ここのところプロペラシャフトの不具合を抱える車が多くなってきているのか、依頼品が多くてなかなか写真を撮ったり記事を書いたりすることができませんでした。
今回はFD3S型のプロペラシャフトのご依頼がありましたのでなんとか記事にしたいと思います。
今回かなりの長い距離を走ったのでオーバホールを考えたいということでご依頼をいただきました。サーキット走行もするそうで、いくつかの疑問もいただきお答えしたうえでご決断されてお送りいただきました。
FD3S型は一本ものでミッションにはいるスプラインにも傘がなく、とてもシンプルで割りきったような外観です。マツダ車は後輪駆動車を長く製造しているメーカーでありますし、後輪駆動車の実績やノウハウを長く蓄積されているものと思います。プロペラシャフトにもしっかりノウハウが注入されているのでしょう。
今回お送りいただいたシャフトはかなり綺麗な状態でした。
ジョイントの首振りは比較的なめらかでしたが中立点付近での抜ける感触が発生していました。コクっと抜ける感触がどういう現象になってあらわれるのかわかりませんが、ボディーに伝達されて騒音として感じられるのかもしれません。
非分解方式のジョイントでしたが、スパイダーを抜き取りしました。
かなりの年数がたったというわりにはグリスの粘度も保たれていてオイル状にもなっておらず、ここのところよく作業で預かっていたニッサンやスバルとは違う雰囲気だなと思いました。
今回マツダ車用として在庫していた新品スパイダーを装着しました。今までも何回かトライしたことがありますが、首振りがとても渋くなってしまうことが多く、新品スパイダーを何個も無駄にしてきて結局純正スパイダーの徹底洗浄メンテ品に戻っていました。今回組み込み確認を何度も行って慎重に組んだところ、心地よい抵抗感で組み込みできましたので、在庫スパイダーをFD3S型にも適用できることが確認できました。
動バランスは測定限界近くまで詰めまして、バランスウエイトもかなり小さくでき、回転中心を慎重に調整した効果を実感することができて満足感高いシャフトに仕上げることができました。
ロータリーエンジン搭載車はモーターのような滑らかでどこまでも吹けあがるような感覚がたまらないと聞きますので、プロペラシャフトの存在感が消えたような車になってほしいと願いました。
Posted at 2025/08/09 21:21:17 | |
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