
カロッツェリアのサイバーナビ用のHUD(ヘッドアップディスプレィ)ND-HUD2Aの映像を映し出すハーフミラーである
コンバイナーの交換作業と、
ついでに
本体の分解をしてみた。
まず、この
ND-HUDについて、ご存知の方も多いと思うけど、
最後のバージョンが2014年に製造されたもので、対応するサイバーナビも、私が
「オンダッシュ化の改造」をして使ってる、
AVIC-VH0999などの2015年モデルが最終であり、
過去の製品なので、改めて、その素晴らしい内容を紹介しておきたい。
これはフロントガラス手前に設置した透明スクリーン上に画像や文字を投影する事で、
視線移動が少なく、ルート案内などを表示する装置である。
メーカーの宣伝文句は
RGBレーザー光源を用いて映像を映し出すことで、3m前方に約37インチ相当の高輝度・高コントラスト・高精細なフルカラー表示を実現。ルートや交差点名称などの誘導情報、クルーズスカウターユニットで検知した情報を目の前に浮かべ、車外の風景と情報が一体化する「クラウドARナビ」を可能にします。
周囲の明るさに応じて、輝度は自動調整されるが、縮尺の変更などは、以下のステアリングリモコンで行う。
メーカーサイトは
こちらであるが、そこの動画は削除されてるので、以下のYoutubeから。
さらに、以下は2012年モデルのサイバーナビAVIC-VH99HUD/ZH99HUDのコマーシャル動画だけど、HUDは同じものなので。
これが発表された時は、ついに液晶画面は不要になるのかと思った。
愛車はオンダッシュナビしか設置出来ず、これなら使えると興奮した。
ところが、あくまで補助的なもので、液晶画面は必要だった。
それでも、
ずっと憧れの装置であった。
実際には、上の動画のようなCGでは無く、
表示はもっと荒く感じられて、文字などはちょっと見にくい。
でも、
走行中は風景に重ねて表示されるので、あまり気にならず、
ルート案内はとても快適で、液晶画面は見なくても済むくらい。
なぜ、これを廃止してしまったのか。より高精細なものを開発中とか聞くけど、はたして、カーナビ自体が売れない時代なので、どうなるのか。
会社としてのパイオニアの経営状態や開発能力が心配になってくる。
現在、HUDで商品検索すると、いろいろと出てくるが、
この装置ほど多彩に的確にルート案内出来るHUDは他に無い。
10年も前の製品なのに、
現在でも圧倒的に最強のHUDではないだうか。
ただ、ルート案内時以外は、あまりに無表情なのが惜しいくらい。
だから、出先から戻る時に、
自宅までのルート案内を表示させたり、マップモードにしてる。
この
ND-HUDは1~3まであり、さらに後ろにAとか付くのもある。
しかし、メーカーのカスタマーサポートに聞いても、修理の技術者に聞いても、
ハード的には同じもので、内蔵する地図データにより型番が異なると言う。
つまり、地図データの更新を行えば、
全て同じモノになる。
ちなみに、
ナビ本体の地図バージョンとHUDの地図バージョンが一致しないと動作しない。
また、ナビ本体とはBluetoothで接続される。つまり、ナビ本体とHUDは無線でつながってるのだ。
ただ、
初期のND-HUD1のコンバイナーのコーティングに問題があり、
早く劣化して、それについては無償?交換で対応していたとか。
いずれにしても、このコンバイナーは紫外線などで劣化するので、2年が耐用年数とかで、
部品センターから税抜き12000円で購入出来る。
なお、
ND-HUD10は全く別物で、楽ナビ用に作られた安価バージョンのHUDなのだ。
ND-HUD10
コンバイナー寸法:205mm(W)× 52.5mm(H)×5mm(D)
64,800画素 (水平540×垂直120)
ND-HUD1~3
コンバイナー寸法:260 mm(W)×75 mm(H)×5 mm(D)
202,800画素(水平780×垂直260)
さて、私が現在、使ってるのも中古で購入したが、メーカーに点検整備に出して、
コンバイナー、投影レンズ、外装カバー、冷却ファンなどを新品に交換してる。
さらに、部品センターから遮光板、取付け金具の化粧カバー、各種ネジ類、リモコンなどを新品で購入してる。
その時に、取り外して、不要になったパーツは以下のとおり。
そして、愛車には2020年に取り付けて使っているのだが、
これとは別に、コンバイナーの交換作業の訓練?用と、本体の興味本位での分解用に、
新たにヤフオクで本体のみのジャンク品を1700円で購入した。
本体のみで、電源部もケーブルも無いので、車載品のケーブルに接続してみると、
ちゃんと動作する事も確認しておいた。
↑愛車に取り付けてるHUDと表示が同じなのか、自分のが変に劣ってる事はないのか(当初予想よりも表示が荒く感じたので)、それを確かめたかったのが一番の入手動機でもある。
コンバイナーの交換作業
まずはこの丸いシールを剥がす必要がある。1mm程の厚みのある半透明ゴム板だ。
左右逆になるが、このゴムシールを剥がすと、両面テープらしきものが残ってしまうので、めくるしかない。
あとは、2.5mmの六角レンチで外す。
こうして、コンバイナーは簡単に外れるが、
左右でちょっと違う。

↑左はピンが2つで、右は固定用のゴムを挟んでネジ留めする。
おそらく、左右ともガッチリ留めてると、コンバイナーに頭などをぶつけたりした時に、コンバイナーの固定穴周囲にヒビが入ったりするのを緩衝する為のものでは。
後は、コンバイナーを交換するだけ。

↑例によって、寝たきりで介護してる母の部屋で、室内に干してる洗濯物が写ってる!
上側がヤフオクジャンク品のコンバイナーで、下側がメーカーに出して交換して取り外した方のコンバイナー。下の方がまだ綺麗だ。
最初に外した
目隠し用の半透明の丸いゴムシールが、コンバイナーの交換部品に付属してるのかどうか。もし無ければ、薄い両面テープを円に切って貼らなければならない。
あるいは、接着剤でもいいか。あるいは、この丸いゴムシールは無くてもいいか。
あと、実際の作業では、既に車に取付けてるHUDを外す必要があるので、
その場合は、固定金具のカバーを外す必要があり、それは下のような爪で4箇所留まってる。

↑外すプラ製のカバーはこの下側(裏側)になる。
私が最初に中古品を買った時も、この爪が折れてしまっていた。
この爪を折らないようにカバーを外さなければならない。
こうして、練習用のパーツがあれば、外す時に再確認が出来る。
後は、興味本位の
分解作業。
素人作業なので、真似しないで欲しい。
ジャンク品なので、壊れてもいいという前提なのだから。
まず本体の外から見て、唯一のネジは裏側のコレだけ。とりあえず外す。
最初、これだけ外して、どうやって分解するのだと、あちこち賢明にコジッてしまった。
コンバイナーのメガネのツルの付け根。ここがカバーになってる。

↑右のほうの隙間から何かを突っ込んで、引き剥がす。
私はプラ製の小さなヘラを使ったが、マイナスドライバーなんかだと、傷付かないように養生しておく必要がありそう。
カバーを外すと、爪で留まってるだけ。

↑取り付ける時は、左端のほうを先に突っ込んでおいて、後は上から押し込むだけで簡単にパチンと留まる。
カバーをはずと、ネジが2本。これを外すと、コンバイナーのツルが外れる。
ツルを外すと、新たなネジが現れる。これを外すと、
やっと裏蓋が外れる。但し、レンズのある側(画像で右側の側面)も爪であちこち留まってる。
以下の赤丸のネジ2本を外して、遮光板を取り外す。

↑黄色丸が一番最初に外したネジの跡。
赤丸のネジ4本を外すと、カバーから本体が外れる。
こうして、本体を取り出す。次に赤丸のネジ5つを外す。
但し、下側の中央のネジは、下側側面にある銀色のカバーを先に外さないといけない。
ここまで来るのに、赤丸のFFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)を外さなければならないのだが、そのロックを解除する爪を押し下げて外れるのだが、
今度、固定出来なくなった。
爪を起こしても、ロックされないのだ。すぐにFFCが抜けてしまう。
さらに基盤を外すと、
レーザーはこのような向きに照射される。
右の斜めの部分がミラーになってるのだ。
レーザーの出口のレンズはこんなに。
↑表面のコーティングが剥がれて来てるのだ。
レンズを外すと、その中は右側がミラーで、そこに写ってるのが赤丸のレーザー照射口。
問題はこのレンズだ。
表が凸レンズ風になってて(上側)、裏側はまた別の平面レンズ。2枚が合わさってるみたい。

↑手に持ってるのは、メーカーに出して、交換して外したレンズ。
表面をアルコールで拭いたら、余計にひどくなった。つまり、コーティングが剥がれて来たのだろう。
これがメーカーに出して、新品に交換してもらって、外したほうのレンズ。
上の画像のようにアルコールで拭く前。

↑このシミが気になって、交換してもらったのだが、
交換した新品のレンズも、本体を取り付ける前に、同じようになってしまった。数日で何も触れて無いのに。
ND-HUD1のコンバイナーはコーティングに問題があったと先に書いたが、
このレンズのコーティングも問題がある。
メーカーで交換してもらったのものも同じようになるのだから。
プラ製のレンズにコーティングするのが難しいのか?
アルコールで拭くと、ひどいまだらになるから、
この部分は触らないほうがいいかも。
そのうち、プラを研磨するコンパウンドで綺麗にして、ガラスコーティングでも試してみようかと思ってる。
HUDの電源部の中身は以下のとおり