ソアラMZ10のプロペラシャフトに振動や異音のトラブルが出ているのでスパイダー交換をしてほしいというご相談があり、リビルド作業をすることになりました。
ソアラMZ10-wikipedia
すでに旧車となってしまっていて新品部品の供給もないこと、AT→5MTへのコンバートもしたのでシャフト長さが純正とは違っていて中古部品も使えないという難しい内容でした。
まず全体を観察します。
大きな問題は抱えていないように見えたのでバラしていきます。
カシメ方式のジョイントですがかまわずバラします。
センターベアリングも新品が添付されていましたので、比較してみます。
中心位置が大きくずれていて長年シャフトの重量を支えてきたことがわかります。
写真にはとりませんでしたが、センター部のフランジと前端のジョイントの位相がちぐはぐになっていましたので向きを修正しながら取り付けました。
スパイダーは意外にもAE86などに使われているものと同じサイズでしたので入手の問題はなく在庫してあったものを使えました。もっと大型のスパイダーだろうと思っていました。
スパイダーを組んで回転バランス修正作業をする段になって問題が起きました。
回転台にセットして回転させ始めたら大きな振動が出はじめて驚きました。
マニュアルミッションに載せ替えをしたショップで加工をしたようですがただ溶接しただけのようで大きく振れが出ていました。高速回転軸で1mm超の振れは致命的です。
再加工で修正しないといけないかとも考えましたが、たまたま在庫していた無加工AE86軸を当ててみたところ5mmちょっと短いくらいだったので、ご依頼主にOKをもらって組み換えをしました。
こういう時にスパイダーの交換ができるのは大変便利です。
軸本体のみAE86軸で他の部品はすべてMZ10軸の部品を使いました。
無事に激しい振れは収まり、回転バランスもとって千葉県へ戻っていきました。
一週間後に装着完了したとわざわざ電話をいただきました。
二年前から振動と騒音に悩まれていたそうですが、今回装着して試走したところ完全に直っていてとても快適になって驚いたとおっしゃってくださいました。
AE86第一軸はもともとついていた軸と1mmも違わず純正軸かと思うフィット感だったそうでとてもびっくりしたそうです。
本当に良かったです。
Posted at 2018/06/27 21:16:36 | |
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