2017年09月10日
トルセンデフの仕組みって
次期雪道特急号に組み込むLSDを考えるに当たり、一部グレードに付いていた純正トルセンはどうかと思い、実はその原理をこれまで考えたことがなかったのだけど、珍しく真面目に勉強してみた。
旧86時代は機械(カム+多板クラッチ)式LSDしか選択肢が無かったので、純正2ピニやTRD2Wayやカーツ1Wayなど何種類か試したのだが、確かにあのチャタリング音や頻繁なオイル交換・オーバーホールなどメンテナンスの手間を考えると、競技用でもない車に機械式を組み込むのはちょっと、というのはあるのだよね。(ただし5000km毎にオーバーホールという定説は少々大袈裟で、雪道を走るのに十分という程度の効きでいいなら、10000〜20000kmは組んだままオイル交換だけで行けるのだが)
で、この動画を見て原理を理解。
つまりウォームギアはウォーム→ピニオン(スパー)ギア方向には力が伝わるがピニオン→ウォーム方向には伝わらない、いわばネジを回すと締まるが、締まる力の反作用で勝手に回って緩んだりはしない原理を利用している、と。
【動画】Torsen Differential, How it works ?
VIDEO
わかったこと(詳細)
①(ノーマルデフと同じく)一方が増速すればもう一方は減速する形で差動する。リングギア(LSDハウジング)に対する相対的回転速度において例えば左輪が20%増速すれば、右輪は20%減速する。
※これ、通常のオープンデフでもそうだと理解している人って意外と少ないのでは。例えば片輪が空転してもう一輪が停止しているような状態だと、リングギアがメーター読みで20km/hで回っているとすれば、空転している車輪は40km/h相当で早回りしている。つまりデフって増速装置でもある!)
やっぱ間違ってないと思うので打消解除
んー、なんかこっから先は間違ってる気もするので、またゆっくり考えます。
②(ここからはノーマルデフと異なる点だが)デフがロックせずニュートラルに差動する条件は、増速側の軸にマイナスのトルクが掛かっていること。つまりタイヤが後ろ向きに路面を蹴っているのではなく、むしろ増速方向に路面からの力を受けて空走している、いわばリングギア(LSDハウジング)よりも速く空回りしていること、である。
③その状態からリングギア(LSDハウジング)に駆動力=加速度が掛かると、
( i )リングギア(LSDハウジング)が減速側よりさらに速く回ろうとすることで減速側との相対速度が増し、
( ii )その分、増速側がさらに速く回ろうとすることでマイナストルクが減少〜正トルクへと変化し、
( iii )リングギア(LSDハウジング)側のピニオンギアが軸側のウォームギアをロックする形で、増速側にも駆動力が伝わり、
( iv)と同時に、減速側のニュートラルな差動もロックされる
というわけですな。
例えばよくある片輪空転のシチュエーションだと、リングギア(LSDハウジング)より速く回っている側の軸に正トルクが掛かる(後ろ向きの摩擦力=駆動力が多少なりとも生じている)限り差動しない→片輪が空転すると直ちにロックするっつうわけですね。(まあガチのウォーム/ピニオンと違って多少の逆伝達を許容するので、空転側のμがあまりに低くて正トルクが弱すぎると十分にロックしないかもしれないが)
んー確かにこれ考えた人は頭いいな(^_^;
※しかしそう考えると、上の動画の3:50あたりからの空転シチュエーションの説明は誤りだな。
空転するタイヤは決して路面からの力を受けて早回りするわけじゃないんで、マイナストルクではありえない。だから、動画の図で言えばロックするのは左(止まっている)側の軸ではなく、むしろ右(空転している)側の軸であるはず。(むろん片側がロックすればもう一方もロックするので結果は同じではあるが)
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Posted at
2017/09/10 23:38:11
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