とても寒い北の地方からレパードUF31型のプロペラシャフトオーバーホール依頼がありました。
去年に問い合わせのご連絡がありましたが、春になって車を動かせるようになったら改めて連絡をするということになり、春になってきたところで本当に作業依頼の連絡をいただきました。
車両情報を教えていただきました。
日産 レパード アルティマターボ
昭和63年式 E-UF31
たぶん3.0LのVG30DETを積んだ255PS/35kgmのモリモリパワーのエンジンが積まれていると思われます。4AT仕様しかなかったようですがMT載せ替えできたら超絶おもしろそうな車だと思います。こんな車が今の時代にも出てくれないかと心底思います。
整備屋さん経由でプロペラシャフトが送られてきましたので、状態をチェックしていきます。
36年もたっている割には綺麗でしたが、アンダーコートが分厚く塗布されており、しかもパイプ部の片側だけたっぷり塗られていてこれだけでも回転バランスが悪化してしまうのではないかと思わされるほどでした。ジョイントの首振りには若干のひっかかりがあるようでしたが大きな問題までにはいってなさそうです。
非分解ジョイント採用車でしたが、オーバーホールのために外していきます。装着されているスパイダーの同サイズは見つからないため、再利用するために慎重に外していきます。
外したスパイダーの内部は比較的状態がよく、グリスの劣化は進んでいるようでしたが粘りはまだ失われておらず、急加速などの無理はあまりなく大事にされてきた車だろうと感じさせます。
古いグリスは徹底的に落として洗浄します。新品のような輝きが戻ってきます。
高荷重下での潤滑に優れ、耐熱、耐水など厳しい条件下での長期潤滑性能に優れた一番気に入っているグリスをたっぷり詰めて組み付けします。組み付けたあとは引っかかりはまったくなくなり軽い動きの中に微妙で適度な抵抗感にうっとりとさせられながら意味なくコネコネして陶酔感を味わいます。
センターベアリングも新品を添付していただきましたので、交換していきます。
フランジ部がかなりきつくスプラインとかみ合っていて取り外しにかなり苦労しました。古いほうはゴム部がシャフトの重みで変形して大きく下がってしまっていました。
塗布されていたアンダーコートはやわらかい塗料でこすってものびてしまい、全部取り切るのは大変苦労をしました。第一軸、第二軸とも回転中心を0.01mm程度までかなりの時間がかかりますが妥協せず調整して固定をし、測定限界付近まで回転バランス調整を行って完成させました。超低振動軸として生まれ変わらせることができたと思います。
ご依頼主様が多少時間かかるが感想を送ってくださると言ってくださったので、追って記載したいと思います。
Posted at 2024/05/11 22:42:42 | |
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