
いわゆる8ナンバー車などの特装車の特集です。8ナンバーではない架装・特装車両もこちらで紹介させていただきます。タイトルは言いたかっただけです。

静岡市にある静岡葵住宅公園で梯子車の体験搭乗イベントが2022年3月29日に開催されました。開催場所の管轄である静岡市消防局の車両ではなく、東京都内で劇用車レンタルや貸切バス事業を行う
フィールドサービスさんが所有する梯子車が使用されています。

日野4代目レンジャー(ライジングレンジャー)をベースにした車両でモリタ架装の車両となっています。

艤装はモリタです。梯子は15m級となっており、オーバーホールを2009年12月と2016年6月に実施しています。

元々は平成10年度12月に豊岡市消防本部城崎分署に配備されていた車両で、後任車両はモリタMVFとなっているようです。サイレンアンプは不明ですが、赤色灯類は売却前に全て外されており、この車両は新たにLED式赤色灯を装備しています。

ダブルキャブ車がベースとなっており、資機材庫はシャッター式となっています。

車体上部に取り付けられた主警告灯は元々は大阪サイレン製AD-X型でしたが、現在はパトライト製AZFに付け替えられています。

前面赤色灯も元々はハロゲン式のものを装備していましたが、大阪サイレン製LF-101-Rを装備。

標識灯は「新木場L1」表記となっています。新木場はフィールドサービスさんの所在する場所、L1は「はしご1」という意味だと思われます。後述しますがフィールドサービスさんでは15m級梯子車を2台所有しており、こちらの車両は後から入った車両で鍵には「はしご②」と記載がありました。

梯子操作部。インターホンはユニペックス製のスピーカーを使用しています。

バスケットには屋内進入用コードリールが装備されていました。
動画も撮影しております。

同年5月1日に先述の3月29日開催のイベント同様に静岡葵住宅公園で梯子車体験搭乗イベントが開催されました。

こちらの車両もフィールドサービスさんが所有する梯子車になります。先程の車両よりも早くからフィールドサービスさんで活躍している車両です。

こちらも日野ライジングレンジャーをベースにしたモリタ艤装の15m級梯子車ですが、先程の車両と異なり吸管がむき出しのシャッター式資機材庫非装備となっています。元々は大島地区消防組合瀬戸内消防分署で平成7年度12月から平成23年度9月の間使用されていた梯子消防車のようです。

梯子展開・赤色灯点灯状態。

主警告灯はパトライト製エアロダイナミックシリーズ(HZTシリーズ)。回転ユニットの横にLED式の補助点滅灯(パトライト製LPW-M1-R?)が取り付けられています。

前面赤色灯は本来バンパー内にハロゲン式のものが取り付けられていたと思われますが、LED式のものに変更されています。株式会社ホルムスというシールが上部に貼られていることからウィレン製の製品と思われます。

オーバーホールは2004年7月に実施されていました。梯子左側にはかぎ付き梯子が取り付けられています。

車体後部には補助赤色灯としてパトライト製LASが取り付けられています。イベント中は光っていませんでした。

梯子操作部。先程の車両と異なり、現場での落下物などから操作者を守る屋根が非装備となっています。

標識灯は救助L1表記となっています。

ドア横の東消風表記はPからはじまる表記です。

また車体には白いラインに「機動救助隊」表記があります。機動救助隊といえば警視庁機動隊の救助部隊や東京消防庁消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)が思いつきますが、車体のデザイン的には名古屋市消防局特別消防隊(ハイパーレスキューNAGOYA)の旧デザインに似ていると思います。

運転席。こちらは鍵に「はしご①」と記載されていました。サイレンアンプは大阪サイレンMARK-9を搭載しています。

モーターサイレンと車載用スピーカー(ドライバユニット)。車載用スピーカーはパトライト製SPU-30-Rなのでサイレンアンプも元々はパトライト製だったのかもしれません。

イベントでは実際に15m延ばし、バスケットに搭乗することが可能でした。

15mの高さから見た梯子車のキャビン。

15mの高さから見た自家用エブリイ。こちらの梯子車も
動画で撮影しております。

浜松市消防局天竜消防署にも日野ライジングレンジャーをベースにモリタが艤装した15m級梯子車が配備されていました。

架装はフィールドサービスさんのはしご①に近い形状となっています。こちらの車両も更新され、モリタMVFとなりました。

そして同年4月10日に藤枝市にある藤枝住宅公園に展示されたパトカー。

スバル5代目レガシィB4(BM型)の後期型をベースにした車両で、こちらもフィールドサービスさんの劇用車となっています。

回送時はこのように赤色灯や警視庁の表記などを外し、実際の警察車両と間違えられない状態にしていました。

消防車などと異なり、パトカーは民間に払い下げられることは基本的にないのでこの車両は市販車をベースに白黒塗装を施し、赤色灯などの装備を取り付けられています。またナンバープレートも8ナンバーではなく、3ナンバーとなっています。

トランクリッドの警視庁表記などはスタッフの手によって一文字一文字貼られていきます。

スタッフの手によって赤色灯が取り付けられ、警視庁とPOLICEの表記などが取り付けられました。

リアガラス左下にあったコールサイン表記は品川3となっています。対空表記やフロントガラスには表記なし。

赤色灯は実際の車両と同じパトライト製エアロブーメラン(AXS-L)を搭載しています。

赤色灯は会場内では作動させていませんでしたが昇降式となっており、フィールドサービスさんの
劇用車紹介ページでは昇ばした状態の画像が掲載されています。

前面赤色灯も2013年度以降配備の実車に合わせてLED式(パトライト製LP3)を装備しています。スバルエンブレムが外されており、旭日章を装備しています。

かなり完成度が高く、詳しい人が見なければ実際の警察車両だと勘違いしてしまうでしょう。

こちらは以前撮影した警視庁で実際に使用されている車両です。

内装もかなりこだわって製作されています。メーターを見る限り、廉価グレードの2.5iをベースにしていると思われます。実際の警察車両はパトカー専用グレードとなっており、エンジンはターボ搭載の2.5 DOHC DUAL AVCS TURBO(FB25型)を装備しますが、メーターは液晶非装備の2.5iに準じたものとなっています。

サイレンアンプは実車と同じパトライト製SAP500です。オーディオも実車のようにケンウッド製のものを装備。ストップメーターも装備されています。

ルームミラーはダブルミラーとなっています。ちなみに運転支援システムのEyeSight(アイサイト)は非装備ですが、内装は2.5i EyeSight S Packageのようなカーボン調のパネルを装備しています。

無線機はグローブボックスに取り付けられています。

運転席には防犯板が取り付けられています。

ドアミラーの上には補助ミラーが取り付けられています。ドアミラーが白色なので国費配備車同様に市販車のサテンホワイト・パールがベースと思われます。

また藤枝住宅公園の同イベントでは消防ポンプ車も展示されました。こちらもフィールドサービスさんの劇用車となっています。

日野初代デュトロの前期型をベースにしたCD-Ⅰ型ポンプ車です。これも元々は伊丹市消防局西消防署荒牧出張所で使用されていたポンプ車だったようです。

吸管は剥き出しのタイプですが、シャッター式の資機材庫を装備しています。

吸管の上にはフォグガンを積載しています。

主警告灯はパトライト製エアロダイナミックシリーズ(HZD-HC)。元々は大阪サイレン製のウイングフラッシュシリーズを使用していたようです。

後部補助赤色灯は大阪サイレン製の赤色灯。こちらも元々は別のものが取り付けられていたようです。

艤装はGMいちはら工業。1999年に製造された消防車のようです。

標識灯は新木場となっています。先述の通り会社の所在地となっています。

ドアに書かれた記号は東京消防庁風のものとなっております。ポンプ車なのでPから始まっています。

サイレンアンプは大阪サイレン製MARK-9となっています。フィールドサービスではこのデュトロ消防車の他に日野スペースレンジャーベースの水槽付きポンプ車も所有しています。こちらも
動画を撮影しております。

そしてこちらは何の変哲もない県警管区機動隊のいすゞ初代エルガミオ(PDG-LR系)をベースにした大型人員輸送車です。2002年度から調達が始まり、2018年度に2代目エルガミオが配備されるまで配備されていました。初代エルガミオの大型人輸送車の主警告灯は全てスピーカー分離装備のパトライト製エアロダイナミック(RAW-24SQ)となっています。

その中でも2007年度配備車と2009年度配備車は前面赤色灯としてパトライト製LAS型LED式補助赤色灯を装備しています。パトライトLAS型は透明レンズで6個の超高輝度赤色LEDを内蔵しております(他色も設定あり)。LAS型は10パターンの点滅パターンが設定可能となっていました。しかしその後2012年度以降に配備されたエルガミオ初代人員輸送車の前面赤色灯は同社製LP3型LED式補助赤色灯に変更となっています。

そしてこちらは上記の車両と同時期に配備されたほぼ連番車。前面赤色灯がパトライトLAS型から別のものに変更となっています。この前面赤色灯は小糸製作所の
LEDシグナルランプのSLEK24RT1型(定格電圧24V赤色LED点滅発光仕様)と思われます。この車両はなんらかの理由で交換されたものと思われます。

そして2021年度に配備が始まったトヨタ220系クラウンをベースにした交通取締用パトカー、我が地元の県でも配備が確認されました。なんと歩道上で日産C27型セレナとお互いのボンネットを開いてミーティングを開催していました。無線機電源の消し忘れかストップメーター電源の消し忘れかはわかりませんが、指差し確認ヨシ!
今回は以上です。
【参考文献】
豊岡市消防本部 消防本部のあゆみ
平成30年大島地区消防組合消防年報
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