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2023年10月23日

R30の謎38

R30の謎38 R30には世界初や日本初の試みが随所に見られます。その中にはスペアタイヤも含まれ、歴代で最初で最後のハッチバックにはテンパータイヤを日本初採用して省スペース化を図ったのは有名です。また、それまで床下にあったものをサイドに立てて収納する事で、荷物が載ったままでもスペアタイヤを取り出せる配置にも工夫が感じられます。緊急時の使い勝手とトランク容量増大の両立にチャレンジする辺りからも当時の本気ぶりが伝わって来ますよね。加えて、アルミホイールの純正採用が世に広まったのも櫻井さんの働きかけによる影響が大きい事が知られておりますので、自動車業界への貢献度は計り知れません。

そんなスペアタイヤですが、R30が登場した昭和56年8月当時はセダン・ハードトップ共にフルサイズが積まれています。トランクのカーペットが捲り上げられる構造になっているのは、フルサイズのタイヤを搭載した際の逃げに使われている様子が良く分かります。おっと、内装色が茶色ですね。という事は外板色はあのスカイシルバーMt(#932)ですか!!


スペアタイヤの空気圧警告灯の説明も当然のようにフルサイズの写真が使われています。


ハッチバックはラゲッジルームが専用のトリムで覆われますので、カタログでもテンパータイヤを収納した様子の写真はありません。


当時は未だ珍しいテンパータイヤの紹介では黄色いホイールカラーの意味合いもきちんと説明されています。昭和56年10月にデビューしたRSには最初からテンパータイヤが採用されていますが、 RSの場合はスペース的なものよりも軽量化の意味合いが強そうですね。


エステート以外のR30系全車へのテンパータイヤ拡大採用は昭和57年10月の小変更まで待たなければなりませんが、何気にこのタイミングでの変更点は多岐に渡ります。タイヤサイズが変更になってもトランク容量は320ℓのままですので、スペアタイヤを抜きとした容積を示しているようです。



我が家のR30は2台ともテンパータイヤ搭載車になりますが、ことぶき号の物はカバーがビニールでホイールの裏側がシルバー。青ポール号の物はカバーが布製でホイールの裏側は黒と、テンパータイヤにも細かな違いがあったりします。

カバーがビニールか布かの違いについては、トランクのカーペットやテールランプ裏のボードの材質に付随しますので次の法則が成り立つ事になります。(注:フルサイズを除く)

⚫︎カーペット=起毛ボード+布製カバー

⚫︎ビニールマット=厚紙ボード+ビニールカバー

従って、前期RSはビニールマットですので厚紙ボード+ビニールカバーになります。と同時に後期RS-Xはカーペットですので、起毛ボード+布製カバーとなります(後期RSのX無しは前期RSと同様)。因みにテールランプ裏のボードが厚紙の場合はテールランプ部分の蓋までもが省かれます。・・・という認識でおりましたが、ここまで例外はありませんよね?

と思っていたんですが、TIがやってくれました(困)テールランプ裏のボードが見えないので全容は掴めないままですが、ビニールマットなのにも関わらずスペアタイヤは布製カバーです。


そして極めつけがカバー無し!


TIにはGTやRSの法則が通用しない場面が多々ありますので、カバーの材質については迷宮入り決定です(超謎)


そして、個人的に昔からスッキリしないのがコレです。スペアタイヤを固定するベルトって、1回解いてしまうと掛け方に悩みませんか?私はベルト部分の長さを調整しておいてからゴムの弾力を使ってフックに引っ掛けていました。


先日、山源商店さんから正しいベルトの掛け方について質問がありましたので、改めて自分の掛け方を確認してみたんです。昔からこの掛け方一択でしたので、言われてみれば本当にこれで合っているのか気になるところではあります。


これまでスッキリはしないながらもベルトの掛け方を疑った事すらありませんでしたので専門書(取説)を読み直してみました。するとそこには衝撃の事実が記載されていたんです!


①レバーを矢印方向に起こして
②ベルトが緩んだ所でフックを取り外す


え??あのベルトってテンションが緩むんですか?!?!しかも、ゴム部分を伸ばしてフックを外す訳ではないんです!


しかもフックの掛け方が外側からだし!


全然違うじゃないですか!確かに大きい方の金具を起こそうとしても全く動きません。


検証の為にベルトを外して室内に持ち込みました。車体前方の上下に引っ張るベルトは上側にゴムが来るのは合ってましたね。


これまでのように、上側のフックを内側から掛けるようにした場合にはベルト縫い目の折り返し部分が手前になります。


フックを外側から掛けるようにすると裏側になります。


下側のフックも同様で、内側から掛けるようにすると折り返し部分が手前になります。


折り返しが裏側を向くようにするなんて、なかなか芸が細かいじゃないですか。


次に車体後方に引っ張るベルトです。フックがこの向きで折り返し部分が手前側になります。


フックを引っ掛ける部分です。画像左側がスペアタイヤになりますので、フックの向きは自然と上記のようになります。


このベルトは車体側の形状からこの向きに掛けるのは不自然ですので、折り返し部分は手前側になるようです。ここもポリシーを貫いて欲しかったですよね。なんとも中途半端な。それとも不自然に感じる向きに掛けるんですかね?


さて最大の関門です。2組のベルトと金具だけなので、仕組みとしてはそこまで複雑ではないと思うんですけどねー。


あーでもない


こーでもない


色々と試しているうちに気付いたのは、金具を2つ纏めてベルトを通す箇所がないと保定力に欠けるという事です。


金具が上下にズレて噛み込んでしまうケースもありました。振動が多い環境にあるので、この点は考慮されている筈です。


レバーを起こすとテンションが緩む通し方を自分なりに模索してみましたが、もう金具の前後関係すらも分からなくなって来ました。行き詰まった時には基本に立ち返るべく、再びカタログを調べてみるとTIのカタログで大きく写っている写真を見つけました。因みにカバーはビニールです。


拡大してみると、大きい金具が手前で曲がりも手前側のようです。これであとはベルトの掛け方ですが、裏側の小さい金具の方が僅かに車両後方にズレているのが分かります。


となると、やっぱりこれで良いって事になるんですけどねー。


この状態で大きい方の金具を起こすんですが・・・


あれ?起きましたね。


ひょっとして力が足りていなかっただけなんて事はありませんよね?実車に装着して再び検証してみましょう。まずは取り付けです。3箇所のフックを引っ掛けてから、後方のベルトを引っ張ってみます。これ、凄いですよ!南京縛りのように締まります。


そして解除です。強引気味に金具を起こすと、ベルトの締め付けが緩んでテンションが解かれました。使い方を間違えていただけで掛け方は正解だったようです。


やっと解決しましたので、フックも本来の掛け方に戻します。


後ろ側のベルトもゴムのリングに通して収納したら終了です。いやー、スッキリしました!



固定ベルトの掛け方はこれが正解だと確信しています。と言うか、これ以外は思い付きません。今回は珍しく解決に至りましたね。しかし、カバーについてはモヤモヤを残す結果となってしまいました。相変わらず奥が深いR30です。


何故こうなったのか今や誰にも分からない・・・。固定ベルトの掛け方が煩雑な上に説明の類が存在せず、カバーの法則性もイマイチ掴めないスペアタイヤでした。
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Posted at 2023/10/23 20:11:19

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JZT143さん

この記事へのコメント

2023年10月23日 20:20
田んぼESさんこんばんは
タイヤハウスが水槽状態で外して避難させて以来
ずっと謎だったフックの掛け方がわかりました。
ありがとうございます。
コメントへの返答
2023年10月24日 13:04
flex hr30さん、こんばんは。

あのベルトは迷いますよね。私も長年の謎がやっと解けました。少しでもお役に立てて良かったです。

2023年10月23日 21:43
田んぼさん、よくぞ解決してくれました。
毎晩毎晩のトランク生活も今日でお別れです。
これからトランク行って、掛け直して終われます。
本当、毎晩トランクで2時間こね回していたら痔に成る所でした。
車買って10年以上悩んでいました。
今夜からゆっくり寝れそうです。
あ~!良かった!(^^)!
コメントへの返答
2023年10月23日 21:51
山源商店さん、こんばんは。

連日の検証お疲れ様でした。漸く解明できましたね。こちらこそ楽しい機会を与えて下さってありがとうございました。ベルト1本を取ってみてもその奥深さに感心するばかりです。後方のベルトを引っ張って、締め付けの感触を味わってみて下さい。リリースも感動しますよ!今夜から熟睡できますね(笑)
2023年10月23日 21:51
今晩はです。
流石、田んぼESさん かゆい所分かってます 😖
スペアを下ろした後、いつも悩んで🤔つけてました~
スペアタイヤの止め方参考します👍
勉強になりましたm(__)m

コメントへの返答
2023年10月23日 21:56
sebikinjirouさん、こんばんは。

まずは反響の大きさに驚いております。あの固定ベルトは分かっていて当たり前と言うかのように、掛け方の説明が何処にも無いんです。やはり皆さん疑問に思っていますよね。是非ともこの方法で掛けてみて下さい。しっかり締まりますよ!お役に立てて良かったです。
2023年10月23日 22:33
連投すみません。
トランクから戻りました。
今夜は解除動作も確認出来て、たった30分でトランクから降りれました。
率直に感動しました(T_T)
あの台形のバックルがドアを開けるように右から左へとひっくる返す様に、思い切ってやったらスルッとベルト緩みました。
結構硬くてビビりながらでしたので、昔の戸車が無い雨戸のレールと言うか溝に塗り込んだロウを金属とベルトが当たる所に塗ったら、マジ((((゜д゜;))))ヤバいくらいにスルスルに化けました。
興奮して、(◎-◎;)目が冴えて寝れなく成りました(爆)
これ!地味かもですけど、30乗りや販売店には、かなり貴重な情報ですよ。
改めてご協力ありがとう御座いました。
あーやべーマジ寝れないぞ!革命だ!
コメントへの返答
2023年10月24日 6:13
山源商店さん、おはようございます。

なるほど、潤滑剤でスムーズになる可能性がありますね。ベルトにも長年の折れ癖が付いていますので、解除の際にはその引っ掛かりも結構な抵抗になっていると思います。
専門店でもお手上げだった案件の解明は大きな前進ですね!今後も日々精進してゆく所存です。
2023年10月28日 14:33

こんにちは。
また細かいところを・・・笑

ちょうど手元にR30があったので、試しに触ってみました。笑
どうやらうちのは車体後方側の金具が1つ無くなっているようで、あえなく断念しました(^^;)

張りをそのままの状態で着脱出来るようになっていたとは驚きです!
コメントへの返答
2023年10月28日 15:09
ヨッコイしょーいちさん、こんにちは。

このベルトについての研究は本邦初かもしれません。
これまで掛け方は合ってはいたものの、構造を理解せずに使用して来た事を恥ずかしく思います。今後は堂々とスペアタイヤと向き合う事が出来るようになりました(謎)
2023年10月28日 15:26
こんにちは。
こんな貴重な投稿があったなんて、気が付きませんでした。
本日(10/28)我が愛車のトランクを覗きました。昔々テンパータイヤの固定方法が分からず、オリジナルの方法で止めていました。
なるほど、後方のベルトを引っ張ると締まるし、留め具を起こすと緩みます。これが正解か!上側のベルト固定金具は裏から引っかけるとは思いもよりませんでした。
大変貴重な研究成果発表をありがとうございました。喜ぶ方は多いと思います。
そうそう、ウチのタイヤカバーですが、ビニールカバーでした。タイヤの内側は黒色です。
コメントへの返答
2023年10月28日 16:47
フジィさん、こんにちは。

正解の掛け方をされていたとは流石です。あのフックの向きは反則ですよね。裏側からと知った時は全否定された気分でしたよ。でも、今回の研究結果が皆さんのモヤモヤした気分を晴らす一助となれば幸いです。
スペアタイヤのカバーについてはRS-Xでもビニールの車両が多く確認されており、法則性は掴めませんでした。実は最上級レベルの謎なのかもしれません。
2023年10月28日 17:28
度々失礼いたします。
前コメントの補足説明をさせて下さい。
テンパータイヤ固定のベルトはオリジナルの方法で行っていましたが、正解とは全くかけ離れた方法でした。
この度の田んぼESさんの投稿により、正しい取り付け方を教えて頂き実践致しました。
ありがとうございました。
コメントへの返答
2023年10月28日 17:37
フジィさん、コメントありがとうございます。

今回の掛け方は取説に記載された通りにテンションのリリースが可能な事は確認できましたが、本当に正しいかどうかは分かりません。しっかりと固定できていればどの掛け方でも間違いという事はありませんので、色々なパターンがあって良いと思います。純正よりもしっかりした掛け方が存在するかもしれませんので、可能性は未知数ですよ。

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北信州に生息しております”田んぼES”と申します。 前期・後期・グレード問わず、R30スカイラインが大好きです。中でもターボGT系のポール・ニューマン バ...
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