日産GT-RはBNR32型からデビューしてすでに25年以上たったということで、外国の需要が高まり、最近では非常に高値がつくようになっているようです。
日本国内でも歴代のGT-Rファンは多くおられるようですが、かなりの年数がたって純正部品が生産終了になっていっているようです。
今までGT-Rのプロペラシャフトでトラブルを抱えているという相談をいくつかいただいてきましたが、部品を目の前にするとあまり精度や状態がよくないものが多いように感じていました。
デフからのうなり音の発生や車体の振動、室内騒音に悩まされているという事例にいくつか接して、プロペラシャフトの回転バランス修正加工を行って大きく問題が改善したと報告をいただくことが多かったです。
BNR32、BCNR33、BNR34型はすべてリヤプロペラシャフトが廃版になったそうなので、純正互換できる補修用部品の提供をしたいと考えました。
それで製作をしてみました。
必要部品
これらの部品は国内入手はできない部品です。純正構造は二分割構造になっておりますが、同じ構造にはできませんでしたのでワンピース構造となりました。純正構造から変わるので陸運局の許可を得る部品にするのは絶対でありますから、強度計算を行いパイプ径は約φ89に決定しました。
長さは純正軸から置き換えできるように、センターベアリングはなくなっていますが仕様書に記載の長さと同一としてありますが、各型式で微妙に長さが違います。
完成しました。精度は純正より大幅に高めて振れは1/100mmレベルでの計測をしながら組み立てをしています。回転バランス修正加工も行い振動には大変気を使った軸としてあります。フランジ側の十字スパイダーはCリングで止まっているタイプですので、交換ができるものです。
上段からBNR32、中段BCNR33、下段BNR34
純正軸より大幅に軽量となっています。おおよそ5kg以上軽くなったと思います。
BNR32 - 9.0kg BCNR33 - 9.9kg BNR34 - 9.0kg
(BNR32型の純正軸は15kgほどのようです。)
カーボン素材よりも長い実績のあるスチール材のほうが個人的には安心感があります。
BNR32用はすでに陸運局で書類審査は通って通知書が発行されています。
今後も申請は継続していき、対応する型式、類別区分を増やしていく予定です。
この軸を使うためには軸と一緒に提供する通知書を持参し地元陸運局で構造変更検査を受ける必要があります。
この軸は一般走行車の補修部品としても使用可能で、精度良好かつ軽量にもなっていますのでハードな走りをする方にも良好な部品となっています。
すべて手作業で計測を重ねながら慎重に製作していますので、受注製作となり一日一本が限度になりそうです。
近日中にHPにアップをしていきたいと考えていますので、今後にご期待ください。
Posted at 2020/07/09 21:45:27 | |
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