142857

　142857。
　不思議な数として時々話題に上がります。
　142857*1=142857
　142857*2=285714
　142857*3=428571
　142857*4=571428
　142857*5=714285
　142857*6=857142
　142857*7=999999
　（職業上、乗算は*、除算は/で記します）

　７倍を除けば、どの積も「142857」の並びが現れています。例えば２倍の「285714」は、右側に「14」が、左側に「2857」があります。
　それにしてもなぜ７倍で綺麗に9が並ぶのでしょうか。

　この数の正体は、７の逆数の1000000倍。
　1を7で割ると、0.142857142857・・・と循環します。
　なぜその数の並びになるか、詳しく書きます。
　(0).1を7で割ると、商0、余り1。小数点以下に続きます。
　(1).余り1を10倍して7で割ると、商1、余り3。
　(2).余り3を10倍して7で割ると、商4、余り2。
　(3).余り2を10倍して7で割ると、商2、余り6。
　(4).余り6を10倍して7で割ると、商8、余り4。
　(5).余り4を10倍して7で割ると、商5、余り5。
　(6).余り5を10倍して7で割ると、商7、余り1。
　(1).余り1を10倍して7で割ると、商1、余り3（最初に戻る）。

　商を縦に読むと、142857ですね。
　余りを縦に読むと、326451です。
　この余りがこの順番で循環しているのですね。何かを7で割った余りは1～6の6通りしかなく（り0は割り切りですね）、その6通りが出尽くしているのです。
　この循環は、(1)からではなく、(2)～(6)のどこから始めても、同じように循環してしまうのです。

　142857*2=285714
　これは、7の逆数を2倍しています。
　(2/7)*1000000と同じです。これは(3)から計算を始めることになります。

　142857*3=428571
　これは、7の逆数を3倍しています。
　(3/7)*1000000と同じです。これは(2)から計算を始めることになります。

　142857*4=571428
　これは、7の逆数を4倍しています。
　(4/7)*1000000と同じです。これは(5)から計算を始めることになります。

　142857*5=714285
　これは、7の逆数を5倍しています。
　(5/7)*1000000と同じです。これは(6)から計算を始めることになります。

　142857*6=857142
　これは、7の逆数を6倍しています。
　(6/7)*1000000と同じです。これは(4)から計算を始めることになります。

　では7倍するとなぜ全て9なのか。
　よく考えればこれが一番当たり前だったします。

　1を3で割ると0.3333・・・と循環しますよね。
　それに3を掛けると、0.9999・・・とまた循環します。1に限りなく近いが1に満たない数です。
　これの「7」バージョンです。
　1を7で割った商は、0.142857・・・と循環します。
　それに7を掛けると、0.9999・・・と9の連続、「1に限りなく近いが1に満たない数」になるのです。その1000000倍した整数部分が999999なのです。