エンジン失速感修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
![](/images/icon_difficult_on.svg) ![](/images/icon_difficult_on.svg) 中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
スロットル微開で緩加速時、2000~3000rpmで失速感がある。
気持ち悪いので修理したく、半年くらいかけていろんなことをした。
その記録。
2
オートバイのエンジンの調子は、
・いい点火
・いい混合気
・いい圧縮
まずは簡単にみられる点火から。
DIにリークなく、抵抗値も既定の範囲内(いくつだったかは忘れちゃった)。
試しにストックしてる予備DIとクロスチェックしたが変化ないため、搭載中のDIに異常はないと判断。
火花もバシバシ飛んでいる。
一応プラグCR9Eを全数新品にしたが、改善せず。
3
次に、いい圧縮。
プラグホールから簡易的に圧縮圧力を測定。
完暖状態で3秒ほどクランキングして値を読んだ。
(写真は冷間時なので低い値。)
4
マニュアルによると正常時で1200~1600kPa、下限は900、気筒ごとの許容差は200とのこと。
今回は全気筒1400±100だったので、異常なし。
5
ところで、隼は純正でECUマップが8つある。
1気筒に1つずつ、低回転マップと高回転マップで合計8つ。
回転数3000あたりを境に切り替わる。
今回調子が悪いのは3000rpmまでで、それを超えると嘘のように調子がよくなる。
ECUを交換しても症状は変わらないので、マップがおかしいわけじゃない。
なら、低回転マップのよりどころに何か異常があるのでは?
6
低回転マップは、エンジンの負圧とスロットル開度で燃料噴射量を決める。
ならまずはスロットルポジションセンサーを確認。
例の端子をショートさせ、サービスモードにして、スロポジセンサーをセンターだし。
しかし症状は改善しない。
7
ならばエンジンの負圧がうまくとれていないのではないか。
特に99年式隼はスロットルボデーへの吹き返しがひどく、定期清掃が必要となる。負圧はこのスロットルボデーに空いた穴からとっているので、その穴とそこにつながる管も汚れているはずだ。
スロットルボデーごと外し、管や穴をヤマハのキャブクリで清掃すると、茶色い汚れがたくさん出た。
しかし症状は改善しない。
あきらめて管を新品にしたが、それでも改善しない。
8
重い腰を上げて、これら管の負圧を測定している負圧センサを新品に交換。
なぜ腰が重いかというと、これ1つで2万円くらいするから。
結果、症状はほんの少し改善。
試しに大気圧とアイドリング負圧での出力電圧特性をテスタで確認してみたが、搭載していたものも新品も、出力値は同じだった。
9
同調をとってみた。
はやぶさはFIだが、同調をとる必要があるのだ。さすがは黎明期のFI。
99、01、03、と年式によって同調時の管のつなぎ方が違うのでご注意を。
ここに書くのは面倒なのが調べればわかるので、気になる人は連絡してください。
アイドリングは安定してフけ上がりもよくなったが、症状は改善せず。
10
燃ポンをO/Hしてみた。
初代隼の中でも、確か01年式までは外付け燃料ポンプ、以降がタンク内蔵となっている。そのあたりで燃料タンク容量が変わっているのはこのせい。
我が99年式は、エンジン停止後しばらくすると、タンク下=灼熱のエンジン後ろにあるポンプでガスがパーコレーションして、始動不良気味になる。この対策で内蔵式になったのだ。
とりあえずモーターを新品に交換。
11
さらに99年式はポンプ内蔵のフィルターの目が細かすぎて、目詰まりを起こす。
清掃のためポンプの筐体からフィルターを取り外すのが大変で、3時間くらいかかった。
ガソリンに2stオイルを溶かしたものを潤滑剤代わりに使って、なんとかペンチで引っこ抜いた。
外したフィルターはフィルター面積の2割くらいが目詰まりしていた。
フィルターは計4つあり、すべて新品に交換。ただのフィルターなのに合計2万円くらいした。とてもつらい。
12
さらにタンクからポンプにつながるホースと、ホースを保護するスプリングも新品に交換。
これが劣化して燃料が漏れ、車両火災に至る例が多いのだ。
このホースは入口と出口で径が異なり、熱的に厳しいハヤブサでも使えるよう設計された専用品なので、汎用ホースを使うのはお勧めしない。
13
結果、症状は完全に治った。
原因はセンサと燃ポンだと思うが、いろいろしたのもよかったのかもしれない。
あ、二次エアホースをふさぐのもちょっと効果ありました。99年式ならガス検がないので有用かも。
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