このところ特に記事にしたいプロペラシャフト加工ものがなかったので、久々にできた音響部品ネタにしたいと思います。
アマゾンの激安中華マイク旋風が巻き起こったことがあったようで、遅ればせながらその話題を知り、中華マイクの改善作業を行ってみることにしました。
アマゾンで調達しましたがセール価格でなんと850円で購入できました。たまたまだと思いますが激安で入手できてびっくりです。
ただ色があまり好みではないです…泣
EARAMBLE BM-800 という機種です。検索するとたくさん出てくるのでOEMでやたら出回っているんでしょう。
スペックは20~20kHzまで比較的凹凸のない特性で、感度-28dBととても高感度のようです。
(スペック表が信用できるのかわかりませんが)
コンデンサマイクユニットは比較的大きめのφ16で、単一指向性となっていて背面はほとんど感度を持たないようです。
観察してみます。
本体はアルミパイプを切断して焼付塗装したものです。
爪でたたくとキンキンとかん高い音がし、デッドニングような仕上げはまったくしていないのであまり好ましくなさそうです。
コネクターのハンダは今にもとれそうでしたのでやり直しをします。
マイク本体です。
表面 :
背面 :
マイクユニットはフレーム状の枠にプラパーツで取り付けされていますが、直接ビス止め固定されているのでハンドノイズなどはそのままダイレクトに伝わってしまいそうです。
以前のスピーカーボックス製作の時に、オーディオ、PAの分野で聞きやすい音質にするためには外部振動の抑制と固有振動数の低下(重量を増すとてっとり早い)がとても有効であることがわかりましたので、物理的な工夫もしたいと思います。
まず「アマゾン激安マイクを高級マイクに変貌させる」ために検索するとたくさん出てくるページを参考に基板上の部品交換をしていきます。
配線は2番と3番を入れ替え、ホット側が3番につながっていたところを入れ替えます。
ハンダ付けもやり直し、品質向上をはかります。
使用配線はカナレケーブルのスズメッキ線を使用したマルチケーブル用を用います。
この配線はある大ホールのラインケーブルをカナレのマイクケーブル(L-4E5C)から交換したところ驚くほどはっきりと音声が伝わるようになって感動し、それ以来信号線にはこのケーブルをずっと使っています。
基板上にはツェナーダイオードが使われていますが、これは盛大なホワイトノイズ発生源だそうです。それでツェナーダイオードを取り去り、5.6KΩの金属皮膜抵抗に交換します。
マイク本体の鳴きとハンドノイズの低減のために、本体に一工夫をします。
ホームセンターで100円程度の購入できるエアコンパテをアルミの筒内に薄く延ばしながら貼り付けていきます。
マイクユニットにハンドノイズなど伝わりづらくするために、ビス止めをやめてエアコンパテを間に挟み振動絶縁を試みます。
これでマイク本体は完成しました。
FETのソースフォロワ化までするとさらに音質向上と耐音圧が向上するそうですが、今回の第一弾はここまでにして音質を聞いてみたいと思います。
アマゾン激安マイクBM-800はコンデンサーマイクなので、外部電源が必要になります。
ファンタムスイッチ付きのミキサーなど持っていなかったので、単独供給できるファンタム電源を購入しました。
Mackyという高品質ミキサーで有名なメーカーのM48という製品を購入しました。
ACアダプターと9V電池の両用使用可能な便利なものです。
ファンタム電源を間にかましてYAMAHAの業務用アンプP2050に直付けします。
(本来ミキサーやプリアンプから入力すべきですが…)
配線はノイトリックのXLRコネクターとカナレのマルチケーブルをばらしたもので自作したものです。
音質は激安セール品とは思えない上質な音質で驚きました。
放送局のナレーションを聞いているようで、自分の声がとても厚みと重さがあるように感じてしまいます。本体内部のパテによる振動抑制とマイクユニットの浮かせがきいているようでタッチノイズがそんなに気になりません。
本体の筒にパテを巻いたのでかなり重量感が増しました。
ちなみにマイクというのはマイクユニット自体は高価なもの、安価なものどちらもそんなに大きくは違わないそうです。むしろハンドノイズなどの抑制のために相当な工夫が凝らされているそうでそちらに開発費がかかると聞いたことがあります。
ちなみにSHUREのBETA57A、BETA58Aのハンドノイズはびっくりするほど小さくすごいです。
スタジオやライブで定番マイクになっているだけのことはあります。
とりあえず第一弾は大成功となりたしかに個人的には何万円かの高級マイクの音質になった気がして大満足です。
いずれソースフォロワ化の挑戦も考えていきたいと思います。
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Posted at
2018/08/29 20:54:30