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2022年10月21日

特装最前線 Vol.8

特装最前線 Vol.8 いわゆる8ナンバー車などの特装車の特集です。8ナンバーではない架装・特装車両もこちらで紹介させていただきます。タイトルは言いたかっただけです。今回はイベントカーやバスの特装車両、日野レンジャーFT特集です。※一部画像は瀬戸陸さんが撮影し、ご提供していただいたものです。当記事及びブログ内全ページにある画像の無断使用は一切お断りします。

まずはこちらです。瀬戸陸さんからご提供頂いたコカ・コーラのイベントカーです。こちらの車両は過去にトミーから37-4 コカ・コーラ イベントカーとして販売されていたトミカのモデルになった車両です。

よく架空車と思われているこのイベントカーですが、実際に製造された車両で、現在は国内某所に保管されています。

イベントカーのベースは三菱ふそうの大型トラックである「ザ・グレート」の前2軸後1軸車であるFTです。

トラックベースの車両ではありますが、キャビンはバスのような大きいフロントガラスを有する車両で、ライトは同時期に販売されていたエアロバスのものを流用しているようです。

望遠でフロントガラス越しに車内を覗いてみると、配電盤らしきものが。メインスイッチのようなものもあります。

このイベントカーは荷台部が缶のような丸い形状となっており、現在は消されてしまっていますが、コカ・コーラとロゴが入っています。

テールランプはバスなどに採用されているゴールドキング製の3連テールランプが取り付けられています。コカ・コーラ以外にもキリンビールの物も存在したようです。

イベントカーといえばこちらの「Nander-21」を思い出す方もいるだろう。こちらの車両は愛知県名古屋市に所在するブラザー工業が昭和59年に創立50周年記念事業の一環で、8,000万円を掛けて製作された多目的イベントカーです。このイベントカーは平成3年まで使われました。

先ほどの車両と同じく、三菱ふそう製のFT(前2軸後1軸 6×2)がベースですが、こちらはザ・グレートではなく、前身であるFシリーズがベースとなっています。取り付けられているナンバープレートには1984年に製造された車両であることを示しています。Fシリーズは1983年7月にモデルチェンジしていますが、架装の関係でザ・グレートではないと推測。

スペック表を見ると、車体後部には車椅子用のリフトを装備しているようです。

荷台部のステージ部が展開された状態で展示されています。本来はガラス部の展示室が外側に迫り出した状態で使用します。

こちらの車両は展示イベント終了後に石川県にある日本自動車博物館に寄贈され、現在はそちらで展示されています。コカ・コーラのイベントカーもNander-21も架装メーカーは不明ですが、どちらも同じ会社じゃないかと思われます。また、Nander-21と似たような形状のイベントカーで「KDDテレコムキャラバン号」という物も存在したようです。

東京消防庁が所有するVR防災体験車。イベントカーとは少し異なりますが、こちらで紹介します。

こちらの車両はいすゞ2代目ギガをベースにした車両で、防災イベントなどでバーチャルリアリティを用いた、災害体験を行う車両です。

こちらの車両はコーワテック株式会社が架装した車両となっており、恐らく東京消防庁にしか存在しない車両と思われます。テールランプは小糸製作所製オールLEDリアコンビネーションランプ3連タイプを装備します。

車体左側の荷台がウイングボディとなっております。荷台前側には115インチの大型LEDビジョンを装備しています。

車体右側はウイングボディではなく、アルミ製のパネルバンとなっており、発電機搭載部は観音式の扉となっています。

大型ビジョンの裏側にはデンヨー製ディーゼルエンジン発電機が搭載されております。こちらの車両は横浜国際消防・防災展2022のサテライト会場にて展示されていました。

大井川鐵道の日野2代目ポンチョ。こちらの画像は2019年9月に撮影した画像です。

大井川鐵道で走行している機関車トーマスに合わせて運行されるツアー用に製作されたバスで、作中のバーティーを模した架装がされています。

作中のバーティーのヘッドライトは丸目なので、ポンチョも純正をそのまま流用したものとなっています。ウインカーは純正位置から変更され、別のものが装着されています。

しかし武漢肺炎の影響を受けて、ポンチョをベースにしたバスでは席同士の間隔を開けつつ人数を乗せることが困難なことから、ツアーの運行から外されてしまいました。ナンバープレートも移籍に伴い、変更されています。

その代わりに運用に入ったのが、日野メルファをベースにしたバーティーです。グレードはロイヤルサルーンと思われます。

フロントにはバーティーの顔パーツが取り付けられています。顔パーツ装着の関係で、ナンバープレートは右側に移設されています。本来、ナンバープレート裏にある車外扉開閉スイッチも同位置に移設された物と思われます。

純正の日野メルファはこのような、横長のヘッドライトとなっています。※画像はSBSが所有するバスです。

しかし、大井川鐵道のメルファのヘッドライトは丸型のものを使用しています。この丸型ヘッドライトはダイハツ2代目ムーヴの物を流用しています。日野5代目レンジャーのキャブライト車(レンタカー等)でも同様の流用がされています。ムーヴは12Vでメルファは24Vなので中身のユニットは別のものと思われます。

バーティーのリア。ポンチョ同様にリアタイヤにはタイヤカバーが装着されています。

メルファ純正のテールランプは縦長のランプとなっています。

バーティーのテールランプ類は丸型のものに変更されています。

ポンチョの時には装備されていなかったトランクルーム。これはメルファには純正で装備されています。
バーティーは動画も撮影しています。

トーマスフェア期間外は著作権契約の関係で、バーティーの顔を着けて運行できないので外され、代わりに大井川鐵道の社紋が取り付けられています。このメルファをバーティーに改造したのは岐阜県各務原市にある、岩戸工業株式会社です。

岩戸工業株式会社ではオリジナルデザインのバス架装を行っており、東武バスセントラルが運行している、スカイツリーシャトルも同社がいすゞ初代エルガミオをベースに6代目エルフ用のヘッドライトを装着し、天窓を装備したオリジナルデザインのバスです。

特装バスといえば警察の機動隊輸送車も書かずにはいられませんね。

こちらは愛知県警察中部管区機働隊のいすゞ2代目エルガミオをベースにした大型人員輸送車。平成30年度に国費で配備が開始された車両です。

車両側面の窓は金網で覆われています。昨今では過激ゲリラも少なくなりましたが、某県の基地周辺は野猿が機動隊車両や工事車両を襲撃するので必須の装備となっています。

前側主警光灯はパトライト製AZF型(エアロウイングシリーズ)となっています。AZF型は回転ユニットを持たない、オールLEDの警光灯となっています。

エルガミオをベースにした大型人員輸送車では歴代、同社製RAW型(エアロダイナミックシリーズ)を採用していましたが、廃番となってしまったたので、修理交換が必要な車両は後継であるAZF型を装備している車両が存在するようです。なのでこちらの車両も後部警光灯はRAW型となっています。

よく青白塗装で金網を装備している機動隊車両を一般の方は「護送車」と誤解されていますが、実際の護送車はこちらです。この車両は日産3代目後期型シビリアンをベースにした車両で、窓ガラスには3面を除いて濃いスモークフィルムが貼られています。機動隊の車両と異なり、車内に逃走防止用の柵を装備します。画像のものは令和2年度に国費配備された警視庁の車両でパトライト製ALW型(エアロホークシリーズ)の主警光灯を前後に装備しています。前面補助赤色灯として、同社製LED補助赤色灯のLP3-M1-Rを装備しています。またドア部には逃走防止用に「かんぬき」が装備されています。

令和元年度以降に国費配備された車両はライトブルーという純正ボディカラーでしたが、それ以前の車両は純正ボディカラーのホワイト/グレイッシュブルーの2トーンカラーのものが配備されていました。画像は愛知県警察の日産3代目後期型シビリアンベースの護送車です。

こちらは国内某所に置かれていた日産3代目後期型シビリアン。ルーフ上に小さな赤色灯基台があるバスです。護送車なのは間違い無いのですが、どこか違和感があります。警察車両であれば、フロントパネルに旭日章が装備されるはずですが、こちらの車両には装備されていません。また主警光灯もパトライト社製RAW型(エアロダイナミックシリーズ)のような小さいサイズのものとなっていますが、遊撃車や検問車を除いてシビリアンのバスでRAW型を採用している中型護送車を見たことがありませんでした。調べてみるとこの車両は法務省が所有する護送車で、加古川刑務所の車両だったようです。

警察の護送車は前後に主警光灯を装備している事が多いですが、法務省所属の護送車は警察の護送車と異なり、前側にのみ赤色灯を装備している事が多い気がします(ただし前後装備の車両も存在します)。

画像は日野2代目後期型リエッセⅡをベースにした車両で、主警光灯はパトライト製AXS型(エアロブーメランシリーズ)を装備しています。

三菱5代目キャンターのウォークスルーバンをベースにした移動販売車。この車両の特徴はなんと言っても、フロントグリル前に設置された家庭用エアコンの室外機でしょう。車載用ルーフエアコンだとウォークスルーバンの特性上、架装が難しかったのでしょうか?

とある場所に「消防車のような車両が置かれている」という情報があったので、現地に赴いた。そこにいたのは日野ライジングレンジャーのダブルキャブ車でした。このレンジャーは「日野FT」という型式の2軸4輪駆動車で、実際に消防機関では救助工作車や支援車等で採用されている型式です。

バンパー下部にはドライバーユニットが取り付けられています。消防車であればサイレンスピーカー用にドライバユニットを装備しており、大抵はパトライト社や大阪サイレン製の物が主流であるが、こちらはノボル電機製の車載用スピーカーとなっている。

荷台部には窓が一つあり、車体後部には出入り口と思われる扉があります。車体下部にはアルミ製の折りたたみ式ステップとフロントと同様のスピーカーが装備されています。

リアタイヤはシングルタイヤとなっています。救助工作車やポンプ車であれば、後輪がダブルタイヤとなる事が多いので消防車では無さそうです。

調べたところ、この車両は元消防車ではなく、キャンピングカーメーカーのデモカーだったようで、平成17年12月5日に発行されたクロスカントリービークル Vol.60には、こちらの車両が特集されて掲載されていました。ちなみに雑誌掲載時はバンパー下に装備されたスピーカーは非装備だったようです。

日野レンジャーFTは消防車用シャーシではありますが、色々な仕様が存在します。ダカール・ラリーに参戦したレンジャー(ライジングレンジャー)もその1台です。こちらの車両は坪井特殊車体が架装したマシンで、前後シングルタイヤとなっています。

消防車用シャーシであるので、勿論消防車にも採用されています。こちらは東京消防庁第八方面消防救助機動部隊で運用されていた救助車です。日野ライジングレンジャーをベースにした救助車でモリタが艤装し、平成8年度に配備されました。

この車両は阪神淡路大震災を教訓に設定された「Ⅲ型」の救助車です。屈折式クレーンを装備しており、高床4駆車となっています。同型の車両が第二方面消防救助機動部隊にも配備されていました。冒頭のイベントカー同様に、こちらも74-6 災害対策用救助車Ⅲ型という名称でトミカが販売されていました。

日野レンジャーFTはこんなところでも採用されています。自衛隊の73式中型トラックです。現在の1 1/2tトラック(1t半トラック)は高機動車のシャーシを使用していますが、旧型のトラックはレンジャーFTのシャーシです。画像は自衛隊静岡地方協力本部で使用されていた車両です。

レンジャーFTは後継のレンジャープロ、そして現行のレンジャーにも採用されている消防車用シャーシで、雪国で使用される車両や震災対応時用車両に使用されているシャーシとなっています。画像は札幌市消防局西消防署の水槽車。平成20年度に配備され車両で1,500L水槽を装備する車両です。他本部では水槽付きポンプ車と呼ばれている車両で、艤装は田井自動車工業です。

※日野FTはパートタイム式4WD、日野KCはフルタイム式4WDとなっています。外観ではわかりませんので、もうわからん(雑)。

今回は以上です。

【参考文献】
コーワテック株式会社 製品情報公共用車両
岩戸工業株式会社HP
クロスカントリービークル Vol.60(平成17年12月5日 株式会社ITF 発行)

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Posted at 2022/10/21 17:07:45

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この記事へのコメント

2022年10月21日 22:49
細かな解説に見入ってしまったよ(笑)

キリンビールだったかアサヒビールだったかイベントカー見た記憶あるなぁ。
たしか後ろの缶部分がウィング式に開くんだよね!
コメントへの返答
2022年10月21日 23:33
ありがとうございます。

キリンビールのイベントカーはその通り缶の部分がウイング式に開閉します。

それが開いている状態の写真が掲載されている図鑑を手に入れたのでいずれミーティングで展示します。

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