
朝晩冷え込んできたので紅葉ドライブを思案していたが、夏に行ってきたソロツーリングを未だ纏めていなかったので、記憶が薄れる前に記しておこうと思い綴っていきます。
このコースは、かなり昔(20年以上前!)から走ってみたかったのですが、とても山深く険しい所で当時は午前と午後で入れ替わる一方通行の道だったのでコースプランが立てづらく、さらに万一のことを考えると、この難所を走破することは少々無謀ではないかと思っていました。
随分と時が流れた今では全線舗装されているものの、相変わらず険しい山岳道には違いなく、ネットを駆使し調べているうちに、JEFさんが去る2013年10月に走られた記事が見つかり、参考にして出掛けてみたのです。
JEFさん、ありがとう!

・奥只見周辺図 肝心のR352は随分と省略されていて近そうだが、実際は・・・・
このJEFさんとは、今ではみん友としてお付き合いさせていただいておりますが、偶然にも同じディーラーで自分と同じように代々購入されていた事実をお会いして初めて知りました。
世間は狭いのですねぇ~
ご興味のある方は、みんカラでクグッてみてください。とてもアグレッシブな方ですよ!
前振りが長くなってしまいました。
では、早速始めましょう!
7月某日
仕事から帰宅し夕闇迫る関越道をひた走り、新潟県魚沼市にある折立温泉へと向かう。
東松山ICを過ぎる頃には交通量が少なくなり、ACCを使って約3時間程のノンストップクルージングで折立温泉に無事到着。
折立温泉全体がすっかり寂れてしまった感があり、宿に入ってもフロント不在だった。
フロントに置かれた呼び鈴は、カエルの形をした木製で背中を付属の棒で擦ると木琴のような音を奏でる一風変わったモノだ。
すると、飾り気なしの素朴な感じのする大女将が親しみを込めた笑顔で出迎えてくれた。
田舎のおばあちゃん風で、なぜか居心地がよさそうな宿では?と感じた。
自分以外の宿泊客は工事関係者だったようで、広い食事処ではたった一人・・・・
しかし、適度な間をもって料理を運んでくれる大女将は世間話や昔の話をしたりして、色々と気遣っていただけたので寂しいボッチ夕食にならずにすみました。
食後、裏方で料理を作っていただいた息子さんに明日走るコースについて聞く。
R352で枝折峠(しおり)、御池(みいけ)、桧枝岐(ひのえまた)を経由し、R401、R289で只見を回りR252で回ってくると5時間くらいかかり、さらにR352は小さなカーブが延々と続くのでスピードが出せず、距離の割合に時間がかかるとのことで、銀山平まではR352の時折峠越えよりシルバーラインの方が早く着けると教えてくれました。
明日の宿泊地(日光・霧降高原)のことを考えるとコース変更をせねば・・・・う~ん
考え中、考え中・・・・
この先桧枝岐までGSが無いとのこと、行けなくもない距離だとは思うが、万一のことを考え満タンで臨んだ方がよさそうだし、給油するにも小出ICまで戻らなければならない等々問題点があるため、急遽予定変更することにした。
まあ、一人旅なので問題ナシだし、お気楽に考えることにし床に就く。
翌日
目が覚め、部屋の窓から朝露に濡れた景色を眺める。
目の前には、越後駒ケ岳が見える。爽快な朝だ!

・越後駒ケ岳 所々に残雪が・・・・
朝湯にゆっくりと浸かった後、外に出て体を冷ます。
家々の庭先には、オレンジや黄色のユリが咲き乱れている。
そう言えば、宿にも花瓶に沢山の本数のユリがあって独特の香りがしてたっけ。
大女将に尋ねると、ここら辺では売ってなくて近所のお友達が持ってきてくれるのだと答えてくれました。
そうだ、京都へ行こう!じゃなくて、ユリを買っていこう!と、閃きました。
新潟県の堀之内や津南ではユリの栽培が盛んで、直売所があったりして安い!と知っていたし、去年は津南でカサブランカを何本も買ってお土産にした記憶が・・・
つ~ぅことで、小出IC近くで給油し隣町の堀之内でユリを買っていこう!計画に変更し、昨日上ってきた道を下る。
給油で立寄った小出の町中のGSでユリの直売所を聞き、10分ほどR17を走り、国道沿いの下島農家直売所へ到着する。
直売所は小さな店舗だったが、店の外にも沢山のユリが咲き乱れいい香りがした。
肝心の値段も、街中の花屋で買う値段とは比較にならないほど安いし、激安なのだ!!
さらに、ほんの僅かでも蕾が開き始めているモノは、さらにその半額だった(驚)
暑い時期だったので翌々日に帰るのに少し心配したが、店主は水さえ切らさなければ大丈夫だ、宅配便で全国配送もしているのだから問題ないと言う言葉を信じ、レヴォーグの広いラゲッジルームを独占するほど大量購入して、自宅や姉妹のお土産にすることにした。
R17で来た道を引き返し、本来の目的であるR352へ駒を進める。
折立温泉を過ぎたところで、県道50号線、通称:奥只見シルバーラインへ左折し山道を登り始める。
この奥只見シルバーラインは、かつて日本最大の電源開発事業のために国力をあげて開発されたダム資材運搬道路である。
全長22kmの道には、長短合わせて19本もの隧道で合計延長18kmもある他に類を見ないトンネルの連続で、行きつく先には国内ダム総貯水量第2位の奥只見ダムが終点となる。
開通が昭和32年だから、私が産まれて間もない頃のことであることはナイショである(;^_^A

・トンネル内には大型車用Uターン場所が所々にある
最初のうちは何処にでもある普通のトンネルですが、中盤を過ぎる頃には内壁の処理が雑になり、時には素掘り状態のゴツゴツした岩肌をも見ることができ、一種独特な雰囲気に変わります。
長いトンネル内は湧き水でびしょびしょ、高い湿度と冷気でイッキに冷やされ、トンネルと次のトンネルとの短い外気に触れる一瞬、車体全体は瞬時に結露します。
トンネル内の換気装置は設置されておらず、このような状況だと二輪車通行止めの処置は当然のことなのかもしれません。

・非常駐車スペースでパチリ!
トンネル内の急勾配区間には壁面に水平線が表示されたり、カーブでは大きな矢印の赤ランプや反射テープなどが賑やかに点滅を繰り返し、ドライバーに注意喚起しています。
また、途中のトンネル内では非常に珍しいT字交差点があり、地表へ出られますが先ずは奥只見ダムまで行って記念撮影後、戻ってこの交差点で銀山平へ向かうことにします。

・珍しいトンネル内の交差点
一般道としては異常に長い最後のトンネルを抜けると、道はすぐに左に折れ少し下った所に奥只見ダムサイドにある駐車場で行き止まりとなる。
パチリとカメラに収め、次に来た道を引き返します。

・秘境!奥只見ダム
本来ならダム湖まで歩き(小さなケーブルカーもある)展望を楽しむのですが、幾度となくこの地に来ているので先を急ぐことにする。
例のトンネル内T字交差点を左折しR352へ向かいます。
銀山平の観光船船着き場までは大型バスでも走れる対面通行できる道なのですが、いよいよこの先からが本日のハイライトとなるのです。
道幅はイッキに狭まり1,5車線ほどで、対向車が来たらどちらかが待避所までバックしなければなりません。
見通しの悪いカーブの連続で、いつ対向車が来るかドキドキです。
ただ、この待避所が多く作られているので、たとえ鉢合せしても延々と後退することは避けられそうです。
オマケに殆ど車が走っていないし、幾度も車を止めて写真を撮ったりしても追いついてくる車もありません。

・R352名物の洗い越し (沢から流れる水を道路の上に流している)

・眼下には、走ってきた道が

・よく見ると雪渓が・・・
ただ、人造湖である奥只見湖の周囲は深い山々にあるので、山肌に沿って上がったり下がったりの連続で、尚且つカーブカーブの連続なので気を許せません。
安全のため、対向車からの自車視認性アップでイエローフォグを点灯状態にし、カーブミラーでも判別しやすいよう自己防衛して走るのですが、実はこのカーブミラーが超曲者なんです。

・曲者のカーブミラー(これでも、かなりイイほうです・呆)
冬季は通行止めとなり閉鎖されるのですが、豪雪地帯のため雪による損傷防止で、途中唯一あるグミ沢トンネル内に保管されているらしく、保管する際に重ねたりして肝心のミラー中央部が凸凹になってしまい、全然使い物になっていないのです。
よって、見えない、カーブミラーの形をしたダミーの役立たずなので、走行には充分な注意が必要です。
走行する方、ご注意願いま~す。

・このコース唯一のグミ沢トンネル 照明なしでカーブしているので真っ暗!
あと、携帯電話もごく一部しか使用出来ない(docomoのみ)。
こんな山奥で事故ったら、万事休すなので慎重にゆっくりと進んでいきます。

・珍しい標識(でも、とても大切ですね)
これが国道?林道みたいだし酷道の間違いじゃねぇ?といった感じですが、全国的にみると酷道は結構存在しているようですね。

・急坂あり、カーブありで忙し~ぃ

・まだまだ続く山道、ヒィ~ッ(@_@)

・ここで新潟県と別れ福島県に入る (道は狭いが小カーブが少なくペースは上がる)
最初のうちは、物珍しさも手伝って幾度となく止まっては撮影を繰り返していましたが、延々と続き景色もあまり変化のない狭い道に飽き始めてきた頃、ようやく尾瀬・沼山峠側入口の御池に到着しました。
地図を見るとまだまだ距離が・・・時は昼がとっくに過ぎオツヤの時間だ~。
昼飯だって食べずに走っているのに・・・・( ノД`)シクシク…
やばい、ピッチを上げないと今夜の宿に着かないし、メシ抜きは嫌じゃ~。
ってことで、壊れ始めてきたので特別快速モードに切り換える。
が、こんな時に限って前には御池から出発した数台の観光バスや路線バス、さらには年長者がトロトロ走って道を譲らないんだな~、これが・・・・交通量が殆どないのに( ノД`)
当然煽る訳にはいかないから暫しガマンガマン、ようやく道幅が広くなった直線路に入るとドカンと一発やってみよ~♪とFA20ターボが炸裂しワープ完了!(抜かれたドライバーさん、ゴメンナサイ)
そうこうするうちに、ようやく会津田島からR121・日光街道へ入るが、今度は交通量がグッと多く工事個所が幾つもあったので区間快速に変更する。って電車か?(笑)
要するに、前がいなければ快速、詰まると流れ通りに普通、やっぱ電車だなコレ( ´艸`)
時刻は刻々と過ぎてゆく、走れメロスとなって今日の宿へとひた走るのであった。

・東武の快速電車に見えるが、野岩鉄道の電車 (俺より先に行くな~)
ようやく日光市の標識が見えた頃、前を走る地元ナンバーのWRXが裏道にショートカットするが、ナビにもこの道が表示されていたので、追尾体制をとる。
まあ、飛ばす都バス速い~(^^♪、緩やかなワインディングロードを駆け抜けていったので(時に000km/h超え!)あっという間に市内と霧降高原へと別れる交差点まで・・・・・・
『おぬし、なかなかやるな!・爆』
つづく