ディーラー系の整備工場より、プロペラシャフト修理の依頼がきました。
中型トラックと思われますが、軸部がボコボコになってしまったのだそうです。
最近は中・大型車両のプロペラシャフトが多くなってきているようです。
現物が送られてきたので状態確認をしていきます。
比較的短めのシャフトでしたが、たしかにパイプ部分がボコボコで何にぶつけるとこんなにへこむのかと疑問に思います。伸縮部のところにコルクのような緩衝材がつぶれていたことから、バックで何かにぶつかるように乗り上げたか追突事故等で突いてしまったのかもしれません。両端のユニバーサルジョイント・スライド部分の動きは特に大きな問題を感じず、パイプがへこむほどの衝撃があっても曲がったりはしなかったようです。今回は80万kmほどの走行車両のようで、スパイダーなど全部交換してほしいということで部品がついていました。
パイプ部分を削り取っていき、十分な厚みのパイプに交換するためにパイプ内径にはまる部分の寸法を合わせていきます。事前にはかっておいた寸法になるようにパイプ長さを決めてはめ合わせて、振れが出ないよう、さらにしっかり溶け込むようにじっくり慎重に溶接していきます。
スパイダーは乗用車と比較するとかなり大きく径はφ45くらいあって抜き治具がなかったので製作して、ヨーク本体を破損しないようかける力の向きを試しながら抜き作業をしました。ベアリング内部のグリスは高走行車にしては良好な潤滑状態を保っていた印象でした。大型車両のスパイダー交換はなかなか難易度高く、部品が大きくなるほど重みも難しさも増していくようです。
回転バランス調整を行い、完成となりました。
大きくて重い部品だとバランスウエイトも大きくなりがちで、もっと小さいウエイトで済むようになる=組み立て精度向上のためにさらに研究と努力が必要だと改めて課題を感じました。
Posted at 2024/02/10 23:11:12 | |
トラックバック(0) |
自動車部品 | クルマ