GARMIN GPSMAP 66sを日本語化
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
GARMIN社の海外版GPSMAP 66sを日本語化します。
既にネット上に情報はたくさんあります。
コピペでは面白くないので、気づいた点などメモしておきます。
日本語化の作業は内蔵ソフトウェアをいじる行為なので、気軽にできるけれどリスクもある点を認識しておいてください。
また、著作権や改変行為にあたると思われるので、ファイルの公開は差し控えますが、ご了承のほど。
やることは2つ。
ひとつは日本語フォントの導入。
"06-D0952-06.bin"これを入れることで、UTF-8形式の日本語で記載されたフリー地図を表示できるようになります。
日本語版で作ったウェイポイントやルートの名称はS-JIS形式かと思ったら、不思議なことに英語版に入れても正しく表示されます。
地図とメニュー以外は、S-JISではなくUTF-8なのかも知れません。
もうひとつは操作メニューやメッセージが記載された"Japanese.gtt"を編集して入れること。
キチンとやろうとすると、なかなか大変な作業なので、英語でも気にならなければ わざわざ苦労を買うこともありません。
【binフォントファイル】
この入手方法と導入については、他の人の記事をご覧ください。
【gttファイル】
このファイルは、主要の言語が用意されていて、英語版にも標準で入っています。
<str>
<tag>TXT_LANG_ID_STR_M</tag>
<txt>Englisch</txt>
</str>
<tag></tag>で囲われた記述が、操作であったり案内であったり、レシーバ内部で基準となる指示。
(こういう表現で正しいかは別にして。)
この指示に対応する文字が<txt></txt>で囲われた中に記載され、これが画面に表示されます。
ヘッダ部分と末尾記述を除き、残りはすべてこの4行で書かれています。
延々と1.5万行弱。
日本語訳は面倒なので、手っ取り早い方法として、既存の.gttを利用する手があります。
数年前に記事を読んだのか、つい最近実行した人でも、古いデータを使用している人がけっこういます。
eTrex 30x用の.gttファイルなら、GARMIN本家で公開されています。
新しいとは言い切れませんが、こちらの方が間違いがないでしょう。
自分はレシーバ内にあるドイツ語の.gttファイルをベースにしました。
ドイツ語はまるで分からないので、3種のWebサイトを利用しました。
残念ながら「英語」はCPU内にあるらしく、English.gttファイルは存在しません。
(1)ヘッダ部分の書き換え。
<hdr>
<lang>German</lang> ⇒ japanese
<desc>Deutsch</desc> ⇒ japanese
<type>Primary</type>
<sort>0</sort>
<cpage>German</cpage> ⇒ 65001
<pnum>006-D7416-04</pnum> ⇒ 006-D0952-06
<ver>2.20</ver>
<upperkbrd>A</upperkbrd>
<lowerkbrd>a</lowerkbrd>
<maplang>a</maplang>
<gdnclang>日本語</gdnclang>
</hdr>
<ver>はこのファイルのバージョン(何を書いても良いみたい)
<maplang>と<gdnclang>の行は 最近の機種で追加されたようだが、あってもなくても良さそう。
ちなみに
<lang>日本語だよ</lang>
<desc>日本語だよ</desc>
と書けば、そのように表示されます。
キモはこの2行の記述が一致していること。
一致しないと、日本語化もできないこと。
メニューの「Language」に表示されるのはこの記述で、ファイル名自体は何でも良いようです。
私は変換状況を確認しながら進めたので、判別のために"Japanese_20100206.gtt"と日付を付加したファイル名にしています。
(2)記述の翻訳
<tag></tag>で囲われたドイツ語を、淡々と翻訳するだけ。
ドイツ語の言語ファイルをベースにして、7000行を翻訳する手間はなかなかのもの。
◎とにかく専門用語が多く、意味が理解できなかったり日本語に置き換えられなかったり。
⇒航空、船舶、海上関連のホームページを検索する。
◎腕時計など健康・フィットネス用機器の普及で、新規用語が多い。
⇒GPSMAP66i-Jの日本語マニュアルから推測。
◎同じ、または類似の記述が多数ある。
(多数の機種・画面サイズに対応するよう、文字のサイズ違い、簡素な表現などが併記されている)
⇒地道に全部書き換える。
◎GARMIN社の誤記。
⇒運良く見つかれば訂正、見つからなければ知らずに終わり。
◎GARMIN社の都合によると思われる、不適切な記述。
⇒自分で手直し。
語句の置き換え作業自体は、正味1週間というところでしょうか。
魚群探知機などまで含んでいるようで、おそらく95%は無駄な作業です。
2
(3)謎の表示不良。
さて、これで日本語化完了♪
と思いきや、実際に試してみると どうしても日本語表示されない部分が発生しました。
3
まず点検したのは、文法の間違い。
<txt>、<str>、<tag>に誤記がないか確認。
確認には、サクラエディタやLibre Officeなど、UTF-8が扱えるソフトを利用しました。
しかし1.5万行すべてを点検しても、間違いが見つからずお手上げ状態に。
4
次に表示内容のチェック。
よくよく観察すると、英語になっていところとドイツ語とが混在しています。
5
(3)-1 ドイツ語になっている記述
これはある意味正常と言えます。
翻訳を漏らした行か、適切な翻訳ができずに放置したところが、そのまま表示されている部分。
(3)-2 英語になっている記述
これは、何らかの理由で.gttファイルの変換がなされていないと推定。
(対応する記述がない場合は、英語表示される仕様のようです。)
(3)-2に着目して列記したファイルを見ていくと、ある範囲の行以降から変換されないことが判明。
1行づつ削除してみたところ、最終的に9,069行目を削除すると解消することが分かりました。
文法に間違いはないので、記述がおかしいとしか考えられないのですが、文字を変えても症状が治りません。
原因は謎のままですが、実用上の問題はなさそうなので、追求はここまでとします。
6
(4)どうしても日本語にならないルート案内。
普段使うには充分な日本語化はできたと思ったのですが、ルート案内で表示されるメッセージだけが、英語で残ってしまいました。
他の言語では、ちゃんとそれらの言語で表示されています。
ためしに他の言語で表示された語句を当該.gttファイル内で探してみたところ、対応する記述がみつかりません。
ということは、ルート案内の言語ファイルは、CPU内に織り込まれている…
そう解釈するしかなさそうです。
7
コンパスで表示される東西南北ですが、このような状況に。
どうも座標を示す緯度経度と同じ記述を共用している行らしく、緯度/経度にするか北/東にするかの二択となります。
この点、日本語版である35jはコンパス表示が英語の頭文字。
ズルイな。
8
使用中に表示されない項目もあるので、気が向いたら追々アップデートしていきます。
ログ採りがメインなので、日本語必須というわけでもありませんが、何かにつけて日本語専用機には敵いません。
最大の違いは、日本語入力できるかできないか。
これは大きなアドバンテージとなります。
参考までに、イチバン左のキャプチャ画面は今回実施したもの。
少々小さい気もしますが、カタカナをすべて半角に変換しました。
中央と右は公開されている30xのヘッダだけ書き換えて入れた時の表示。
表示内容は同じでも、66sとは違う記述が使われていることが分かります。
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