南方の海を隔てた地より、スカイライン ジャパン たぶんC210系のプロペラシャフトにトラブルがあると相談がありました。
去年にこの車を購入されたそうですが、スタート時や一定の回転数の時に異音や振動がしたり、エンジンブレーキ時にガタガタと異音がしたりしていたそうです。
クラッチ交換時に異常を発見したそうですが、非分解方式だったためかいくつかの整備工場に相談してもすべて断られてしまったとのことでした。
到着したので外観を見ていきます。
外観はサビが多く、長年の使用を感じさせます。
第二軸のパイプ径はφ50くらいでずいぶん細い印象です。
スパイダーの動きはスムーズではありますが抵抗感がなさすぎるように感じてあまり印象よくありません。
一か所のスパイダーは首振りしなくなっていて、内部のベアリングは完全に磨滅して終了しています。
どの整備屋さんも断ったという非分解のジョイントをばらしていきます。
内部はグリスではなくオイルという感じで、抵抗感がまったくないのはグリスの粘りがなくなっているからでしょう。
軸部には焼け色や潤滑切れによる摩耗跡も見られて、限界を超えていました。
一緒に送られてきたセンターベアリングも交換し、スパイダーを交換していきます。
回転中心はかなり時間をかけて0.02mmの振れに追い込むことができました。
回転バランス修正も行ってとても低振動な軸に仕上がりました。
40年くらいはたっている車だと思いますが、すべての可動部を交換でき、純正以上の精度で組み上げられたと思いますので、新品時より精度・性能は上がっているでしょう。
試走した感想をお送りいただけました。(原文まま)
「装着して試乗したのですが、今までの走りは何だったのか?と思うほどスムーズな走りをしてくれました!
スタートから中回転、ガタガタが無くなって足周りも軽快な感じがします!エンブレ時も異音など無く最高です。」
今までのサビと磨滅に起因する症状がなくなっただけではなく、スムーズ感は回転バランス修正による極低振動が効いているのだろうと思われます。
今回もとても喜んでいただけたOH作業になりました。
Posted at 2022/02/15 22:28:20 | |
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