
タイヤも車体もドノーマルのトゥインゴでもてぎサーキットを走ってみたお話。
我が相棒はFFスポーツカーの代名詞シビックタイプRのFK2ですが、実は第二の相棒はRRの代名詞(?)ルノーのトゥインゴなボク。
FK2は車幅も大きく小回りも効かないので基本運用は休日の趣味ドライブですが、トゥインゴは車体も小さく驚異的に小回りも効くので通勤や近場の移動で大活躍。
トゥインゴ感想。フランス車というだけで全て許せる。
FF最速&RR最小の両極端な車のオーナーになりました
ハイオクで燃費12km/L程度と小さいくせにFK2と食費と燃費が一緒というのがタマに傷ですが、その小ささは非常に便利なわけです。
FK2や世の車の大半はフロントにエンジンを搭載し、前輪を駆動するFF(フロントエンジンフロントドライブ)方式に対し、
トゥインゴやポルシェ911(たぶん世間的にはこっちが代名詞)が採用するのは世にも珍しいリヤにエンジンを搭載し後輪を駆動するRR(リヤエンジンリヤドライブ)方式。
バランスの悪さから、採用するメーカーは昨年トゥインゴが生産終了した今、ポルシェのみとなります。
元某大手車メーカーで車体設計をやっていた同僚も「RRは車としてのメリットがほとんどない」と言うレベルで今やRRレイアウト自体が絶滅危惧種なわけですが、その中でも未だにこだわりを持って採用し続けるポルシェの心意気にはあっぱれです。
そんな希少種なRRの主なメリットは、
・トラクションが良い
・加速、ブレーキが強い
・ハンドリングが軽い
そして主なデメリットは、
・加速時の安定性が低い
・コーナリングの安定性が低い
・冷却効率が悪い
このあたりが一般論ですが、まぁつまり安定性が悪く万が一姿勢を崩した時の立て直しが非常に困難な車になってしまうようですね。
ポルシェは電子制御を駆使して少しでもデメリットを打ち消すよう工夫しているようです。
そんなこんなで、金かけてRRにするくらいだったら中央にエンジンを搭載し後輪を駆動する車としてバランスが非常に良いMR(ミッドシップエンジンリアドライブ)にしてしまったほうがメリットが大きいし、技術が発達した今FFやFRのほうが安く速い車が作れるのでしょうね。
まぁ普段乗りしている分には全然問題なく、特にトゥインゴは小回りが軽自動車以上に効くし希少なRRというだけで満足感は高いです。
・・・んじゃ限界走行はどうなのよ!?
車好きならもちろんこうなるでしょう。
てなわけで、5/26(日)ルーテシアRSトロフィー乗り友人ともてぎ国際サーキット(モビリティリゾートもてぎ)に行ってきました。
トゥインゴで初デビュー。
実はあと数か月でトゥインゴを降りる予定なので、それまでには一度サーキットを走っておきたかったのもあります。
峠で走る分にはそこまで安定性の悪さは感じませんでしたが、ぶつけないよう内心びくびくマージンとりながら走る峠と違い、エスケープゾーンも広く安全な国際サーキットであればある程度のヤンチャができます。
とりあえず横転しないよう気を付ければ大丈夫。
ルーテシア友人はもてぎ自体が初めてということなので、助手席に乗せてもらい午後一サーキットクルーズを体験です。(5回目)
トゥインゴは15時半からナンバー付車両枠で走行。
ふむ。
ブレーキング時の荷重移動しっかりやれば割と安定してますね。
コーナリングスピードもスローインファーストアウトを意識して走ればそこまで遅くないです。
これは意外。もっとじゃじゃ馬かと。
タイヤはミシュランの純正コンフォートなのでもちろん限界はありますが、運転している分にはけっこうなスピードで曲がれている感じです。
外から動画撮影してくれていたルーテシア友人も「姿勢もラインも安定していて全然遅くなかった」と悪くない評価。
そして気になるタイムは。。。
2分50秒!
おっっっっっそ!!!
運転している最中の本人は必死で割といい感じに走れているつもりでしたが、
全然タイムに表れていないですね。あるある。
FK2のベストが2分16秒なので34秒落ち。
コーナリングスピードはまぁ良いとしても圧倒的なパワー不足。
コーナー立ち上がりからの加速がショボすぎる。
車重1ton程度で900ccターボなので街乗りする分にはけっこうな加速力を感じますし、力不足感はないのですが、こういったところだと明確に差がでますねぇ。
まぁ元々遅いのは重々承知しているので、走行中も9割後ろを意識しながら少しでも速い車がきたらすぐ譲って迷惑にならないように気を付けながら運転してました。
タイムの遅さは当然なのでしょうがないとして、スロットルレスポンスの悪さは相変わらずダメですね。個人的にトゥインゴの一番気になるところ。
初期レビューでも指摘したように一度低速になってから踏み込んだ時のレスポンスが悪すぎる。
1秒くらいたってから急に加速する感じ。
ギアが下がった直後にアクセル踏むと回転数がすぐには上がらないセッティングになっているようですね。
それはもう街乗りでも顕著で、嫁もたまに一人で運転しますが、慣れるまで運転している本人も気持ち悪くなってしまうレベル。
自分は加速するつもりで踏んでるのに少したってから急にガクッと加速するので感覚とずれが生じて酔ってしまうようです。
街乗りでも気になるレベルですので、スポーツ走行なんてそりゃもう。
コーナー立ち上がりの遅さはそこも要因ですかね。
そういう車だって?そんなこと百も承知。
RRの加速時の安定性の悪さはポルシェ911のようなハイパワーターボ車であれば感じるかもしれませんが、トゥインゴのように100馬力前後の車ではまったく感じず。
コーナリングも荷重移動しっかりして姿勢正せば安定しておりオーバーステアは感じませんでした。
ブレーキングの強さは中々。実感できました。
と、いうわけで想像以上に安定していたので割と拍子抜けですが、
RRの特性を感じるという意味では、トゥインゴクラスであればわざわざサーキット行かなくても街乗りの日常使いでも充分感じることができると思います。
限界走行時のRR特有の挙動はポルシェ911クラスでないと大きな違いは感じられないのかもしれないですね。
1世代前のトゥインゴGTだともう少しスパルタンな感じだと思いますが、一度乗ってみたいですね~。
もてぎサーキットからの帰宅中、我が奥様から「大丈夫?横転していない?無事?」とラインが届いたので、
「トゥインゴはちゃんと無事だよ」と返したら「よかった~」と返事がきました。
僕ではなく、売却することが確定しているトゥインゴちゃんを心配していたようです。
トゥインゴの次の車はお楽しみに〜。