私が使っている小型旋盤は、2007年頃に今はない激安の店から中古でやっとこれくらいの値段なんじゃないかという金額で新品を購入して我が工房の一員になったものです。
もちろん激安ですからメイドインジャパンではなく、隣国あたりできっと安月給で働かされているであろう人たちが作っているんじゃないかという国からきた旋盤です。
振り250mmで芯間が400mmくらい、重量が120kgくらいと、小型旋盤の中ではそこそこの大きさがあるかと思います。
激安品だからとあまり期待はしていませんでしたが、1/100mmくらいを狙えるので、あまり高精度が要求されない私の作品としては十分な機械です。
しかし、バイトホルダの大きさが中途半端なんですよね~。
芯高が14mmくらいなんですが、住友や京セラなど切削工具メーカーが出しているスモールツールでも12mmまでならありますが、その次のサイズは16mmになってしまい、12mmサイズだとホルダの下に敷き板をかなり高く積まないとならず、安定性に欠けます。
敷き板もそんなにたくさんあるわけではないし… (シックネースゲージの安物をばらして微調整しています。)
今までは無名バイトホルダを使っていましたが、12mmサイズなのとビビリが出ることがよくあり、肌が綺麗にならず悩みが大きいものでした。
そこで、意を決して住友のチップカタログから16mmサイズのホルダを二種類選定し、注文しました。
外径/端面加工用と剣バイトという形状のものです。
ほどなくして到着しましたが、会わせてみると16mmなので当然ワークの中心からは高すぎる…
低ければ敷き板で調整も可能ですが、それでは今までのホルダを使っていても変わりないことになってしまいます。
せっかくの新品ホルダでもったいないですが、加工して芯高をそこそこちょうど良く合わせてしまうことにしました。
適当なところで高速カッターで切断してしまいます。
もったいない感がつのる瞬間です。
旋盤にくわえたセンタードリルを使って現物合わせで芯高を合わせ、微調整できるように若干下にしつつバイスで挟んで固定し、TIG溶接で接合します。
もちろんまっすぐ接合できるよう念入りに確認をしながらです。
溶接して完成です。
仮付けの時に何回か旋盤に取り付けて合わせながらチェックをい繰り返して本溶接です。
切削はとても大きな力がかかるので、適当につけるともげてすごい勢いで飛んで大きな怪我をすることがありますから、十分にV溝を作って溶接電流に高めにし、溶け込みが深くなるように気をつけます。
二本とも加工してしまいました。
溶接熱ですごく熱いですが、早速ホルダをセットしてみます。
ホルダの取り付け時に芯高を調整しましたが、右曲がりホルダが0.1mmの敷き板、剣ホルダが敷き板なしでした。
(敷き板なしに仕上がってしまったのは失敗でした。0.1~0.2mmくらい芯が下がっていたほうが調整がきいていいときもあるようです。)
早速S45Cで試し削りをしてみました。
ホルダの高さが今までのホルダより3mmほど高くなったはずですが、敷き板がないことと飛躍的に剛性が上がったのか、削り心地が今までとかなり変わりました。
深めに切り込みたい時もグイグイ心配なく切り込みできるようになりました。
高さを変えると高さの三乗で剛性が上がるそうなので、たった3mmでも相当剛性があがったのでしょう。
ビビリがほとんどなくなり、バイトを引くときも削り面への刃物の接触もかなり少なくなりました。
ホルダの剛性は非常に大事なことを身をもって痛感します。
仕上がり精度や肌にも相当影響してくることでしょう。
でも溶接で接合したといっても、二つに分割してしまった部品ですから元より強くなっているわけではないでしょうから過剰な期待は持たないようにしたいと思いますが、メーカー品のホルダは角度もきちんと設計されているせいか、切れがとてもいい感じがします。
刃物と道具は大事ですね!
加工なんかしないで済むのが一番いいことではありますが。
少ししたらピン型インシュレーター製作をボチボチやりたいと思います。
意外と人気商品になりつつあります。
音がすごく良くなると高い評価が集まってきていますので、急な必要に備えて数セット在庫で持っておくようにしなければ…
刃物がいいと仕事が楽しくなりそうです。
Posted at 2013/06/26 22:46:42 | |
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