
さて、昨日までの整理で、サーキット走行においてVDC全オフが好まれる(望まれる)理由はブレーキLSD機能が邪魔なモノであり、それが邪魔であるコトの根拠も明確になりました。
次はいよいよ、そのブレーキLSD機能を
どのように解除(無効化)して
VDC全オフの状態を手に入れるのか?と言う核心部分です。
と言っても、私自身、既に某店にてVDC全オフ機能は実装しており、また世のZ乗りの皆さんにとってもかなりメジャーな変更点となっているようなので、その実装方式自体は特に驚くべきものでもなんでもなく、ヨーレートセンサーを無効にすると言うものです。
そして今回ようやく、ヨーレートセンサーを無効にするという方式がブレーキLSD機能を含む全てのVDC機能(制御)を無効にすると言う事の理由が分かりました。その根拠(自分自身を納得させる根拠)は次の3点です。
(1)日産のプロフェッショナルのコメント
(2)Z34の取説の記載
(3)実際の警告灯の状態
(1)日産のプロフェッショナルのコメント
まずこれですが、これは今回、私がVDCについて自分のアタマを整理しようと思うきっかけとなる会話を行なった、都内某店の日産のプロフェッショナルが言っていた内容です。
それはZ33に対してのもので、「Z33の場合にはスピンターンを行なえばVDC全オフ状態となるが、エンジンを再始動すれば元の状態(VDCがオンの状態)に回復してしまう」という内容でした。
このコメントが出てきた経緯を要約すると次の通りです。
みちみっく:VDC全オフ化を別のお店で実装した。ヨーレートセンサーを無効にしたのだ。
某店のプロ:そのお店がホントにZの内部的な制御の事まで分かっていると思うのですか?
みちみっく:Zの取り扱い実績の多い専門店なので信用しています。
某店のプロ:VDCの制御は凄く複雑なんですよ。例えばZ33の場合・・・(前述の説明)。
みちみっく:それはつまりヨーレートに関してエラー状態を作り出すということですね。
某店のプロ:そうですよ。
某店のプロ氏は私が他のお店で実装した方式(もしくはVDC全オフという状態そのもの)について否定的&懐疑的で、「そんな簡単なコトじゃないんだよ」というトーンでのメッセージでした。それに加えて、私自身がヨーレートセンサーの無効化とVDC全オフとの関連性を理解していなかったため、VDCに関する話し自体はそこでうやむやにして別の話題をぶち込むという
オトナの安全装置を発動させました、、、。
正しい情報が分かっていれば、それを元にして説明や会話をするアタマはあると思っていますが、
正しい情報がない場合には議論が暴走する可能性があるためです。
とは言え、ここで正しいと言えるであろう事は、その日産のプロフェッショナルが言っていた「VDC全オフのためにはヨーレートセンサーをエラー状態とする事が必要だ」というものです。
これを正しいと思える理由は、私が自分のZ34に実装してもらった方式はヨーレートセンサーの無効化によるものですが、これはつまり、VDCの制御側から見れば異常な状態と言える訳で、故に、その日産のプロフェッショナルが言っていたZ33でのVDC全オフに必要な状態と一致します。且つ、この方式は世間で多く採用されているVDC全オフの方式です(と言うより実際この方式だけしか聞いた事がありません、、)。
(2)Z34の取説の記載
次はこれです。
そう、こんな事が書いてあるのです。
★ 二つの警告灯が同時に点灯(点滅ではありません)した場合はVDCは動作しない。
★ その場合でもVDCのない普通の車として走行できる。
まさにこれです!
これはつまり「VDC全オフ」という事です。それ以外に読み取りようがありません。これこそVDC全オフの印です。この状態になったら「VDC全オフ」です。確定です。作った日産がそう言っているのですから。
(3)実際の警告灯の状態
そして私のZの実際の警告灯の表示状態がこれです。
某お店で実装してもらった、ヨーレートセンサーを無効化することによるVDC全オフのスイッチを操作すると、この状態、つまり、件の二つの警告灯が同時に点灯した状態が維持されます。
これは取説の表現によれば「VDCの電子制御システムに異常がある」状態です。
ではその異常がある状態になるとどうなるか?
そうです。(2)のとおり
VDCのない普通の車として走行できるのです。これにてVDC全オフの完成です。
@@@@@
さて、日産のプロフェッショナルが言っていた「VDCの制御は複雑なものだ」と言う事はまったく持ってその通りだと思います。心底、完全に、嘘偽りなく、100%同意できます。
しかしながら、
VDC全オフを実現する為には、VDCの制御内容そのものを知る必要は全く無いというコトも、今回分かりました。
では何が分かれば良いかと言うと、
VDC制御システムを異常な状態にする方法が分かれば良いのです。
つまり、今回実装した
ヨーレートセンサーの無効化によるVDC全オフは、「VDC OFFスイッチ」だけでは残ってしまう
ブレーキLSD機能に狙いを絞ってそれを直接的に無効化している訳では無いと言う事です。
分かってみてから考え直すとこれまた非常に単純で、正しい制御のために必要な情報をVDCに渡さない事によってVDCが正常に動作しない環境を作れば
VDCの安全装置が発動されて機能を停止する、と言うイメージですね。オトナな動作です。
改めて
今回の整理をまとめると、こんな感じです。
私たちはスポーツ走行時にはVDCを全オフ状態にしたい。
だが複雑なVDCの制御システムを理解し、それに介入してその動作を無効化する事はとてつもなく大変(ムリ)だ。
ただしVDCの制御システムに介入する事自体が私たちの目的である訳では無い。
私たちの目的はVDCが動作しない状態と言う結果を得る事だ。
制御のための入力情報のひとつであるヨーレートのセンサーを無効化すると、VDCの制御システムはシステム自体が異常な状態にあると判断する。
システムが異常な状態の場合には正常な制御ができないため、VDCは動作しない。
つまり、ヨーレートセンサーであれその他の何かであれ、何らかの機能や部品や方法によって、VDC自身が異常な状態にある(正常な制御を行なうために必要な情報が得られない)と判断するような状態にすれば、VDC全オフは可能になるというコトが結論です。
これを
VDCクンの立場で考えると、こんな感じですね。
ボクは今日も健康で元気です!
今日もドライバーの安全を守るためにこっそり働くぞ。
あれ?働くために(制御のために)必要なセンサーが異常な値を返してきているぞ。
このまま頑張って働こう(制御を行なおう)とするとヘンなコトをしてクルマが危険な状態になるかもしれないなぁ。
ボク自身はしっかり働ける健康な状態だけど、正しい情報が分からないと危ないから制御(介入)する事はやめにしよう。
ただドライバーが意図しない制御をボクが行わないだけで、クルマとしては普通に動くからね。
でも十分注意して運転してくださいね!
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うーん。とてもスッキリしました(笑)
そしてまたしても、取扱説明書の大事さが確認できました。まずは取説です。
さて、と。
あとはこれをドライビング技術の向上にどう活かすか、です。
来週、ぐるぐる練習会に参加予定なので、その場で動作の違いを改めて確認してみようかな。。。
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サーキット | クルマ
Posted at
2017/07/21 12:50:17