最近レパードを入手されたという方からプロペラシャフトのオーバーホール依頼がありました。日産ディーラーで見てもらったところ、ジョイントに不良があったという報告を受けたもののプロペラシャフトは廃番で純正供給なしでディーラーでも対応できずということで頼ってこられたようです。
日産ディーラーを通じてプロペラシャフトが送られてきましたので、状態を確認していきます。ミッションすぐの第一ジョイントは片側にまったく倒れない状態で、内部のニードルベアリングがサビつきまたは摩滅が起きてしまっているようです。第二軸の二か所の首振りはとても軽く良好に感じましたが、後ほど外したところ潤滑切れ寸前だったことがわかりました。センターベアリングは新車時から未交換だったと思われますが、重力方向に変形していましたが、ひび割れなどの劣化まではいっていないようでした。センターベアリングは新品部品をつけていただきましたので交換作業を行います。
このシャフトのジョイントは三か所とも非分解方式でした。まず第一軸の第一ジョイントから手を入れていきます。
外してみたところサビまみれになっており、ニードルベアリングの摩滅で終了していました。
第二軸のスパイダーの内部はオイル状に変質してはいたものの潤滑がまだあって不良とはなっておらず、純正と同寸法のスパイダーは入手不可なので、徹底洗浄・高性能グリス充填を行い新品時の性能回復を行いました。破損していた第一スパイダーは純正と同寸法のサイズが見つかりませんでしたので、近い寸法の在庫スパイダーにきつめの高精度カラーを整作して装着しました。製作が難しく何度か作り直しをしてしまいました。
センターベアリングを新品交換し、第一軸・第二軸をそれぞれ0.01mmあたりまで高精度に詰めた回転中心位置決めと固定を行ってから、測定限界近くまで詰めた動バランス調整を行って完成軸としました。
日産ディーラーへの送付もすみましたので、各部点検とともにしっかり装着してくれるでしょう。
この車はニードルベアリング摩滅までで済んで軽傷でしたが、ここのところニードルベアリングが摩滅したままガシャガシャといわせながらも走行を続けてしまいヨークを削り取って脱落まで至ってしまうケースの相談が増加しています。不穏な音や振動を感じたら、様子見して乗り続けることはしないようにしましょう。
後日ユーザー様から連絡がありました。
今まで気になっていた下回りからの異音が綺麗になくなり、大変スムーズに走るようになって今後が楽しみだと伝えていただきました。
Posted at 2025/02/23 23:24:21 | |
トラックバック(0) |
自動車部品 | クルマ