日産ディーラーからユーザー様がお乗りのBNR32型プロペラシャフトを車体から外そうとした時に等速ジョイントが分解して外れてしまって、この機会にオーバーホールも兼ねたいとご依頼がありました。
送られてきたシャフトを見ていきます。
シャフトにはヘコミや傷などはなく一般的な程度でした。センターベアリングは今回の入庫で新品交換したそうです。一か所あるユニバーサルジョイントの首振りも強い引っかかりはありませんでした。ただ中央部の等速ジョイントが車体から外す時にバラバラになってしまったそうですが、組み立てはしてありましたが前後左右に軽く動かずこのままで使うには不適当な感じでした。
等速ジョイントのカップブーツが首のところでちぎれてしまっていてタイラップでなんとかしようとした跡が見えました。これも等速ジョイントがいきなり外れてしまった原因の一つだったかもしれません。
ユニバーサルジョイントは非分解方式でしたが、カシメ打ちの多さは初めて見ました。
非分解スパイダーを外して内部のニードルベアリングをすべて外して古いグリスが残らないようじっくり洗浄します。
スパイダーの洗浄が完了して組み込みしたら等速ジョイントへ移ります。
封入されていたグリスはチョコレートみたいになっていてグリス特有の粘りがなくなっていました。
等速ジョイントも徹底洗浄しますが知恵の輪のようで溝と玉の組み合わせ場所を間違えると全然動かなくなり焦ってしまいます。なぜかスプライン部にサビが出ていて、水分の侵入が疑われましたのでサビをよくふきとり水分に強いグリスで保護をしておきます。
今回は破損していた片側のカップブーツを新品に交換しました。ユニバーサルジョイントは首振りも適度な抵抗感を伴う首振りが心地よくなりました。両軸とも動バランス調整を行い計測限界近くまで詰めて完成となりました。
GT-R系の108mmカップブーツは破損や破れが生じやすいですが単品入手がしづらいものなので、必要な方はご連絡ください。
Posted at 2024/12/14 21:45:27 | |
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