私は車体加工を行う方々への自動車試験、改造申請、特注部品の供給などの業務を行っています。
今回、Lexus LS460のホイールベースを延長する加工を行うということで、プロペラシャフトをお預かりしました。
二本の増設です。
あらかじめ陸運局に改造許可をとるために計算上で法律に適合するかどうかを検討して、長さ、太さが問題ないかを検討してから加工に入ります。
この確認をしておかないと、改造許可が取れる部品ではなくなってしまい、公道走行かできない車になってしまう可能性があります。
高級車の多くは後輪駆動方式を採用されていることが多いようです。
ホイールベース間を延長すると、駆動軸の長さを車体延長分だけ増設する必要が出てきます。
(エンジン載せ換えやAT→MTへのギヤシステムの交換なども長さ調整やフランジ交換を行います。)
しかし、回転軸は製作精度と回転バランスをかなりよくしておかないと、ひどい振動が出てしまうことが多いです。
1mmと聞くとわずかに感じますが、回転軸の曲がり1mmは致命的です。
とても乗れたものではありません。
そこで、加工時は10分の1mm台の精度で仕上げ、回転バランス(ダイナミックバランス)を修正することによって不快な振動をなくし、駆動力を滑らかに伝達する作業を円滑に行わせることが可能になります。
しかし、溶接加工で製作しますがその溶接熱が金属の伸び縮みの特性に大きく作用します。
一般に溶接仕上げで工作精度を求めることはできないというのが一般則のようですが、そこを可能な限り追求して、最後の仕上げに回転バランス修正で溶接時の精度不足による振動問題を補います。
推進軸は重大な事故につながる可能性が高い部品なので、非常な緊張感を持って扱っています。
でも振動が全然ないなどの報告をいただくと、とても嬉しい気持ちになります。
これからも機械部品として最高のものを目指していきたいと思います。
推進軸の問題に悩んでいる方、プロペラシャフトのバランスが気になっている方はご連絡をどうぞ。
oms_pcs@amail.plala.or.jp
Posted at 2011/12/10 18:44:50 | |
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