その結果、得られたカタログ燃費は、JC08モードで、14.8km/Lとなり、クラス唯一のエコカー減税免税対象車に。
あわせて、特別仕様車であったグランツをカタログモデルに昇格させています。
その裏では、2.3リッターエンジン搭載モデルがカタログ落ちし、17インチタイヤも消えています。
他には、新色となるジェットブラックマイカを採用した他、電動両側スライドドア&スライドドアイージークロージャーを標準装備、運転席&助手席両席にシートバックポケットを採用、リアドアポケットのボトルホルダーの形状変更、スペアタイヤを廃することで、荷室の床下収納スペースを拡大、3列目シートに乗降する際のシート操作性を向上、3列目の乗員が操作するための2列目席シートスライド用レバーを赤色に変更、2列目シートバックに、シート操作方法をイラストで表示したラベルを設定、2列目シートを横方向にスライドさせるレバーにアイコンを表示
させる等々、実用面でも細かな改良が施されています。
ビアンテは、マツダが造る、唯一のトールタイプのミニバン。
本来、このクラスは、トヨタのノア&ヴォクシー、日産セレナ、ホンダステップワゴンのように、各社のドル箱的な存在。
しかし、真っ向勝負しても勝ち目がないため、プレマシーをベースとした3ナンバーボディが与えられ、奇抜ともとれるデザインを採用。
結果、ここ最近は月間販売台数が1,000台に到達することなく、ミニバンの中では蚊帳の外に。
発売当初は、安全面でも遅れをとり、人数分のヘッドレスト&3点式シートベルトがないと言う、体たらく振りを見せていましたが、
昨年の一部改良で、どちらも装備され、今回のマイナーチェンジでは、2WD車は、プレマシーのSKYACTIV車同様、DSC&TCSが標準装備となり、ヒルローンチアシスト(HLA)も装備と、ようやく現代のレベルのスタートラインに立っています。
カタログ燃費の14.8km/Lは、前面投影面積の大きな3ナンバートールサイズミニバンとしては立派な数値。
それを上回る燃費となるのは、
なんちゃってハイブリッドを搭載しているセレナで、15.2km/L。
まるっきり同価格となるグランツSKYACTIVと、セレナのハイウェイスター S-HYBRIDを比較すると、セレナではキセノンヘッドランプや、運転席側オートスライドドアがオプションとなっていたりするため、ビアンテの価格競争力は十分。
何より、セレナは、HYBRIDと名付ければ喜ぶだろうユーザーを相手にし、依然として、中央席ヘッドレストがないという、なめきった設定のクルマであるため、既存技術のブラッシュアップで燃費や走りを向上させ、地道な改良を施して安全装備をスタート地点に立たせたマツダの良心が際立っています。
いかんせん、こちらもプレマシー同様、4WD車が旧タイプのエンジンに4ATの組合せとなり、DSCも装備されないという、おまけのようなグレードに成り下がっているのは残念なところ。
きっとプラットフォームの大幅な改良が必要となるのでしょうが、雪国のユーザーのためにも、一刻も早い改良が望まれます。
日本では、依然として5ナンバーサイズが重宝され、そのデザインからも敬遠されているビアンテですが、中身の充実振りは、なかなかのもの。
少なくとも、なんちゃってハイブリッドのセレナを買うよりは、賢い選択だと思います。
Posted at 2013/05/28 21:05:23 | |
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