クラウンGS151型を長くお乗りの方から、第二軸のオーバーホール作業のご依頼がありました。
1995~2000年あたりに製造販売されていたようです。クラウンらしい高級感を感じるデザインでした。
懸案のクラウンは後方からうなり音が聞こえてきて大変不快だったそうです。
プロペラシャフトかはっきりしなかったようですが、可動部ということで経年劣化をメンテしておきないという気持ちになられたそうです。
うなり音が直るかなんともいえないことをご承知いただいてOH作業を行うことになりました。
まずは外観点検ですが、特にへこみや破損などの異常は見られず、サビもひどいものではなくて保管状況が良好だったことがうかがえます。
非分解式ジョイントでしたが、ばらして計測をしてみたところスパイダーは大変多く使われているサイズで、在庫していたスパイダーを使うことができました。
グリスっぽい粘りというよりオイルのような柔らかい感じでした。
20年以上強くねじられ続けているとグリスも疲れて粘りをなくしてしまうのかもしれません。でも長年の使用にしては内部の状態は良好だったように感じました。
軸部に組み付けていく直前の状態です。
両端のフランジを組み付けてスパイダーの芯出しと固定を行い、回転バランス修正を行って完成です。写真は塗装前でした。
トヨタのプロペラシャフトは防振用と思われるゴムを介したシャフトが多いですが、溶接でがっちり固定されている構造のものは回転バランスがしっかり決まりやすくアンバランスも小さく抑えられる印象です。
このシャフトも振動台上ではとても良好な数値となり、微動だにせず回転していました。
また次の20年を走り切ってほしいものです。
Posted at 2022/10/24 22:49:01 | |
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