
お嬢が工場からロールアウトしてくるまでの間、ちょうど良い機会なので、
最近ご無沙汰している趣味として小学校の頃から40年以上続けているホームオーディオを振り返ってみたいと思います。
といっても、これまでの全てを振り返るのはあまりにも大変なので、ここ数年間を振り返ります。
(クルマとは関係がないタダの趣味自慢の備忘録ですw)
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私のシステムは、
AAD(American Acoustic Development)というあまり聞きなれないメーカーの「
Q series」と呼ばれるスピーカーを中心に成り立っています。
(この会社はコンシューマ向けの製品を殆ど出しておらず、設計は
Phil Jonesという変態的なエンジニア兼ベーシストが全て行っています)
また、このスピーカーは市販品には珍しく高能率なほうで、出力音圧レベルが94dB/mあります。
このため、お店に並んでいる状態で他のスピーカーとブラインドテストで聴き比べても一発で違いがわかります。
私は、このシリーズのフロアタイプ(トールボーイ型)の
Q40iを中心に、ブックシェルフタイプの
Q20i,
Q10iの3種類(計7本)を使ってマルチチャンネルシステムを構築しています。
ちなみに、どれもシリアルナンバーが1桁で、ショップいわく、このスピーカーを日本で最初にインストールしたのは私とのことでした。
ちょっと自慢・・・(///∇///)
パッと見の特徴は、センターキャップを廃したモノコック式の2基のウーファーが、エンクロージャーの左右に背中合わせというユニークな配置になっている点かと思います。
このため、駆動した際の反作用を打ち消しあうのでエンクロージャーが全くといっていいくらい振動せず、高能率な割りに「静かなスピーカー」といわれています。
また、左右あわせて4基のウーファーでドライブしているせいか、下手なスーパーウーファーよりパワフルで沈み込みがあり、音の繋がりもスムーズで遅れも感じないです。
100Hzから上の中高域のユニット配置は、ツイーターを2基のミッドレンジが挟み込むバーチカルツイン方式で、2基のミッドレンジのクロスオーバーを微妙に変えることで、ツイーターやウーファーとの繋がりをスムーズにしているとのことです。
(これにどの程度の効果があるのかはわかりません。。。)
ツイーターは、チタン合金製のドーム型で、かなりメジャーなタイプです。
音は、とにかくスピード感と透明感があり、音域が広く特性もフラットで出っ張りや引っ込みが無い印象です。
逆に言うと、それ以外の特徴や個性はあまり感じません。
入力はトライワイヤー方式なので、ウーファー,ミッド,ツイーターそれぞれ別々にパワーアンプを接続し、他のユニットへの逆起電力の影響を排除しています。
また、エンクロージャーはバスレフ型と密閉型を自由に変えることができるのも特徴です。
(低域は充分に量感があるので、沈み込みを重視して密閉型として使っています)
とまあ、かなり自慢のスピーカーではあるのですが、システム全体としてはかなり不満がありました。
ウーファーが壁に近すぎて、鳴らすと壁がビビッてしまうのです。。。
日本の住宅事情の悲しいサガですね。
更に、左は壁で右は窓と部屋の左右の特性が同じでないところもダメですし、部屋のコーナーに低域の音溜り(定在波)が発生するのも吐きそうなくらい気持ちが悪いです。
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というわけで、まずは環境から整えようとリフォームを行うこととしました。
ラフな図面は自分で引きましたが、数値的な検証が出来ないので細かい所はプロに任せることとし、馴染みのショップ「
AVAC」に施工依頼しました。
うちの間取りはリビングと和室が隣り合っていて、新築時にゴニョゴニョしておいたお陰で、1つの部屋として使えるようになっています。
問題の壁のビビリですが、一番のガンはリビングと和室の境にあるパイプスペースなので、中に吸音材を詰め込み、壁を高密度ボードで3重の増し貼りにします。
もちろん通気口も塞いでしまいます。
そうして出来たのがコレ。
壁を叩いたときの音が違います。
あと、カーテンの端から迷光が入らないよう、カーテンを壁に引き込むようにしています。
反対側も押入れを取り壊し、同じように壁を増し貼りします。
このあと、この壁にPanasonicの音響材(マイルドトーン)を施工します。
折角なので、ガチャ柱を立てて移動式の棚にします。
天井から降りている壁も取り払い、和室的な要素をなくしていきます。
また、天井材を会議室などで使われている吸音タイプにします。
手を叩いたときに、ビーン!ってならなくなります。
障子戸も、1枚重さ10kgの音響用の戸に変え、更に壁一面をオーディオラック兼クローゼットにしていきます。
たかがクローゼットですが、音響的に目玉になる部分なので、骨組みはとにかく頑丈にします。
クローゼットへのアクセスは両側から行い、中央はテレビの壁掛けに使います。
こんな感じです。
このクローゼットの目玉は、両端に上から下まで幅20cmくらいのスリットを設け、ここから定在波となる反射音を布団が詰まったクローゼットに引き込むところにあります。
壁紙を貼って折れ戸を取り付けます。
下側のオーディオラックは、仕切りや内面を吸音壁にし、定在波の発生を抑えます。
両端のスリット内部に吸音材(グラスウール)を詰めます。
奥行きが90cmあるので、かなりの低周波まで吸い込めるはず。
スリットに詰めたグラスウールが外に出ないよう、サランネットで覆います。
一見して組み込み型のスピーカーにも見えたりします。
ぶら下がっているBOSE111は、テレビ兼フロントハイト用です。
天袋は、戸を付けずにフェルトの暗幕にします。
下側は目隠しにし、ここに電動スクリーンを取り付けます。
こんな感じで完成です。
リビング側は、天井付近にリアバックスピーカーとプロジェクターを設置できるよう、頑丈な棚を作りつけます。
こんな感じで、幾つかに分かれたパーツを繋げていきます。
プロジェクターは、奥行きがあり放熱スペースも必要なので、少し前に出っ張らせるようにします。
そのプロジェクターです。
デカイです。。。重いです。。。
こんな感じで完成です。
いなばちゃん、工事のあいだお疲れ様でした。
この施工によって、スピーカーのフラットな特性が部屋に邪魔されることがなくなりました。
施工業者もアイデアに関心していたので、これを機に是非ともパッケージ化して欲しいです。
(ロイヤリティくださいw)
しかし、ここまでやっても、まだまだツマラナイ音しか鳴りません。。。
映画を観るには充分ですが、音楽を聴くにはここからが勝負です。
オーディオが底なし沼たるゆえんですね。
Vol.Ⅱに続く。