T社ディーラーのサービス部門の方がブログ記事を見られて、TE71型プロペラシャフトのリビルド作業をご依頼いただきました。
カローラレビンTE71型はAE86型の前モデルだったようです。
1979年発売だったそうですので、もう40年近い年月がたつオールドカーのようです。
カローラレビンTE71型
プロペラシャフトも交換されていなければ、スパイダー内のグリスも40年間にわたり潤滑しつづけてきたことになるので、本当に頑張ってきたといえそうです。
送られてきたシャフトを確認してみます。
センターベアリング一式はすでに新品に交換されていました。
ジョイントの首振り自体は軽く、ゴリゴリとした渋さは見られませんでしたが、中央付近のコクッとした引っかかりは大きく感じました。
ただこの引っかかり感が大きな問題につながっていたわけではないと思うので、長年使用した軸に問題が起きる前に予防的なスパイダー交換を考えられたのだろうと思います。
プロペラシャフトに問題出ないうちに気を使う方はそう多くないと思うので、きっとご依頼されたユーザー様はかなり気を使っておられる方だろうと思います。
ただカシメ方式のスパイダー固定がされていたので、スパイダーの交換ができず、交換用純正部品の供給も廃版になっていることから整備部門でもプロペラシャフトのメンテができなかったのでしょう。
スパイダー交換、回転芯出し、回転バランス修正加工を経てリビルド作業が完了しました。
スパイダーは、純正部品としての部品供給がないので、国内大手メーカーに相談して取引を開始してくれた会社から入手できるいくつかの種類を試して紆余曲折を何度か通りながら決定したものです。
組んでみると首振りがかなり固くなってしまったり、ヨークの穴より小さくスルスルと動いてしまったりと、これと決めるまでに大変苦労しました。
今回のスパイダーは、オリジナルの固定方式で動かないようにしましたが、キャップ寸法もヨークの穴内にわずかに小さいくらいでしっかり圧入され、ガタの気配はまったくありません。
首振りはとてもスムーズで軽く、回転バランスもしっかりとれました。
とても低振動の軸に仕上がったと思います。
40年の歳月を頑張ったレビンがさらに同じ期間走れるよう願いつつディーラーへ返送しました。
<2020/12/28 追記>
装着と試走のレビューをご連絡いただきました。
修理前は60~80km/hでゴーといった異音が発生していたそうですが、その異音がなくなり、振動もなく快適に走るようになったとのことです。
Posted at 2020/12/21 17:13:42 | |
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