2021年06月15日
何でも付いているiMacと何にも付いてないMac mini
今回は【自分の持ってないMac】半年前に出たMac miniと先日リリースされたiMacとを考えてみます。
ちなみに私は両方とも持ってなくて、しかしSoCは同じものを用いたiPad Pro11(2021)を先日買いました。
■既存の環境に溶け込むMac mini
USB-C alt DP modeで出力出来るので既存のモニターに繋いで4K出力(最大6K一面のみだそうだがそんなモニターは一般的では無い)。しかも2枚まで。だが、これ、画像は確かに十分ある4Kではあるものの、近年のMacお得意のラティナ表示じゃないんだよね。
■4.5Kモニター一体型でキッチリとラティナ表示してくる23.5型。
一応もう一画面外部に出せるんだけど、同じ画像密度の4.5Kモニターが市場にあるわけではない。FHDでも4Kでも、拡張デスクトップとしては不細工。つまりこれは一画面限定で使うのが正解か。正に「置きっ放しのMacBook」そしてどんなMacBookよりも画面は広く画素は多い。また当たり前のようだが「MacBook」として考えると内蔵リチウム電池を持たない。案外内蔵リチウム電池はすぐにヘタる。電池は残量ゼロにしてはいけないし満充電なのに充電器を挿しっぱなしも良くない。その点無電池は手間要らず。但し、付属品のキーボードやマウスが全部Bluetooth式で充電池内蔵(しかも一体型で分離不可)。これはiPhone同様にLightningからの充電をしなくてはならない。
サウンドも、Mac miniは一応アンプもスピーカーも付いてはいると言う程度だが、iMacの場合は他社の一体型パソコンに伍するレベルの音はステレオで鳴る。明らかにノート型より上。(かと言って一万円以上の外付けスピーカー類には勝てない)。
■ちなみにiMacのモニター
24インチ4.5K Retinaディスプレイ 4,480 x 2,520ピクセル解像度、【218ppi】、十億色対応 500ニトの輝度 広色域(P3) True Toneテクノロジー
■参考にiPad Pro11(2021)
Liquid Retinaディスプレイ IPSテクノロジー搭載11インチ(対角)LEDバックライトMulti‑Touchディスプレイ 2,388 x 1,668ピクセル解像度、【264ppi】 ProMotionテクノロジー 広色域ディスプレイ(P3) True Toneディスプレイ 耐指紋性撥油コーティング フルラミネーションディスプレイ 反射防止コーティング 1.8%の反射率 最大輝度600ニト Apple Pencil(第2世代)
■参考にMacBook Air
IPSテクノロジー搭載13.3インチ(対角)LEDバックライトディスプレイ、2,560 x 1,600ピクセル標準解像度、【227ppi】、数百万色以上対応 対応するスケーリング解像度:1,680 x 1,050 1,440 x 900 1,024 x 640 400ニトの輝度 広色域(P3) True Toneテクノロジー
MacBook Airの画面説明に表示画素の説明があるようにラティナ表示は通常の表示では無く1画素を4ドットで表すような液晶ドットの贅沢な使い方をします(Windowsで言う200%表示みたいな)。なので4480x2520ドットは実質2240x1260画素(或いは1493x840)の様に描画します。FHDが1920x1080(或いは1920x1200)ですから23.5インチの画面としてはかなりきれい。【】で特記しましたがppiというのが画素の密度。(iPhone<) iPad < MacBook < iMacで画素がやや粗くなっている。だがこれは使い方として目との距離による。画面を抱えて使うiPadが264ppi、画面から(キーボードの関係で)離れられないMacBookが227ppi、ワイヤレスのキーボードがあり23.5インチを見渡すiMacで218ppiになっています。WindowsのデスクトップUIが基準としてきた表示密度の96dpi(dot per inch)に合わせて、画素密度を96ppi程度にした製品が今でも一般的なパソコン用モニターでは大半です。
キーボードはどうだろうか?
■Mac miniにはキーボードが「無い」。つまりどんな既存のキーボードも使える。メカニカルで押し下げ距離の深いキーボードなど使い放題。
安物のUSBキーボードなら千円程度。
■iMacの場合はBluetooth式の【本体カラーに合わせた色のキーボードが付いてくる】。別に他のBluetooth式でも互換性はあるし、USBキーボードでも使えなくは無いはずではあるけれど強烈に本体とセットである事を意識せざるを得ない。またiMac付属のBluetoothキーボードにはBluetoothなのに指紋認証のセンサーまで付いている。つまりは本体電源オフ状態でも起動準備のためにBluetoothをオフ時もiMacは常時監視している。
またMac miniでは金属筐体の底の方にBluetoothや無線LANの送受アンテナが付いていた。それが置き場所によって受信感度や接続性がイマイチな話もあったのですが、iMacの場合には本体が画面ですからキーボードやマウス(類)を見渡すのにアンテナの場所が良い。
本体内蔵カメラ
■Mac miniには当然ながら存在せず、外付け(プロセッサの機能との連携)も不可能
■iMac側は「 M1画像信号プロセッサと連係する1080p FaceTime HDカメラ 」が付いています。これは詳細不明です。同じM1SoCを搭載したiPadProの場合は「内」と「外」と、更に「外」には複数のカメラ(撮像素子とレンズ)を持ち、あれこれと機能を謳ってあるのですが、例えば「手振れ補正」は据置型のために非搭載だと思う。で、「内カメラ」と比較してどのぐらいの性能になっているのか。知りたいが良くわからない。iPad ProやiPhone12(A14)で自撮りしながら動画配信する事と比べてどういう差があるのか不明。
本体内蔵マイク
■Mac miniには当然ながら存在せず、外付け(プロセッサの機能との連携)も不可能
■iMac側は「 高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つ、スタジオ品質の3マイクアレイ 」これまた意味不明ではありますが、マイクは3つ付いているとのこと。
ちなみに同等のM1SoCを搭載したiPadProでは「 通話、ビデオ撮影、オーディオ録音のための5つのスタジオ品質マイクロフォン 」を搭載しています。詳細は不明ですが、これはiPad Proの方がマイクを重視している様です。
こうして見てくるとMac miniはなかなかiMacには追いつけない部分が大きいと言わざるを得ない。市販4K液晶を装着しても画素は粗くなるし、iMacを真似しようにも指紋認証Bluetoothキーボード、M1連動カメラ、M1連動マイクなど存在しない。毎回本体後ろの電源ボタンを押して起動。その代わりやや安く(約10万円マイナス)、無用なリチウム充電池付BluetoothキーボードやBluetooth監視用に常時微弱電流を流す必要がない。ppiが高い(画面インチが小さ目の)4K液晶モニターを2枚並べて使うとギリギリ追い越せる(しかし市販品モニターでiMacに匹敵する画素数のモニターもないしppiの細密さで匹敵するモニターも見当たりません)。そんな感じ。iPhone,iPad Proににじり寄った独特のこじんまりとした没入環境をiMacは造っていると思います。
ppiを揃えた表示上限である6K程度の外部モニターがあると嬉しいのだが。Mac miniに関してはLGの27インチ5Kモニターを組み合わせるとppiを揃え、更にiMacに優る画面の広さを得る事ができるらしい https://www.lg.com/jp/monitor/lg-27MD5KL-B 。だが実売価格が現状15万7千円以上します。この価格はモニターだけでほぼiMacが買えるレベル。恐らく市場ニーズとしてこうしたクラスのモニター単体はどこからもお呼びではなく、iMacという「一台買ったら必ず一枚の液晶パネルが売れてゆく」セットになる事で初めて「ロット」が成立したのが4.5Kの23.5インチ液晶パネルなのでしょう。
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Posted at
2021/06/15 11:20:53
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