
国立天文台に行ってきました。
家から1時間くらいの所なので近いのですが、ずっと前から一度は行きたいと思いつつ機会がありませんでした。
先ずは、天文学・天文台の大まかな話を。
天文学が日本に伝わったのは、今から約1,500年前です。
当時は「陰陽道」と呼ばれ、四季の移り変わりや太陽・月・星など天体の運行によって吉凶を予言し、これを元に行動の指針を定めていました。
陰陽道は513年、百済から日本に伝わりました。
当時の陰陽道(天文学)は、占星術が主となる内容でした。
今から約330年前の1684年、幕府直属の天文方(てんもんかた)という組織・役割が設けられ、農業に必要となる、正しい暦の作成にあたります。
作成した暦の信憑性を確保する為、日食・月食などの天文現象を予言する必要が出てきて、これが天体観測や天体測量の技術発展に繋がります。今でいう天文学の主たる内容になります。
この際に司天台(してんだい=天文台)を創設しますが、時を経て約100年後の1782年、浅草に観測所を移転し、この時から日本で継続的に天体観測が行われるようになります。
明治になり学生の実測用に、東京大学構内に東京天文台が作られました。
その後三鷹に移転し、現在の国立天文台となっています。
では、早速行ってみます。
正門前
この道路は「天文台通り」と名前がついています。
正門
守衛で受付を済ませます。
個人の場合、予約は不要です。
コロナの影響で、施設には一切入れないという事でした。
一般見学者は、見学コースのみ歩けます(ピンクの道路)。それ以外の研究施設は立ち入り禁止です。
入場の際、ワッペンを渡されます。
これを服の上からペタっと貼り付けます。
かなり古い天文台施設がいくつもあり、国登録有形文化財になっています。
◎第1赤道儀室(国登録有形文化財)
大正10年に建設。今年で99年です。平成10年までの61年間、研究で使われていました。
三鷹キャンパス内で一番古い建物だそうです。
コロナで内部の見学はできませんでした。
◎太陽系ウォーク
通り沿いに、10億分の1スケールで惑星パネルが設置されています。
構内は普通に森の中です。やぶ蚊がいるので、虫よけスプレー必須です。
ヘビやハチにも注意とパンフレットに書いてありました。
◎太陽塔望遠鏡(国登録有形文化財)
昭和5年(1930年)建設。
塔全体が望遠鏡で、太陽光を鏡で反射させて中に導入するようです。
◎大赤道儀室(国登録有形文化財)
大正15年建設。
国内最大の65cm屈折望遠鏡があるそうです。1998年まで研究で使用されていました。
コロナで内部の見学はできませんでした。
◎旧図書庫(国登録有形文化財)
昭和5年建設。ここは古い建物がいっぱいあります。
しかも維持管理されていて状態が良いです。
◎ゴーチェ子午環室(国登録有形文化財)
大正13年(1924年)建設。96年も経ってます。
子午環は天体位置観測に使われますが、本物は初めて見ました。
最近ではCCDを使って観測しているそうです。
子午線とは、南~天頂~北を通る線で、ここのラインだけを向く望遠鏡です。
子午線通過時間を測定することで、正確な赤経座標を測定できます。
また、精密な高度も測定できます。
回転しないドームスリットは初めて見ました。ちょっと感動。
敷地の中は緑でいっぱいです。
◎自動光電子午環ドーム
昭和57年建設。さらに精密な測定を行う為の設備。
現在は資料館になっているそうです。(コロナで入れません)
三井造船製なのですね。
一通り見学したので、構内の東大生協 天文台店へ。
もしかしたら”恋する小惑星”関連グッズでも置いてあるかな?と淡い期待をしていましたが、置いてませんでした。しかし、普通に惑星や星座、大銀河の下敷きや鉛筆、缶バッジ、手拭い、絵ハガキなどたくさん置いてありました。
ちなみに、今年2月、限定数制作した”恋する小惑星”パンフレットを置いた所、一瞬で全て無くなったそうです。
何かお土産をと思い、これ買いました。
星座の傘です。
丁度、傘が欲しかったので良かったです。
広げると、雨の日も星が見られるという夢のアイテムです。
天文熱、再燃か?ということで、
国立天文台を訪問した という記事でした。
Posted at 2020/09/16 16:39:27 | |
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