
2017年11月28日、日産自動車は高級車ブランドインフィニティの「QX50」を発表しました。
流行のSUVなのですが、注目されているのは搭載されるエンジン「VCターボ」です。
なんとこのエンジン、量産車として世界初の“可変圧縮比”となっています。
VCはVariable Compression Ratioの略称です。
圧縮比というのは、エンジン内の燃焼室でガソリンと空気の混合気をどれだけ圧縮するかという値です。
この圧縮比が高ければ効率のよい燃費やパワーを引き出すことができるのですが、燃料の異常燃焼いわゆるノッキングも起きやすくなるのでいわば諸刃の刃ということになります。
そのため、運転状況でこの圧縮比が可変的に変えることができたら、パワーと燃費を兼ね備えたエンジンになることはなんと100年以上も前から言われていたことなのです。
日産は人類の100年の夢を今まさに叶えようとしたのです。
VCターボエンジンはガソリンエンジンです。今後モーターサポートのハイブリッド化もあるかもしれませんが現在はガソリンエンジン単体です。
電動車がこれからの主流になるというときにVCターボエンジンを投入してきた日産恐るべしなのですが、なんとなく日産のイメージがよくなりましたね。将来的にはルノーや三菱、ダイムラー等にも搭載され発売されて“強い連合”のイメージや数字につながるでしょう。
スカイラインには現在ダイムラー製の2.0Lターボが搭載されていますが次はVCターボになります。
最近、ロータリーエンジンの生みの親「山本健一」氏が亡くなったというニュースとVCターボエンジンのニュースがリンクしてちょっとした感慨にふけってしまいました。
VCターボエンジンはそのくらいすごいエンジンですよ。個人的に好きなのはロータリーエンジンですがねw
部品点数の少ないEVのほうに軸足が向いている中で、これまでのガソリンエンジンより製造の手間がかかりそうな(つまり部品点数が多くなる)VCターボエンジンがどこまで普及するのか興味深いところです。ルノーグループの販売力が試されるところですね。
VCターボエンジンの特徴は可変圧縮なのですが、その効果効能を忘れていました。
従来比で燃費が27%よくなるらしいですよ。
5.0km/Lが8.0km/Lに、10km/Lが13km/Lなってもうれしくないかも…という人もいるかもしれませんが出だしですからこんなものです。これからの改良に期待しましょう。
VCターボエンジンの話題ばかりになってしまいましたが、一応インフィニティQX50のスペックを載せときます。
エンジン:直列4気筒2.0L可変圧縮ターボ
最高出力:272馬力
最大トルク:390NM
トランスミッション:8AT
全長4690mm 全幅1900mm 全高1680mm
発売日の予想は2018年春です。海外向けなので日本発売はまだ未定です。まずはフーガやスカイラインに搭載でしょう。でも「ベンツのエンジンが乗ってる」が売りのスカイラインに搭載するのは販売員としては微妙かもしれませんねw
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2018/01/02 23:45:10