先日OSBボードを利用した後面開放型のボックスを一個だけ作れました。
やはり二個ほしいし早くまともに聞ける環境をつくりたいので、次の日に製作を行いました。
後面開放型でないとこのユニットは非常に聞き苦しい音になってしまいます。
それで、製作も比較的短時間ですみます。
一個の箱に仕上げるのに2時間かからないくらいでしょうか。
試聴用ですから、隙間がないことだけ気をつけて製作していきます。
容積も、ユニット特性から簡易計算にて17L以上が適正容量ということになったので、スピーカーが占有する容積を差し引いて20Lを確保できる寸法としました。
190mmの穴をジグソーであけてユニットをネジ止めし、ユニットにスピーカーケーブル(カナレ 4S6)を結線してだいたい完成です。
自分の部屋に設置して早速音出しです。
使った機材は、安物の無名メーカーCDプレーヤー、アンプはYAMAHA 業務用アンプP2050(45W×2)です。
SONYの家庭用5.1chアンプをしばらく前に試聴用として使っていましたが、低音の駆動力がまったくといっていいほど皆無で変なシャリシャリした音でした。
このアンプに変更したら、低音の駆動力がばっちりでとてもニュートラルな音質になり、アンプによる違いってかなりあるんだなとその時に勉強しました。
まず音出しをしてみたところ、とにかくカチッとしたハッキリシャッキリとした印象の音質です。
ボックスの設置には、自作のステンレスのピン型インシュレーターも使います。
低音はそこそこですが、中高音がかなりよく出ている印象です。
スパッと飛んでくるような堅めの音質に感じました。
けっこう口径の大きいフルレンジなのにとても綺麗な高音が出てくるのには大変驚きます。
丁寧なつくりのおかげでしょうか。
それでも、一時間以上鳴らしていても耳の疲れはそんなに感じません。
2way以上のシステムと違って放音部分が一つしかないことも聞き疲れの軽減に役立っていると思います。
そこへこのユニットをつい数日前におわけした神奈川県のHさんからメールが入り、このユニット用の箱を製して試聴した印象を報告してくれました。
報告によると、低音感はもう少しというところだが、中高音の艶めかしさは特筆もので素晴らしいということでした。
そして、吸音材ありとなしを比較したという内容もありました。
基本的に吸音材は入れない方向で過ごしてきたそうですが、フエルトが安かったこともあり試してみたということでした。
サイドパネルの内壁に一周ぐるりと薄いフエルトをまわしたんだそうですが、これが大当たりだったようです。
低音の厚みが増し、音が丸くなってびっくりするほど聞きやすくなったということでした。
まさに自分の理想とする音にどんどん近づいていると大喜びしておられました。
そんなにいいなら私も試してみようということで、まずタオルを後方の開口部に垂らしてみたところ、後方から盛大に鳴っていた中高音が効果的に抑えられ、吸音の難しい低音が残って非常にマイルドな音質になり、低音が増大したような効果を感じることができました。
今までの堅めの音質がウソのようです。
これはもうやるしかありません。
ホームセンターに行き、38円/mのフエルトを購入し、内壁にまわすことにしました。
余談ですが、下にうつっている二本のはさみは刃物専門店で購入した、鍛冶屋製作の大変良く切れるはさみです。
フエルトは普通のはさみではなかなか切りにくいものですが、このはさみはとても少ない力でフエルトが切れていくので驚きました。
ホームセンターのお姉さんが普通のはさみで切断にとても苦労していたのです。
180mmほどの幅に切り分けたフエルトを内壁にタッカーで止めていきます。
一周グルリとユニット情報の空間のところにも一枚貼り込みます。
先日機器付属のケーブルの音質が非常に良くないことを味わってしまったので、CDとアンプをつなぐケーブルも製作することにしました。
仕様ケーブルはカナレのL-4E6S(マイクケーブル)です。
プロの現場では常識ともいえるケーブルです。
100m巻きのリールで持っています 笑
カナレのRCAピンプラグ(金メッキ)も準備してありましたので、製作にとりかかります。
ケーブルには方向性もあるというので、それもきちんと揃えました。
シールドも片側は落としてノイズ対策に気を使ってみます。
完成しました。
機械との距離がとても短いので、あまり長くするとゴチャゴチャになりますから、350mmの長さにしました。
好きな長さにできるのが自作ケーブルのメリットです。
つないでみます。
やはり非常にコンパクトであまって丸めなければならない長さもなく、ちょうどよく仕上がりました。
YAMAHA P2050は業務用途ですので、入力にバランス端子とフォン端子しかついていません。
そこで活躍するのが、バランス→アンバランス(RCA)変換プラグです。
業務用機器と民生用機材との接続には大変便利です。
さて、試聴をしてみます。
いや~驚くほどバランスの良い音質になりました。
今まで感じていた中高音の出すぎ感や低音感の薄さはほとんど感じなくなりました。
BGMとしてとても聞きやすい音質だと思いました。
また、付属ケーブルでは高域がいまいちよく出ずボケたような音質でしたが、カナレのケーブル、コネクターは信号の流れがとてもスムーズになり、良好な音質バランスには良質のケーブルは欠かせないと改めて認識しました。
付属ケーブルは残念ながらゴミ行きとなりました。
8AG/Nは業務用を想定されて設計されていると思いますが、ホーム用としてこんなに聞きやすい音質にできるとは驚きです。
能率もとても高く(96dB/W)、真空管アンプなど小出力アンプにも最適です。
定格35Wの耐入力があるので、家庭で使うにも十分でしょう。
大きな音圧が必要な用途ではボックスの固定にもっと気を使う必要がありますが、BGMとして小音量で鳴らしておくにはそこそこの重さがあれば良いようです。
Hさんの情報がなければ堅めの音質でずっと聞いていたことでしょう。
お知らせに本当に感謝でした。
吸音材の量を加減することによって、低音の量を調節することができるようで、低音成分が多いおとなしい音質、中高音が比較的よく出る元気な音にチューニングできるようです。
このスピーカーシステムは自宅仕事場のBGMシステムとして設置しておくことにしました。
こんな音質が出るシステムを撤去してしまうのはもったいなさすぎですからね~
今回の製作が大成功に終わって本当によかったです。