ロレルKHC130型のプロペラシャフト オーバーホールの依頼がありました。
ローレルは1968年から販売されはじめた歴史ある車種のようです。
はじめは最近修理のお尋ねが多い非分解ジョイントが使用されているものかと思っていましたが、送られてきたものを確認してみたら内側でピン止めするもので外そうとした形跡もあったことからよくよく聞いてみたところ、錆びつきでまったく外れなくて困ってしまったということでした。
たしかに全体をサビが覆っており、パイプにはサビによる腐食穴があいているところもあって大変な状況でした。
セダン用とハードトップ用を送られてきて、程度のいいパーツを使って組み上げて良いとのことでした。
スパイダー、内側のピン、センターベアリング、パイプなどすべてがサビつきと劣化でボロボロでした。
第二軸側にはスライド部がついていましたが、内部のグリスはまだ生きているようでしたがサビが混じった茶色になっていたので、この機会に洗浄してグリスアップをしたほうがよさそうです。
熱と水分に強く、衝撃荷重に強いグリスを使います。
スパイダーやセンターベアリングを送っていただき、これを用いて組んでいきます。
サビだらけでスパイダーの取り外しはそうとう難儀しました。
がっちりサビで一体化に近くなっていて、力任せにするとヨークを曲げて破壊してしまいそうになり、慌てる局面もありました。
第一軸のセンターベアリングも交換しました。
こちらは固着もなく比較的スムーズに交換ができました。
第二軸のパイプには穴があいていて、発進時にねじりの力がかかった時に破断することが想定されることからパイプ交換としました。
第一/二軸とも回転バランス修正を行って低振動な軸になりました。
車内はとても騒音少なく快適な走行が期待できるはずです。
作業は大変難儀しましたが、なんとか完成しました。
下の二本が完成品です。
これだけのサビだと50年くらいはたっているのかもしれません。
今回はとても難しいオーバーホール作業でした。
Posted at 2021/10/21 22:37:10 | |
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