フェアレディZ HZ31型を走行中に乗り上げてしまい、下回りを強くヒットして大きな振動と異音が出るようになってしまったので修理可能かとお尋ねをいただきました。
状況を把握するために写真をお送りいただきましたが、大変驚かされる事例でした。
ヒットの衝撃で非分解方式のスパイダーのキャップ部が飛んでなくなってしまい、パイプにはこすれと大きなへこみがついていて、衝撃の強さを物語っておりました。
スパイダー・パイプの交換が必要で作業の難易度が予想されましたが、なんとかなるのではないかと思って送ってもらうことになりましたが、この時はどれほど悩むか思っていませんでした。
実際にシャフトを目の前にすると大変痛々しい状況でした。
計測してわかったのは、スパイダーのヨーク側・フランジ側でキャップ径が違っていることがわかり、ここからかなりの時間試行錯誤をすることになりました。
近い径の新品スパイダーがあったのでそれを使おうと思いましたが、パイプ側ヨークにはぴったり適合しましたがスプライン/デフ側ヨークは0.6mmくらい穴径が大きく、そのまま使うことは不可能です。それでめちゃ薄カラーを製作してみましたが、製作・組み込みには非常に時間がかかりました。径の違うスパイダーを純正で使っているのは初めて遭遇しました。
両端が大きくへこんでいるパイプも交換していきます。
パイプ部にはまるヨークのはまりの部分にも変形が見られ、もう基準になるところがいろいろなくなっていて大変でした。
ここまで頑張って仕上げてきて回転バランス修正も行って大変良好になりましたが、デフ側スパイダーの首振りの渋さがなかなか消えず、乗り上げ時の衝撃でヨークが変形してスパイダーのベアリング部を圧迫するようになってしまったのかもしれません。そこでご依頼主に渋さが消えないことを伝え、在庫部品で新規シャフトも製作することをご提案したところ、大変結構ということになりまして急遽製作することになりました。
すべて新品部品で製作しまして交換できるスパイダーを使う方式になり、今後のメンテナンスも容易になりそうです。回転バランスも大変良好なものとできました。
フェアレディーZのZ31型をお乗りの方で、プロペラシャフトに問題出はじめた方は特注製作可能にできるかもしれません。
当方の在庫部品が使えるシャフトであれば長さは車両と同じものに仕上げることが可能ですので、お尋ねください。
Posted at 2023/01/06 23:57:42 | |
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