
いわゆる8ナンバー車などの特装車の特集です。8ナンバーではない架装・特装車両もこちらで紹介させていただきます。タイトルは言いたかっただけです。今回は事故処理車や誘導標識車、ステレオカメラ車特集です。

事故処理車は交通事故現場において道路規制や事故調査を行う為の車両で、事故現場以外でも車内に積んだパイロンや矢印方向板、ルーフ上に装備している誘導標識を使用して交通規制や検問等を行うこともあります。

平成初期ごろまでは日産セドリックバンやトヨタクラウンバンをベースにした事故処理車が使用されていましたが、現在は日産キャラバンやトヨタハイエースをベースにした1BOXタイプの事故処理車が主流となっています。

画像の車両は2012年度に国費で配備された事故処理車で、日産5代目(E26)前期型キャラバンをベースにした車両です。撮影時は防災訓練に使用されていたので車内に発電機を積載しており、他にも車両通行止めの看板などを積載しています。

ルーフ上にはサーチライトと誘導標識(電光掲示板)を装備しており、誘導標識は前後方向に「事故」、「検問」、「→→」、「←←」の4種類の表示が可能となっています。誘導標識上部にはパトライト製エアロソニックシリーズ(AJS)を主警光灯として装備しています。

2012年度に国費で配備されたE26前期型キャラバンの事故処理車は前面赤色灯がパトライトLPS-MA-Rでしたが、2013年度以降に配備された車両は同社製LP3-M1-Rに変更されています。主警光灯や誘導標識、サーチライトに変更はありません。

同じく日産5代目キャラバン(E26型)前期型キャラバンをベースにした事故処理車ですが、国費配備車ではなく静岡県費で配備された車両です。国費配備車では誘導標識や前面赤色灯としてパトライト製のLED式補助赤色灯のLPS-M1-Rを装備していますが、県費配備車では省略されています。ルーフ上にはパトライト製サーチライトと流線型赤色灯(HKFM-K)を装備しており、E24型キャラバンの頃はこの部分が単円筒形赤色灯でした。

主警光灯はパトライト製ワイドビーム(NZ-L)となっており、バックドア右下部にはこの車両を艤装(架装)したケイショウ車体のステッカーが貼られています。県費配備車は基本的に誘導標識を装備しておらず、車載した矢印方向板やパイロンのみで交通規制を行うことになります。

こちらは警視庁所轄警察署交通課で使用されている事故処理車で、都費で配備された車両です。屋根上の主警光灯は前側がパトライトエアロブーメラン、後ろ側が同社製ワイドビームとなっています。

警視庁ではロールーフ車の事故処理車の他に、ハイルーフ車をベースにした事故処理車も導入されています。こちらも誘導標識は非装備で、中期型キャラバンをベースにした同車は前後の主警光灯がパトライトエアロホーク(ALS)となっています。

こちらは同じくE26型キャラバンをベースした事故処理車ですが、中期型ベース車となっています。サーチライト等に変更はありませんが、主警光灯がパトライトワイドビームから同社製のエアロウイング(AZシリーズ)に変更されています。

別日に撮影した上記のE26中期型キャラバンベースの事故処理車ですが、荷室側面窓ガラスに上記画像撮影時には施されていなかった3つの柱ラッピングが施されています。3つの柱は県内で行われている交通安全運動の1つです。

新潟県警察にも県費でE26中期型キャラバンをベースにした事故処理車が県費で配備されており、こちらの車両の主警光灯はパトライトエアロソニックとなっています。しかし他県の車両では車体後方に装備していることが多い主警光灯ですが、新潟県警察ではBピラー位置に装備しています。

同じく中期型キャラバンをベースにした事故処理車ですが、国費配備車となっています。2019年度以降に導入された事故処理車ではバックカメラが導入されており、ルームミラー位置にはバックモニターを装備しています。

誘導標識には先述の通り4種類の表示が可能となっていますが、こちらの車両は陽が当たって4種類全ての表示がされてしまっています。主警光灯は前期型同様にパトライトエアロソニックとなっており、前面赤色灯は同社製LP3-M1-Rとなっています。

国費配備車に似ている日産5代目(E26型)前期型キャラバンをベースにした事故処理車ですが、こちらは神奈川県警察所轄警察署へ2015年度に県費配備された事故処理車です。国費配備車では主警光灯がパトライトエアロソニックでしたが、県費配備車のこちらでは同社製ワイドビームとなっています。

同じく県費配備された車両で、こちらは2017年度に配備された中期型キャラバンをベースにした車両です。こちらも国費配備された車両と異なり、赤色灯がパトライトワイドビームに変更されています。

その隣には2022年度に県費で配備された後期型キャラバンをベースにした事故処理車が。国費配備車と異なり主警光灯はパトライトエアロウイング(AZSシリーズ)で、サーチライトとの間には同社製流線型赤色灯を装備しています。

日産4代目(E25型)キャラバンをベースにした事故処理車で、2001年度から前期型をベースにした車両が国費で配備されており、2006年度以降には後期型の車両が国費配備されました。2007年度以降は前面赤色灯としてハロゲン式のものが追加されており、主警光灯はいずれもパトライトエアロソニックとなっています。

国費配備車輌はルーフ上に電光掲示板(誘導標識)を装備しており、フロントグリル部にハロゲン式の前面赤色灯を装備(2007年度以降)していますが、車体価格を抑える為か非装備となっています。

主警光灯はパトライトエアロソニック(AJSシリーズ)で、同社製サーチライト(HS-A)の間には流線型回転赤色灯(HKFM-K)を装備しています。以前はサーチライトの間に装備する赤色灯は流線型回転灯ではなく、同社製単円筒形(HKM型またはSKC型)を採用していました。

こちらも同じく日産E25後期型のキャラバンをベースにした事故処理車ですが、上記の車両よりも少し後年になって県費で配備された車両です。

サーチライトや主警光灯の配置に変更はありませんが、車体後部の主警光灯がエアロソニックシリーズから同社製ワイドビームシリーズ(NZ-L)に変更となっています。

同じくE25後期型キャラバンをベースにした事故処理車ですが、こちらは神奈川県警察所轄警察署に2008年に県費で配備された車両です。フロントグリルにはハロゲン式の前面赤色灯を装備しています。

後述するステレオカメラ車にも入れられていますが、県下で使用されている事故処理車等には黄色と黒色の警戒色マーキングが入っています。詳しいことは不明ですが、これは高速道路上等で追突される危険があるので県警独自で車両に入っているようです。

こちらはトヨタ4代目(100系)後期型ハイエースをベースにした事故処理車で、国費では1999年度より配備されましたが、画像の車両は1998年度に県費で配備されています。県費配備車ではありますがルーフ上に電光掲示板を装備しています。

国費で配備された事故処理車では両側スライドドアのバンをベースにしていますが、県費配備車のこちらでは片側スライドドアのバンをベースにしています。ルーフ部にはパトライト製のドーム型サーチライト(HS-A)を装備しています。

電光掲示板には4種類の表示をすることが可能で、赤色灯はパトライトエアロソニック(AJSシリーズ)を装備しています。県費配備車ではサーチライトとの間に流線型赤色灯を装備している事が多いですが、こちらの車両では非装備となっています。

トヨタ5代目(200系)後期型ハイエースをベースにした事故処理車で、国費では前期型と中期型のハイエースをベースにした車両が配備されていますが、後期型ハイエースをベースにした車両は国費では現時点では存在していません。

国費配備車にはルーフ上に電光掲示板を装備していますが、県費配備のこちらでは非装備となっています。荷室側面窓ガラスには2021年頃から、県下の事故処理車やステレオカメラ車等に施された「3つの柱」というラッピングがされています。

ルーフ上には基台が設けられており、その上にパトライト製サーチライト(HS-A)が2基と、中央部に流線型赤色灯(HKFM-K)を装備しています。ルーフ上には対空表記で、交通用車両である50番代のコールサインが記載されています。

車体後部には主警光灯としてパトライトエアロダイナミック(HZSシリーズ)を装備しています。県警では200系前期型ハイエースも県費配備されておりますが、そちらはほぼ同仕様ですが、主警光灯はエアロソニックとなっています。

事故処理車と似たような見た目で誘導標識車という車両も国費で配備されており、画像の車両は岐阜県警察のトヨタ5代目(200系)前期型ハイエースをベースにした誘導標識車です。

この車両は2008年度と2009年度に国費で導入されており、基本的な造りは国費配備車の事故処理車と同じです。誘導標識上の主警光灯はパトライト製エアロソニックを装備しており、同社製のサーチライトを2基装備しています。

ルーフ上に装備した誘導標識は事故処理車と異なり後方のみ表示可能となっており、事故処理車よりも多くの文字が表示可能となっています。表示する文字は事故処理車では赤色の文字のですが、誘導標識車では赤色の他にオレンジ色でも表示可能となっています。

こちらは同じく岐阜県警察の車両で、2017年度に国費配備された日産5代目(E26中期型)キャラバンをベースにした誘導標識車です。赤色灯は先述のハイエース同様に、パトライト製エアロソニック(AJS)を装備しています。

こちらは静岡県警察所轄警察署に配備されている車両で、岐阜県警察の車両と同じく2017年度配備車のE26型キャラバンの中期型をベースにしています。基本的に誘導標識車は高速道路交通警察隊で使用されることが多いですが、所轄警察署交通課に配備されることもあります。

2018年以降に導入されたE26中期型キャラバンをベースにした誘導標識車では、主警光灯がパトライトから名古屋電機フリックスに変更されています。誘導標識自体もパトライト製のものから、名古屋電機製のものに変更されています。

こちらの日産4代目(E25型)後期型キャラバンをベースにした誘導標識車は警視庁所轄警察署交通課に都費で2012年度に配備された車両です。国費配備車では前面赤色灯は丸型ハロゲンでしたが、都費のこちらはパトライト社製のLED補助赤色灯LP3-M1-Rを装備しています。

ルーフ上に装備する誘導標識はパトライト製のもので、赤色灯も同社製エアロソニックとなっています。サーチライト等は国費配備車と差異はないかと思われますが、荷室ガラスにはスモークフィルムが貼り付けられています。

画像の車両は2008年度に山梨県警察に県費で高速道路用多目的事故処理車として導入された車両で、トヨタ4代目(210系)後期型ハイラックスサーフをベースにしています。

配備当初は高速隊にて運用されていたと思われますが、撮影時点で所轄警察署にて運用されていました。ルーフ上にはパトライト社製のサーチライトを2基装備しており、誘導標識を装備しています。

SUVをベースにした誘導標識車は他にも存在しており、こちらは大阪府警察高速道路交通警察隊のトヨタ100系ランドクルーザーをベースにした誘導標識車です。他県の高速隊にも100系ランドクルーザーをベースにした車両が存在しますが、いずれも県費で配備されています。

広島県警察高速道路交通警察隊にもSUVをベースにした車両が配備されており、こちらはマツダ初代CX-5をベースにしています。この車両は2014年11月にモニター車両としてマツダから提供されたもので、この誘導標識車は唯一の仕様となっています。

警備部機動隊でも誘導標識車に似た車両が配備されており、こちらは警視庁第五機動隊で使用されているエリア検問車という車両です。2007年度に国費で配備された車両で、2008年度に国費で配備された誘導標識車と異なり前面赤色灯は非装備となっています。

誘導標識車と異なり白黒塗装ではなく白一色となっており、サーチライトは非装備となっています。誘導標識上の主警光灯はパトライトエアロソニックですが、ルーフ前側にはパトライト製流線型赤色灯(HKFM-K)を装備しています。

こちらは第七機動隊の車両で、警視庁以外では大阪府警察や神奈川県警察等の大規模警察本部に配備されているようです。パイロンや停止旗等の資機材を搭載しており、誘導標識部に検問と表示することもあるようです。

こちらの車両はステレオカメラ車という車両で、2018年度に国費で配備された車両です。車内に立体画像を撮影可能なステレオカメラを装備しており、屋根上にはステレオカメラを出す為にスライドする屋根を装備しており赤色灯はそのスライド屋根と干渉しないように基台の上に装備しています。

ステレオカメラ車は各県警本部の交通鑑識等で使用されている他、所轄警察署の交通課にも配備されており、ステレオカメラを使用するような重大事故発生時以外は普通の事故処理車として使用されています。

同じく日産E26前期型キャラバンをベースにしたステレオカメラ車で、こちらは警視庁交通部交通捜査課の交通鑑識で使用されている車両です。交通鑑識の車両は死亡事故等の重大交通事故現場に臨場し、証拠採取や現場状況の撮影を行います。

配備当初はバックミラーのみですが、警視庁の車両は後付けでバックカメラを装備しています。いずれもスーパーロングのハイルーフをベースにしており、両側スライドドアを装備しています。

画像の車両は神奈川県警察所轄警察署交通課で使用されている日産3代目(E24型)後期型キャラバンをベースにしたステレオカメラ車で、県費配備された車両になります。

サーチライトは国費配備車の物と異なり小糸製作所製のもので、車体後部に装備した主警光灯は国費配備車同様にパトライトエアロソニックとなっています。バックドア部には神奈川県警察の事故処理車に入れられた黄色と黒色の警戒色マーキングが入れられています。

神奈川県警察所轄警察署交通課に県費で配備されていた日産E24個後期型キャラバン事故処理車。フロントグリル部には丸型のハロゲン式前面赤色灯を装備しており、誘導標識は当時の国費配備車と同様になっています。

ルーフ上には小糸製作所のリモコン式サーチライトのRSL-12型というサーチライトが2基装備されており、パトライト社のものと異なり角型のものとなっています。

こちらの車両もバックドア部には警戒色のマーキングがされており、誘導標識上にはパトライトエアロソニックを装備しています。こちらの車両は数年前に撮影したので、流石に現在は退役しているんじゃないかと思われます。
今回は以上です。
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