来年早々、メグロのバイクが復活するとの情報が入って少し経つのですが、その内容を見てみると何の事はない、現行車W 800の外装を少しだけそれ風にして、当時メグロのK2で終わっていた型番を引き継いでK3として売り出すようです。

これがメグロK3として売り出されるバイクです。外装をそれっぽく変えていますがW800というのは直ぐに分かります。
ちなみにこちらが当時のメグロK2です。
右側のクランクケースデザインはその後のWシリーズでも採用されていましたのでご存じの方もいらっしゃると思います。
さてなぜ今このタイミングでメグロの復活なのでしょう。1960年代初頭、経営危機に陥ったメグロをカワサキが吸収合併したのですが、そこに至るまでのバーチカル・ツイン大排気量車 (500cc) メグロ・スタミナK1 (1960) スタミナK2 (1965) を引き継ぎ1966年には排気量を上げカワサキ650W1を発表して、そこから今日のWシリーズに至っている訳ですが、一旦メグロ・ブランドを廃止しておきながら、なぜ今更といった感は拭えません。それに今のW800が3種類もあるのに、その上また似たようなものを出して紛らわしい限りに思えるのですが、カワサキはマーケティングリサーチでもしてメグロブランド復活に勝機を見たのでしょうか。
普通に考えてメグロのバイクに乗っていたライダーは既に現役ではない筈、だとするならWより値の張るこのバイクを買う層は? まあ出てみなくては分かりませんが。
少し前250CC、4気筒を復活させ大いにバイクファンにアピール、その前はZ1、2のオマージュ的Z900RSを発売して大当たりさせたカワサキ、俄然勢いに乗っているからこそのメグロかもしれません。ところがそのZ900RS、売れ過ぎた事がオーナーにとって嬉しくないといった悩みも。どこへ行っても自分と同じバイクを見かける事になったからです。これとは逆にこのメグロが売れなければオーナーにとっては珍しいバイクに乗っている優越感を味わえるのかもしれません。
まあ発売前からあまりにうがった予想をするのは良くありませんね、失礼しました。ところでメグロのバイクというのは品質は良かったのですが、値段が高かったといった話を聞いた事があります。
当時のバイクメーカーで印象深いのはライラック (丸正自動車) ですね、水平対向エンジン、シャフトドライブとBMW並みの高度なメカを有し、V型エンジンのバイクもありましたが、惜しい事に営業戦略の誤りで倒産してしまいました。それとマフラーの名前で知られるキャブトン(みづほ自動車) は品質的に良くなかったと聞きますが、会社が無くなった今もバイクファンにその名を知られているのは皮肉ですね。
さて話をメグロに戻します。カワサキで排気量ではもう少し下のクラスでエストレヤがありましたね←過去形になるのが悲しいですが。
このエストレヤ、1992年に発表され、2017年まで続くロングセラーバイクでした。実に20年以上の歴史がある事に改めて驚きます。偶然にも4DN (SRV250) と同じ年にデビュー、こちらは不人気でモデルチェンジするも6年程で終了、モデルチェンジ版はルネッサ(笑)
エストレヤのファイナルエディション。 タンクグラフィックがW3 (650) と同じでビックリしました。
エストレヤの最初期モデルはセパレート・シートで運転席側はサドル型と非常にクラシカルなものでした。しかしそれとは対照的に前後ディスクブレーキ、リヤサスはリザーブタンク装備でした。
私は当時まだリターンしていませんでしたが、何かのきっかけで、バイク雑誌に掲載されたこのバイクを見て、あっと驚いた記憶があります、「このデザインで売れるのか」と。
今思えばこれこそがメグロの再来と思え、これにメグロブランドを冠するべきだったのではと思います。そしてメグロを調べてみるとやはりそれっぽいバイクが存在しました。
これ ! メグロのジュニアシリーズです型番はいろいろ、J、J2、S1~8、SGと、この250も長寿モデルだったようです。当時のメカはOHVの単気筒でした。
明らかにエストレヤの設計者はこれを意識していたと思います。メグロジュニアシリーズの現代版として最新のメカを取り入れ、しかも上質な外観!と拘ったのは見ただけで分かります。しかし、予想に反して売れず、マイナーチェンジしながら徐々に売れて行ったようです。そしてフューエル・インジェクションの時代まで生き残るのですから立派に名車と言えます。 4DNは迷車ですが(笑) ←自虐か!
最近どうもこのエストレヤの中古価格が高騰しているようですね、良くない傾向です。程度に相応しい値付けをして欲しいものです。こうなったらZ900RSの時のようにエストレヤをメグロジュニアSG2としてデビューさせて、この傾向に歯止めをかけてもらいたいと思います。
ところでカワサキは軽二輪市場にKLX230というオフロード車を投入していますね。この時代に空冷エンジン!! 軽くて走りも良さそうですがシート高が絶望的(笑)
つまらぬ話題を延々と失礼しました。
Posted at 2020/11/29 16:45:40 | |
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