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2023年07月27日 イイね!

日産GT-R BCNR33型 プロペラシャフトOH作業


東北方面のショップ様から、100km/hちょいあたりから振動が始まるBCNR33型が修理で入庫したので相談をしたいというご連絡がありました。

内容を聞いてみると、等速ジョイント部を覆うカップブーツに大変変わったヘコミがあり、どのようにぶつかったらこのようなヘコミがつくのかとても不思議だということでした。プロペラシャフトの新品が出ないので、当方オリジナルのワンピースプロペラシャフトを最初考えられたそうですが、32~34の純正プロペラシャフトのオーバーホール作業の経験があることを伝えるとユーザー様は純正シャフトでいきたいという希望となったようなので、ワンピースシャフトから方向転換して純正シャフトのオーバーホール作業に変更しました。
実物が送られてきたので外観を確認していきます。
見た目はあまり大きな問題はないように見えました。




カップブーツはとても目立つヘコミがついており、へこんだケースが内側に入り込んで軸部にぶつかっているようでしたので、これが振動の原因になっていたのかもしれません。


可動部はすべてオーバーホールすることになっていましたので、等速ジョイントはすべて外して確認していきます。等速ジョイント内部には使い込んだ古グリスがべっとりついていましたが、駆動伝達用のボールのところにはグリスが足りなくなっているようで、流れやすくなってしまっているのかもしれません。




等速ジョイントはすべてばらして徹底洗浄します。ボールやケージまでばらして洗浄しますが、組み上げる時には知恵の輪みたいで組み上げに苦労します。
破損したカップブーツは新品を用意してありますので交換します。


洗浄中に時間を待つ間、カップブーツに押されていたので曲がりがないか確認をしました。旋盤にセットしてダイヤルゲージをあてて振れを確認したところ、0.3mm振れていましたので、0.05mmまで追い込んで修正しました。(旋盤で軸部を削ったわけではありません。細くなってしまいますので)


ユニバーサルジョイントのスパイダーも非分解カシメ方式ですが、外してオーバーホールしていきます。数か所にコクンという引っかかりがあり、内部のグリスは劣化していそうなことが伺えます。数百本のニードルベアリングもすべて洗浄して古グリスを落とし、一本ずつ戻して耐水・耐熱・高荷重時の潤滑に優れた高性能グリスをあふれるように充填して詰め直しをし、回転中心を0.05mm以内まで詰めて位置決め固定します。首振りはまったく引っかかりがなくなり、感動的な軽さに戻せました。


最後に両軸とも回転バランス修正をこれ以上詰めらないというところまできっちり行って、今回のオーバーホール作業は完成です。


GT-Rは32~34まで異音や振動が出やすい印象がありますので、部品の劣化とともに振動・異音など気になっている方はオーバーホールのご相談を受け付けしています。

追伸:
発送して数日後に続報が入りまして、装着と試走をされたところ懸案の速度での振動は綺麗さっぱり消えてくれて嬉しさのあまりすぐユーザーさんに電話してしまったという大変気分のはずむご報告をいただきました。


Posted at 2023/07/27 21:08:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2023年07月17日 イイね!

BNR32型 リヤプロペラシャフト 純正軸オーバーホール


BNR32~34型が常時入庫しているというプロショップからBNR32純正軸オーバーホールのご依頼がありました。
程度の良いプロペラシャフトがなくなってきて大変困りはじめていたとのことでした。

届いたシャフトの外観確認をしていきます。
BNR32型は等速ジョイント二か所、ユニバーサルジョイント一か所の構成で、全体長さは1100mm弱と二軸構成にしては短めの長さになっています。
パイプ部にヘコミなどはなく外観は良好でしたが、ユニバーサルジョイントの首振りは中立点その他の引っかかりが多く、渋い動きではありませんでしたがあまりいい印象ではありませんでした。






等速ジョイントをバラしていきます。グリスの劣化は著しく内部のボールも見えている状態で量も少なくなっていてオーバーホール時期としては大変良かったのではないかと思います。




古いグリスを徹底洗浄して落とし切っていきます。二か所あった等速ジョイントの内部構造はとても綺麗になりました。充填していくグリスは有機モリブデンを配合した耐水・耐熱・高荷重時の極圧性能に優れたものを選択していきます。


引っかかりの多かった非分解方式のユニバーサルジョイントもばらしていきます。こちらも洗浄液に漬け込み古グリスを徹底的に洗浄し、数百本あるスパイダー内部のニードルベアリングを一本ずつ戻しながら等速ジョイントに使ったものと同じグリスを詰めていき、再組立てします。
首振りの引っかかりは皆無となり、心地の良い抵抗感がありながら軽い動きに深い満足感を感じながら意味なくジョイントをコネコネして喜んでしまいます。


非分解方式のスパイダーは位置決めと固定を兼ねたピンがないので回転中心を自分で合わせる必要があります。回転中心出し精度は0.01mmを目ざして合わせていきます。芯出しができたら回転バランスを納得いくまで精密に取り、低振動シャフトに仕上げて完成です。


どのプロペラシャフトも内部構造は変わらず、いつも似たような内部構造写真と作業内容ですが、プロペラシャフトが綺麗に回転してくれると乗り心地・走り心地はなんともいえないものになりますので、奥の深いオーバーホール作業です。

Posted at 2023/07/17 08:40:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2023年07月06日 イイね!

GT-R BNR32型 ワンピースプロペラシャフト製作


R32~34が常に入庫しているというショップからBNR32型のワンピースシャフトが大変気になるので試しに装着しようと思うということで、製作依頼がありました。

純正軸は二軸構成になっていますが、R32~34は振動や異音の問題が多いような気がしていました。このワンピースシャフトはセンターベアリングをなくして部品点数を少なくし、純正軸の重量より3/2くらいに軽量化できているので、おおよそ9.5kg前後になることが多いようです。回転バランス修正には特に力を入れて調整しています。

保安基準の計算をクリアするために純正より太いφ89ほどのパイプを使っているので、大変迫力があり長さも1m強となっています。


Posted at 2023/07/06 22:25:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ
2023年07月01日 イイね!

ランクルHDJ81V型 フロント ダブルカルダン加工


記事をご覧になってくださっている方々からのご連絡が大変多くなり、写真を撮って記事にするのもままならないほど毎日シャフト作業にまみれるようになっています。
プロペラシャフトに問題を感じておられる方は意外と多いようです。

今回はランクルHDJ81V型のフロントプロペラシャフトをダブルカルダン加工のご依頼です。
ダブルカルダンジョイントは四駆業界で大変有名なパーツだそうで、車高アップを行った方々はほぼ必ず悩まされるペラ鳴りという現象の特効薬だそうです。(四駆ショップではなく加工業務のみなのでご依頼主様からの聞きかじりです 笑)
今回は10インチアップの車両だそうです。

まずは送られてきたシャフトの外観観察からです。
シャフト自体は大変綺麗でジョイントの動きもスムーズですが、ジョイントの向きが揃っておらず、整備等で外した時に適当にスプラインにかみ合わせたものと思われます。ユニバーサルジョイントは使い方の法則があるのでそれを守らないと曲がった状態での駆動伝達ができず異音や破壊の原因になりかねません。


今回はフランジ端面間寸法を計測されてこられましたので、伸縮しろをとりながら計測値になるところでシングルのジョイントを切断します。


径合わせのリングを作成し、ダブルカルダンジョイントとパイプを合わせて振れが極少になるよう溶接し、回転バランス修正を行って完成です。


ランクルの純正シャフトはあまり回転バランス作業が苦労することが多い印象ですが、このシャフトは元々の出来がいいのかとても良好な回転バランスに仕上がり、四駆らしからぬ低振動軸になりました。
リヤシャフトのダブルカルダン化も行うと一般道走行で劇的に快適になると報告を何件もいただいていますので、一般道走行が多い方にリヤ側の加工は特にお勧めです。

Posted at 2023/07/01 00:51:08 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車部品 | クルマ

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