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イイね!
2012年01月11日

ロータリーバンドソー 替え刃づくり

皆様 こんばんは

丸棒や角材などの鋼材を切断するときは、高速切断機やバンドソーを使います。
私はしばらく前に中古で入手した小型のロータリーバンドソーを使用しています。

高速切断機は砥石を使いますが、消耗が激しく、粉塵がとても多いのが欠点です。
また、摩擦熱で材料の切断面が真っ赤になって焼けてしまうので、色が変わってしまいます。
それで、このバンドソーは切断に多少時間がかかりますが重宝していました。
刃の寿命もけっこう長いです。

しかし、バンドソーの替え刃はけっこう高いです。
一本あたりで数千円単位でしますので、バキバキ折ってしまったら泣きます。
でも切れるときは切れてしまうんですよね…。


そこで、以前替え刃を作れないかと考え、長尺の刃を購入しました。
長さは16mあるようです。
メーカーは刃物で定番のナチなので、刃物としては良好だろうと思います。


HSSというのは「High Speed Steel」の略で、高速度鋼、通称ハイスと呼ばれます。
より高温での切削加工に耐える鋼材として、刃物に多用されています。

刃物は硬さが命ですから、鋸刃の部分にかっちり焼き入れがしてあります。
溶接で接合しますが、溶接熱で焼きが入って硬さばかり増してしまうので、そこだけもろくなってしまいます。
伸び縮みがうまくできないので、溶接した場所からバキーンという感じですぐに折れてしまいます。

何度か溶接を試みましたが、バキンとすぐに割れてしまうので、自分では刃の作成は無理なのかと思いました。
しかし、ここであきらめたら大金かけて刃を購入しなければなりません。
もう少し粘ってみることにします。

調べてみたら、焼き鈍しという処理が必要なことがわかりました。
焼き鈍しとは、焼きが入って堅くなってしまった素材にもう一度熱をかけて靱性を与える作業です。
今まで焼き鈍しをせず、ただ硬いだけだったのでパキパキ折れてしまったようです。

そこで、行程をもう一つ加えて炙り作業を行いました。
まずはTIG溶接です。
0.65mmというとても薄い平板なので、溶接電流を高くするとすぐにボコッと穴が開いてしまいます。
それで、かなり微少な電流設定にしました。


なんとか穴などあけずに接合できたので、次に硬化してしまった溶接部分をバーナーで焼いて焼きならします。


あまりあぶりすぎて高熱をかけてしまうと、せっかく刃の部分に焼き入れがされていて硬くなっているのに、柔らかくなってしまって刃の役目をしなくなってしまうので少し色が変わってきたなというところで止めて自然冷却します。

溶接部分がちょっと曲がってしまいましたが、なんとか刃が完成したので早速バンドソーにセットしてみます。
切断材料はステンレスのSUS304材のφ35丸棒です。
加工がとても難しい材料です。


大成功です。
溶接部分で少しゴトンと乗り上げるような音がしますが、おおむね良好に切断していってくれています。
溶接だけだったときは一個切ることもできずに途中でパキンと刃が折れてしまいました。

しかし、焼き鈍しした替え刃は立て続けに6個切ることができ、それでも切れる気配はありません。
切断面もなかなかのものです。
旋盤加工もとても楽になりそうです。


新たな技術を習得してしまいました。
技術の習得ができた瞬間の気持ちはなんともいえずいいものです。





ブログ一覧 | 機械部品 | クルマ
Posted at 2012/01/11 22:49:25

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