「かいめい」は、海底資源の分布等海底の広域調査を効果的に行うとともに、鉱物・鉱床の生成環境を捉える総合的科学調査を可能とする最新鋭の研究船です。
IMO: 9712448
Name: KAIMEI
MMSI: 431273000
Vessel Type: RESEARCH/SURVEY VESSEL
海底広域研究船 (調査船)
所有者:海洋研究開発機構 (JAMSTEC)
運用:日本海洋事業㈱(ニッスイグループの海洋事業部門を担う企業)
建造所:三菱重工業下関造船所
船籍国:日本
母港:横須賀
建造費:207億円
発注:2013年9月30日 進水:2015年6月7日 竣工:2016年3月30日
総トン数:5,747 t 国際総トン数:5,747 t
全長:100.5 m 幅:20.5 m 深さ:9.0 m 満載喫水:6.0 m
機関方式:電気推進
主機関 :発電機(1,200 kw)×4基 推進電動機×2基
推進器:アジマススラスター×2基 (5翼固定ピッチプロペラ)
バウスラスター×2基 (1基は 開閉扉付きトンネル方式、1基は昇降旋回式)
出力:4,800 kW (6,400 hp)
航海速力:12.0ノット
航続距離:約9,000海里
搭載人員:65名(運航要員27名/研究者38名)
「かいめい」は、主要な調査観測機能として、「海底下試料採取」、「地殻構造探査」、「自律型無人探査機(AUV)複数機運用」並びに「一般海洋観測」 をおこなうそうです。様々な調査機器のほか、調査研究の目的に合わせて使用する機器を効率的に入れ替を行って、1隻で複数の専用船に相当する機能を有するととのことでした。
1隻に多機能を持たせる設計は、アイデアとしてはすばらしいものですが、ともすれば中途半端で 現場での取り扱い作業等に 皺寄せがいくこともあるのですが、この船はどうなのでしょうか。
一般商船と比較すると 港内では、うごいているか いないかわからないくらいの、きわめて遅い速度で移動しています。
「かいれい」は船も位置保持機能が特に優れているとのことです。推進装置としてはアジマス推進器2基、昇降旋回式バウスラスタ1基、トンネル式バウスラスタ1基を装備し、ダイナミックポジショニングシステムによって最適に制御することで 観測中の定点保持をきわめて正確に行うことが可能なことです。
接岸時にも この機能を利用して、所定のバースに自動操船で接岸することも 可能とのことでした。
資源エネルギー庁の 調査船「しげん」 では エアガンを投入する作業デッキ(ガンデッキ) とストリーマケーブルが置けれている作業デッキ(ストリーマ デッキ)が 上下に分かれていましたが、「かいれい」では、同じレベルの作業デッキとなっています。

今回の調査に使われる 地震計
自己浮上型海底地震計
海底で地震観測を行う計測器が海底地震計(OBS:Ocean Bottom Seismograph)です。
OBSにはセンサー・記録器・時計・電池などが耐圧ガラス球に納めているそうです。海面から自由落下させ、水深6,000mまで設置する事が出来るとの説明です。
回収は超音波の指令を観測船から発して錘を切り離し、浮力で海面に浮上させて行います。設置期間は調査目的により、2週間~3カ月とのことでした。
海底地震計(OBS:Ocean Bottom Seismograph)を用いた地震波構造探査では、OBSを数km~数10kmの間隔で設置し、エアガンによって音波(地震波)を発振させます。これにより、海底下の地層境界面で反射および屈折して海底に戻ってきた波をOBSで受信します。その記録を解析することによって、海底下深部構造を波の伝わる速度の違いとして捉えることができます。一般に、速度が遅いものは柔らかく、速度が速いものは硬いという傾向があるとのことでした。。
ストリーマケーブル
ストリーマケーブル 巻き上げ装置の一部です
作業デッキは ウッドデッキになっていて、 装置類を固定できるように 工夫がなされています
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調査 練習船 | 旅行/地域
Posted at
2017/07/02 22:22:26