アルテッツァSXE10型をこよなく愛する方からプロペラシャフトのオーバーホール依頼をいただきました。
当方に送る直前に小さなサビを発見してサンドブラストにかけるという念の入れようでガラスコートという塗装もサビ止めのために塗布されたとのことで大変驚かされました。こうした方に接するともっと気を使う人にならねばと身を正される気持ちになります。
部品が到着しましたので、外観を観察していきます。
パイプ部分は厚めの塗膜で錆止めがされておりとても綺麗な状態でヘコミなどはありませんでした。
フランジ部はサビがありましたが交換用として新品フランジが入っており、その他センターベアリングや小物部品も一緒に添付してあって軸部以外はすべて新品交換できるように部品を揃えていただいていました。
センターベアリング交換のために外していきますが、白い粉が出てきて何が劣化したのだろうかと思ったら、ブラスト時のアルミナ粉が入り込んだものだということでした。
大きな変形もゴリ感もなくあまり劣化しているようには感じませんでした。スペアとして保管用にしておけそうです。
ワイヤーブラシでサビをできるだけ落とし、薄くグリスを塗布したのでスプラインがスムーズに入っていきました。
適当にはめてしまうとユニバーサルジョイントがちぐはぐな向きになってしまうので、正しい向きに一直線に並ぶように位置を合わせてスプラインをはめこんでいきます。
カシメで固定されていたスパイダーも外していきます。
カシメ方式のスパイダーは取り外しを考慮されていないのでなかなか外せる構造になっておらず除去という作業になってしまうところですが、ご自分の愛機を大事にされている方なら今までついていた部品の状況を知りたいだろうと思い、なんとか形を残すように外しました。
内部の状態はまだグリスっぽい粘り感があり、本来であればまだまだ使える状況ではありましたが、中立点など出やすいところに何か所かコリ感があったので気になっていたかもしれません。
スパイダーの回転中心は0.01mm付近の振れに収めたところで位置決めし、回転バランス修正を行って完成です。
1g以下のアンバランスに収めてとても低振動な軸になりました。
すべての可動部が新品になり、新品同様軸になりました。
首振りもやたらと軽く、引っかかりも皆無となってストレスなく駆動力を伝達してくれそうです。
満足感高い作業となり、装着時の感想がとても楽しみです。
Posted at 2022/08/06 21:04:44 | |
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