1
アイドル調整不良から、交換に至った交換に至ったAACバルブですが、
交換後、アイドルは安定するようになったものの、
アイドル回転数を調整するため、AACバルブのハーネスを抜くと失火するという症状は変わりませんでした。
さらにハーネスを抜いたままだと、始動もできません。
そのため、かかりつけ医のRiOさんで原因を調査していただきました。
2
調査の方法として、
本来であればAACバルブハーネスを抜いた状態でも始動は可能であるはずにもかかわらず始動できない、
ハーネスを刺している場合は始動できるということで、電気的な不具合を予想。
ハーネスを抜いた状態で始動できないのであれば、
エンジンが始動するための条件として必要な電気が、
どこまで流れている、どこからが流れていないかを最初から確認していただきました。
すると、ECUメインハーネスのにあるECU主電源となる配線に電気が流れていないことがわかりました。
そのためその線の断線等が考えられましたが、
調査したところ、トランク内バッテリー横の電源分岐ハーネスにて、
金属端子がしっかりと差し込まれておらず、正しく接続されていないことがわかりました。
こちらを、改めて接続し直したところ、ECUに正しく電気が流れ、
AACバルブのハーネス接続状態にかかわらず、始動可能となりました。
3
それでは、なぜECU電源が届いていないにもかかわらず、これまでエンジン始動ができていたのか。
それは、ECUが電源入力をしていないため、AACバルブから届いたバッテリー電源を、電源として動作していたものと考えられます。
(ECU基盤回路を精査していないため、予測に過ぎません)
そして本来、AACバルブの制御は、
バッテリー電源を元にAACバルブを介してECUに届き、マイナス側のデューティーコントロールによって制御されるものが、
ECU電源として電気が流れているため正しくデューティー制御されず、
AACバルブのアイドル調整ねじを回転させても、回転数が変化しなかったものと考えられます。
4
さらに、今回の作業後、安心したのもつかの間、
メーターパネルでABSランプが常時点灯し、ABSの関係に何らかの不具合があることがわかりました。
日産の診断機であるコンサルトでは故障診断コード「後内ABSソレノイド」が表示されたため、
ボンネット内「ABSアクチュエーター」を交換、
ABSランプが消えたため治ったかに思われましたが、再び点灯。
5
再度、コンサルトで診断すると「後内ABSソレノイド」の表示。
そのため、トランク内のABSコントロールユニットを交換するも、状況は変わらず、
時間をかけて原因を調査していただきました。
ECU電源配線の事象も鑑みて、
ABS関連ハーネスにてテスターを使用した始終点間の導通・ほかの配線への短絡・ボディーへの地絡の確認をしていただきましたが異常がみつからず、
コンサルト自体のエラーも考え、
車両自体での自己診断も行いましたが、やはりABS関連(センサー系)に異常がある様子でした。
6
自己診断機能で新たにセンサー系の異常であるとわかったため、
ABS回転センサーの配線を前後左右で入れ替え調査したところ、故障個所が移行しなかったため、センサーの不具合ではなくやはり電気的な配線の不具合であると判断
異常表示のある回転センサーと、ABSアクチュエーター・コントロールユニットの配線を新たな線で引き直したところ、ABS表示灯は消え、
コンサルトでの異常表示はなくなりました。
7
テスターにより導通・短絡・地絡の異常有無は確認していたにもかかわらず、
新たな線で引き直し、回復したことから、
この配線に異常があったことは確かです。
不具合のあった配線のその後の詳しい調査は行っていませんが、
導通・短絡・地絡の異常はありませんでしたが、
ハーネス配線内部の劣化等により抵抗値が変化したため、
コンピュータやコンサルトで、その抵抗分が故障として反映された可能性が考えられます。
電気関連の不具合に対する原因調査として、
コンサルト診断は便利ですが、
車体自体の自己診断機能との照合や、
ハーネス間の導通・短絡・地絡・抵抗、
センサー系の差し替えが有効だということがわかりました。
これから不具合調査をされるみなさまへ、
お役に立つ情報となることを願って。
[PR]Yahoo!ショッピング
[PR]Yahoo!オークション
関連整備ピックアップ
関連リンク