プロペラシャフトにかかわるようになって10年以上になりました。
このところ新境地に入っています。
AE86は30年以上が経過し、某漫画等で超有名になりつつも部品の生産は終了しているものが多くなってきています。
プロペラシャフトは生産中止になっている部品の一つです。
推進軸に使われているユニバーサルジョイントはベアリングが組み込まれていてグリスが封入されていて潤滑されているのでスムーズに動作します。
しかしグリスが流れ出ていったり経年劣化によって潤滑不良がおきたり雪国の塩カルをかぶってサビまみれになったりすると、ユニバーサルジョイントを構成するスパイダーと呼ばれるベアリング機構の動きが非常に悪くなっていくことが多く発生します。
通常はピンやクリップ等でスパイダーも交換ができるようになっていることが多かったですが、近年乗用車では非分解式の構造となってきていて、トラックなどの貨物用途しか交換ができなくなってきているようです。
そこで非分解方式を採用するAE86のプロペラシャフトを新品時の機能を回復することを目標に補修に挑戦してみました。
入手できたシャフトはとてもサビが多く、あまりよろしい個体とはいえませんでした。
スパイダーを取り外してしまいました。
ツメがなくなってしまったので、中心が簡単には出なくなってしまうことになります。
取り外しの苦労だけでなく、スパイダーの選定にも大変苦労しました。
スパイダーの組み付けと芯出しは独自の秘密方式です。
これにはかなりの開発期間と設備投資を要してしまいました。
スパイダーだけでなく、長年軸の重量を支えてきたセンターベアリングも交換できてこそ新品時の機能がきちんと回復するというものです。
そこで入手しておいたセンターベアリングも交換作業することにしました。
ばらしができました。
意外とあっさりベアリングが抜けました。
サビでひどい状態でした。
ゴムも固くなり良い状態とはいえませんでした。
交換ができました。
三個のスパイダーとセンターベアリングすべて交換が完了しました。
もちろん回転バランスもとってありますので振動問題も解消です。
AE86の中古軸が、新品時の機能を回復して再度生まれ変わりました。
簡単ではないチャレンジでしたが、新たな新境地となりました。
Posted at 2016/10/19 23:12:08 | |
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