
相当長文で失礼します。
以下長くなるので、ご興味を持たれた方以外はスルー下さい。
また飽くまで素人耳の感想に過ぎませんので加えて悪しからずです。
お坊さん達(BOSE)の読経(楽曲)が元気よく良い音に聞こえて結構楽しんでましたが、時間が経つとエージングよりも先に、なぜか多少の粗のようなものも感じたりして、いわゆる慣れがやってきたんでしょうか、それとも耳の老化だったり。
ディズニーランドも何度か行くと無意識にゴミや劣化部分などの粗が目につきますが、それでも良いものは良いですし、更に高みを求めると何事もきりがないのは重々承知です。
今回は勝手な私の耳の諸事情により、さらなるエージングを待つ間に、気になったスピーカーに手を入れてみました。
SEITAN@tdnさん他の先達のトライが大変参考になって、一介のフォロワーとしてはとても助かりました。
私の場合、よく言われるドンシャリ系がさほど好きでなく、少し艷のある中音域を混ぜた音が好みです。
純正お坊さんの音を多少は客観的に聞けるようになったかなと思いますが、一般的に評価がさほど高くない高音域はマツコネでtreble調整できる範囲で私には十分であり、ハイハットもシャカシャカし過ぎないのでいいのです。高音の複数の楽器が交じると少し散らかりますが、それも問題ない範囲です。
中音域はボーカルの声がリバーブかかってるのか、しゃがれているのかが分からなくなる時があり、声がいくらか乾いて聞こえてる、なんて感じた時があるので、Center Pointを1にして、ダマシつつ?聞いてました。
明るくオープンでハスキーな声で、これはいいと思います。更にもう少し、締まりと艷やかさを加えてみたい。
無理せず落ち着いて、声帯を一度潤してから、もう1枚カーテンをめくって眼前まで近づいて来て歌ってほしい。
低音域は音圧なら十分ありますが、強風の波立つ水面に石を投げ込んだ様な感覚でしょうか。波が散る音と、石から広がる同心円の波動との区別がわかりにくいような気も。実はスコーカーと違って粘っこいのでしょうか? 音が離れるのに少し時間がかかる?
低音の音圧は高くなくて良いので、複数の低音域楽器がもう少し分離してて、繊細で多彩な音色の低音が出れば、一個人の好みには合うのかもという感じです。
ってな訳ですが、それに対して今回は素人が非常にまとまりのない手の入れ方をします。
まずフロントキックボード横のウーハーで聴きたいのは、音圧の高いバスドラでなく、コントラバスのクリアな音色ですが、音の輪郭ならなんとかそのまま改善できそう。
Seitanさんの事例に倣って、キックボード裏にウェイトとなる制振シートを貼付け、更にエンクロージャーの見えてる部分にもエーモン制振材などウェイトを貼ると、低音が明瞭でメリハリが生まれました。
スピーカー替えてないけどな、ガラッと変わって、なんだろな。最初から安価でもウェイトがあったら歯切れある低音になってたのかもですが、でもここは軽量化という別の意図があったのかと後で合点しました。
(なお印象として120-250Hzくらいの中低音の鳴りが相対的に弱くなったような気もしますが。)
フロントセンタースピーカーはCenterPointのオンオフでの存在感が全然違います。まあそれがセンターの役割でしょうか。個人的にはここにもっとシズル感を放つ高音域が欲しいかも。現行スピーカーでは難しそうなので、変える候補探しです。
こんなときAIに聞いてみます。
さすがにコアキシャルは厳しいと思われたので「インピーダンス3Ωの約3インチスピーカーでおすすめは?」
MSのCopilotは一般論しか返してくれません。
GoogleのGeminiがいい感じですが、4ΩのAudisonとかCeletionやKickerがおすすめされます。カーオーディオじゃないものも。
今度はGeminiで「スピーカー」を「スコーカー」に変えて尋ねると、NFJとかの3Ω格安フルレンジスピーカーが返ってきます。これ送料込みで2000円行かない。しかもホームオーディオ用なので、耐震性、耐熱性などは高くなさそうですが、コーンとエッジの間にクリアランスがある構造って事で、ゴム部分の劣化影響が少なそう。マグネットにネオジムも利用。よってものは試し、ポチります。
NFJのこのスピーカー、金属バッフル?というかフレーム部分をゆっくり曲げてエッジと面一に平らにすると、純正の赤いバッフルのネジ穴に設置できました。直径2.5mm長さ20mm程度のボルトとナットで固定できます。ボルトはやや斜めになりますが、しっかり固定でき、その他の2箇所のフレームのうちシフトノブ側は上に跳ね上げ、これも台座にネジ穴開けて固定できます。ボンネット側は下に曲げます。そしてオリジナルの位置へと奉納できます。
裏に吸音材を置きます。100均レンジフードカバーなら耐熱性不織布で8枚重ねの極厚。金属ブラシで表面を毛羽立たせ吸音効果を高め、スピーカー全体を裏から覆うように置きます。
純正カプラーのメーカーや型番は不明でしたのでケーブルの先をハンダで固めて、そのまま車両側のメスカプラーに直接押し込んで入れます。カプラーとケーブルそれぞれに別に粘着テープ付きのマジックテープメスを巻き付けて、さらに側面から長いマジックテープのオスをケーブルとカプラーにブリッジして貼って脱落防止します。
ドアスコーカーは肝なので、少し奮発です。
お仏蘭西BLAM社 Signature FRS 3N50+ インピーダンス3Ω フルレンジの80mm径です。
純正スコーカーはバッフルごと外し、残った台座に薄くて硬い強力両面テープと付属の3mmスクリューボルト3個の固定をし、少しの手間でこの仏様は見事に元の坊主殿の座に鎮座されました。
バッフル下の台座には、2.0〜2.5mmの穴を開けて固定できるポイントが、スピーカー現物を当てて3箇所ほど確認できます。
もともとバッフル作ろうと思い、薄いアクリルで試行するも割れて断念。なお厚いバッフルではスピーカーグリルがドアトリム側のスピーカーカバーの裏に当たるので、結局手っ取り早く台座にスピーカー直付けとなりましたが、一部はボルト留めも出来て嬉し恥ずかし妥協の産物です。
トリムのとある部分の加工により、バッフル固定ボルトにフィリップスドライバーが届いたので、ドア内側のトリムを外さなくても済み、かなり楽チン。
上のスコーカー全体写真に入ってますが、加工跡はリカバリーできないので、この方法はあまりおすすめしません。跡はスピーカーカバーで完全に隠れますけど。
ところでドア内にネジ落っことさないように、工事中は何かの受けを作った方が良いです。
ちなみにカプラーは矢崎の060オスです。
さてここまででの音は…全く持ってエージングもできてませんが、安い庶民派中華屋さんのN社も、フランス中流階級のB社も、キラキラ明瞭に歌い上げてくれます。
どちらかというとN社は、純正比では落ち着いて焦点が定まった感じのシャンとした音でした。フルレンジなので高音も十分出ます。
B社はキラキラ。コーンはカーボン繊維系、若干張りがあって固めなのか今のところ中世の教会の中で聞く讃美歌?
2人の相性はロミジュリのような身分の差?から来る危うさもありますが、それぞれの役をわきまえてるかのように、切々と凛として歌うのは同じです。お年をとれば老け方や持ち味が違って来るかもしれません。
なおドアスコーカー、同じ仏様のお国のF社や伊国のA社だったら、もう少々メロー気味に優しく歌うのかもです。3Ωで約80mm径のスピーカーは無さそうでした。
そうですねぇ、元のお坊さんがハスキーなのか、薄いリバーブがかかってるのか分からなかった元気で朗々とした読経だとすれば、仏様はステンドグラスの下で少年少女の合奏&合唱団が歌うキラキラ讃美歌になったような感じでしょうか。音に一段リアリティが生まれたようです。
いやはや良い悪いというより好みの問題です。生ビールより瓶ビール好きな人も居ます。中身のビールは同じで、ジョッキも瓶もガラス素材は同じ、でも何だか違います。
そんな思いとともに、外したフロント回りの純正スピーカー現物をみると、このスピーカー群、コストという面では見た目の通り作られたと思しき個々の持てる最大の能力を出し尽くして、よくここまで鳴ってたなぁ! と驚きます。
車の軽量化のためでしょう、非常に軽く作られてます。スコーカーもエンクロージャー無く、足元ウーハーのエンクロも重量をなるべく軽くしてある様です。
一つずつを単体で鳴らしてみると明るく軽く分かりやすく、元気で少しハスキーな声の若者です。割りかしオールマイティな分、年の功の深みはこれから作られるかな。でも良く鳴ります。
これならプロセサーかアンプなども裏できっといい仕事しているはずで、それはそれで凄い感じ。
実力の高い監督が、まだ無名だけど底力のある若い俳優を集めて精一杯の素晴らしい舞台を作ってたような。
だったらスピーカー達も年を重ねて、もしかして名優に育つかも。
よってそのままで全体のエージングを待つ価値もあると思われます。
基本3WAYの12スピーカー分散で、CenterPointをオフにすると一旦ワッと部員が部室内で全員集合します。
が、それは床の間に凛と置かれた水鉢の中の生け花が、庭の若干の湿気やマイナスイオンを伴い、その場を引き締めている状況とは異なる感じです。
どこまで行っても好みの問題ですが、一旦付けたキラキラ合唱団のお方は、CenterPointをオフにしても、全体が締まりつつも輝き、焦点が合ったキレイなオケのよう。声も澄んで近くで聞こえ、音楽国の光が降って、ルノワールの描くムーランドゥラギャレットの中に入ったようです。別の楽曲では、ありがたやと拝み1日を終えたくなってミレーの晩鐘に入ったようでもあります。
永平寺からオルセー美術館へ!?
車に乗って聴いている時間の趣きが変わりました。
下は全く個人趣味の試聴楽曲です。
あまり音量を上げないで、以下が再現できると良しと思います。
高中低の各音域をハコモノ楽器中心で鳴らす:宮田大 「鮫」
高〜低音のそれぞれの楽器が登場しバランスや定位感、奥行きを掴めるか。
高音域でのベントや倍音マシマシの演奏:宮本笑里 「ひばり」の2:00以降
高音域がキンキンしないで耐えれるか。自然で聞き取りやすいか。
バイオリンの高域は4000Hzがいっぱいとは言えハコモノ楽器は倍音を出すので、4000Hzの音なら、8000、12,000Hzと倍々で鳴っててハイハット音域を超えますけど、その空気感を出しつつも崩れないか。
(年なので12000kHz以上が聞こえず無念。でも5〜7000Hzまでの高らかな鳴りをspectroidアプリでも確認できます。)
一応、ドンとシャリのチェック:SizzlebirdのThe Composerでしょうか。余計な楽器が入らないので。
冒頭の鳥の声、虫の音、風の吹き渡る音、カエルの鳴き声、魚が水から出てまた帰る音、などはカーオーディオで走行中にキチンと再生できないかな? 無理に聞こうとしないで下さい。途中から音圧のある低音がドンと入ります。
中域の声とギター: Carla Helmbrecht の歌う 「How Insensitive」
Akio Sasajimaが弾く前奏と間奏のギターで、ピックが弦を弾いた後の音ではなく、その直前の、ピックが弦に触れた瞬間の接触音と、その後の弾いた弦の音が別に表現できているか。
おまけにCarlaのハスキーなボーカルにも艶があって、発声する前後での口中のシズル音、Sasajimaの椅子の軋む音、間奏中の呼吸なども聴こえるか。
中音域Timbre:2cellosのいくつかの楽曲
全く同じ音域のチェロで、ルカが弾くクールで格調のある音色と、ステファンが弾く陽気でスムーズな音色、それぞれ違ったニュアンスを明確に分けられるか。
中音域のキレ:Rodrigo y Gabrielaの「Hanuman」
低音域Timbre:Abraham Laborielの「The Bass Walk」
中高音域の楽器もちゃんと表現できてて、2台のベースのうち、ファンキーなPeewee Hillに対し、Laborielのリズムもアクセントもある音色が別のベースに聴こえるか。
低音域のキレ: Brian Bromberg 「Slang/スラング」
連続する中低音が潰れずに散らからないか。
ボーカル: 松田聖子 「白いパラソル」
1番目のサビ「あなたを〜知りたい」の「を〜」。この僅か1秒、1文字、1音符を歌う瞬間に、ベント〜ビブラート〜ヒカップという3つのテクニックが瞬間的に続くので、全てきちんと明確に表現されているか。混濁してぼやけないか。
ボーカルはいろんな人のいろんな声質を聞きますが、この人、凄すぎです。
ベント、フォール、ビブラート大小、ヒカップの大小、声帯を開けたスタッカート、閉じたスタッカート、エッジボイス、アクセントからの急なウィスパーボイス、云々と、歌唱のテクが実はてんこ盛りで、一つずつが目立たないながらも、自然で押し付けがましくなく、かつ歌全体にわたって多彩に散りばめられて、テトリスかのように次々にとめどなく降り注ぎます。
敢えて盛ったテクじゃなく、きっと自然に歌ってこんなふうに歌えるんでしょう。だから余計に凄いですね。恐るべき声帯の魔術師。
この松田聖子全盛期、他の誰のどんなボーカルより聴き応えがあって、この時のこの人に並ぶほど、ボーカル深聴の醍醐味が味わえるシンガーが見つかりません。宝探しをしながら聴いています。
野ばらのエチュードも冒頭から1:00までのサワリにテクが20くらい入っていて。(…数え直したら40くらいありました。信じられん…)
実は最近まで興味が無くて気付かなんだ。恐れ入りました。
因みにこれらは質のさほど良くはない格安のイヤホン、ヘッドホンやスピーカーで聴いてもあまり良くわかりませんので、能力のチェックには良いです。また車に乗りながらではちょっと厳しいかもです。
超高音域
できれば可聴域を超えたハイパーソニック領域の音源も出して、何か感じるか、疲れないか、なんて試したいけど、バリ島のガムランとかキース・ジャレットのハープシコードの音源でも明瞭に鳴っているか、spectroidではわかりませんでした。
サブスク音源ですし、非可聴域がどこまで出ているのか分からず引き続き実験しながら悩みます。