
135iの6回目の車検時の代車はFFの118dでした。
たまたまですが同じ職場に118dのFRに乗っている人がいました。
少し前に、迷った末にFRの新古車を探して買ったとの事なので、FFモデルとの実際の比較試乗は興味あるんじゃないかと声を掛けてみました。
同じ118dでFRオーナーの意見を混ぜつつの比較です。
試乗の感想も少し別に書こうかと思いますが…まあ、そもそも自分はちょっと乗っただけではあまり分からない人なので、外装関係の比較が主ですかね(^_^;。
以降は基本的に左が旧FR、右が新FFモデルという画像の並べ方で、FRをベースとしたFFに対する感想の述べ方となっています。
まずは正面です。
FRは「Mスポーツエディションシャドウ」という外装真っ黒け仕様で、代車のFFは単なる「Mスポーツ」です。
後方から。
ナンバー位置が大きく変わっているのと、FFは2本出しです。

リヤの駆動系が無くなった分の重量バランスを補うのと、従来モデル(FR)に対するスポーツイメージ強調の両得狙いという感じでしょうか…。
リヤスポイラーです。

回り込むような形状に変更されており、ハネもしっかりと深さがあります。
掃除がしにくそう…とはFRオーナーの弁。
リヤゲートを持ち上げたところ。

伝統の(?)「BMWエンブレム」の上側を押してロック解除ではなくなり、普通にゲート下にスイッチがある方式になりました。
ゲートのロック機構自体も車両側になり、フックが付いているだけです。後にも述べますが、もうあちこちの構造が従来と「逆」にされています。
また、従来は両サイドのどちらかの凹みに手を掛けてゲートを引き下ろしていましたが、センターの固まり部分を「わしっ」と掴んで下に引き下ろすイメージになったようです。
ゲートの固定部分です。

ヒンジの固定構造が逆になりました。
トノカバーの固定部です。

プラスチックのサポートは小さくなりました。
コストダウンにも見えますが、これで剛性は十分に稼げているという判断でしょうか。
リヤゲートサイドの形状です。

明らかに掃除がしやすくなっているとの事です。
リヤのラゲッジスペースです。

床下にデフがない分、スペースが確保できているようで「かなり広くなってる」とはFRオーナーの弁。
リヤシートは2分割から3分割に変更されています。
こちらはリヤラゲッジスペースの照明。

電球からLEDになっているようです。
ラゲッジ左サイドの小物入れのフタです。

従来モデルでは「あまり開くと割れるから気をつけて」とDに言われていたそうです(笑)。
ハメ込みで取れる方式になりました。
給油口です。

尿素還元触媒?の供給口もここにあります(従来型がどこにあるかは知りません)。
取り付けた時に「DIESEL」のロゴが正しい向きになる(笑)のは改良でしょうが、フタのバネやロック機構が全く従来と逆になっています。
ここまで何でもかんでも逆の構造に再設計されると、かなり違和感を覚えます。
BMWの象徴、キドニーグリルです。

大きくデザインされて、フィンは太く、数は減らされています。内部の上側は少しカバーされました。
上の正面写真でも分かりますが、光が入りにくくなっているためか、ラジエター前の補強サポートが見えにくくなっています。
ボンネット裏側の様子。

遮音材は前方に少し広くなっています。
それより、135iに乗っている身としては、ボンネットが2ヶ所固定になっているのに驚きました。
以前は、レーシーモデルの象徴だったような気がしていましたが(当然135iはセンター1ヶ所です)。
エンジンです。

最近はカバーされてしまっているので見にくいですが、何となく縦置きと横置きの違いは分かります。
縦置きでは、重量バランスの関係で極力後ろに積もうという気持ちが見えてニヤリとしてしまいます(フロントミッドに近い?)。
FFにしたら、前方にかなりスペースが出来て隙間があるかと思いきや、そうでもありませんでした。
縦置きのFRを横置きのFFにしただけで済んでないだろ、と思ってふと気が付いたのは…「ボンネット位置がすごく上がってね?」
ということで、少し低い位置から写真を撮ってみました。

1台ずつ見ただけではあまり気になりませんでしたが、そこに気付いてよく観察すると、車高はある程度に抑えなければならないため、フロントガラスを上下に狭くしているようです。
やはりエンジン下にデフが来るとどうしても高くなってしまうのでしょう。
実際の重心高がどうか分かりませんが、見た目にはFRの方がクルマ全体が低く構えているイメージになりますね…。
デザイン的にはフェンダー上側とボンネットサイドを厚くしてなんとかしています。

かなり違います。
これだと、窓下のラインにそのまま繋げるのが難しいため、結果的にフロントとサイドガラスには大きな段差が出来ています。
ホイールです。

あまり純正がどうとかは関係ないかもしれません。
サイズはFRが前225後ろ245に対して、前後共225です。
FFなので前後同サイズまででしょうね。
リヤシート周りです。

広くなっているそうです。
ドライブシャフト通らないんだから、センタートンネル部分も真っ平らにすればいいじゃん…というのはあまりに違いすぎるか。
リヤシートの足元です。

照明が付きました。
まあ、前述したセンタートンネルはそれでもかなり低く小さくなっているのがわかります。
リヤシートの肩部です。

シートを倒す機構にあまり違いはありません。
シートベルトを通す切り込みがありますがこれは何のためでしょうか…。組み付け時に通す必要をなくしたとか??分かりません。
ヘッドレストは薄いタイプとなり、後方視界は向上していそうです。
リヤシートからの前席シートの様子です。

シートバックの網は廃され、ヒザの逃げと思われる凹みも大きくなりました。
広さを感じさせる工夫でしょう。
天井の照明です。

スイッチ系の意匠は一新されています。
リヤドアの内側です。

スピーカーが付いているのに驚かれました。
なお横に走るラインの中にはLEDの照明が仕込まれており、色や明るさの調整ができるようになっています(ははは…(^_^;)。
こちらは運転席ドアの内側。

ドアロック/アンロックのスイッチが開閉ノブの横に付きました。
それより、握るハンドル位置が後方の平らな部分になったので、ドアが開け閉めしやすくなって、これはいいですね。
従来はかなり前方にあったため、テコの原理で力が必要でした。
運転席ドアの操作スイッチ部分です。

後方に握る部分ができたため、スイッチ自身は前方に少し追いやられた形ですが、これは肯定できる部分です。
運転席側のサイドシルです。

かなり太くなっている感じです。
これ以上だと乗り降りに気を遣ってしまうレベル?
助手席シートです。

背もたれを倒すレバーが背もたれの横に移動しています(使い心地は確認していません)。
ドア越しに見た運転席の様子です。

ライトスイッチがノブ式から完全に押しボタンになりました。
代車はオートクルーズ関係の機能が非装着だったので、動作確認できなかったのが残念です。
運転席に乗り込んだところ。

一番の違いは、メータが丸目をやめて前面液晶パネルになったことでしょうか。
握ってみるとハンドルはかなり太く小さくなっています。
俗に言うナビ画面は、ダッシュと一体感が増しています。
表示系の位置が低くなったのかと思いましたが、メーターフード位置から考えるとそうでもないようです。
なるほど、ボンネット位置がかなり高くなったので、相対的に位置が低く見えたという訳です(駐車場の前方の見え方を比べてください)。
135iと比べると大きな違いはライトやワイパーレバーが、操作すると中立に戻らず入りっぱなしになる事でしょうか(日本車に近付いた?)。
ちなみにFRオーナーが試乗後に言っていたのは、サイドミラーの端にあるウィンカーが光ると、夜はとても見にくかったものが、新型のFFでは解消されていて羨ましいとの事です。
センターコンソールのシフトノブとiドライブのコントローラ周りです。

シフトノブの形状は、こちらの方がイイ感じという事でした。
自分的には「P」がノブの手前にあるので少し押すのに苦労しましたが、慣れかも知れません。
サイドブレーキはレバーから電気式のスイッチになりました。
iドライブコントローラはかなり前方に配置し直されました。
パークディスタンスコントロール画面。

表示は細かくなっているようです。
ただしカメラ画像とクルマのモデル表示の位置は逆になっています。
上にも書きましたが、なぜ逆?
今回「?」だった機能がこれ。
デイライトを右や左だけ点灯させることができるようです。

どういう使い道があるのかわかりません…。
ヘッドライトを点灯させた時の様子です。

今風の形状になっているね、という感想のようです。
リヤのスモールライト状態。
こちらはリヤフォグを点灯させています。
アンビエントライトです。

従来はドアから地面に向かって照射されましたが、地面を照らすのはドア下に設けられた別のライトになっています。
流行の?意匠が映し出されるタイプです(ははは…(^_^;)。
新型のメータの表示できるタイプの様子です。

だんだん表示が派手になってきたなあ、どうなのかなあ、と思っていたら右下のような簡易モードもありました。
しかし、そうは言ってもこれもヘンな方向に思い切り過ぎているのでは(笑)。
車検上がりに代車を返したときに聞いたところ、最近のM3やM4も丸い2眼メーターの意匠はやめた、と。
液晶にただ描くだけなんだから、スポーツモードにしたら丸目2眼でしょう…と思いましたが、そもそもBMWはそのイメージ自体を根底から覆していきたいのかもしれません。
自分も歳取った、ってことでしょうか…。
上記の中に何度も書いた、設計がことごとく「逆」になっている件、単にMiniのプラットフォームがそうだったのならまだしも、FRからFFに大きく変わったので、とにかく以前とは違うことを主張するためになんでもかんでも変えてしまえ(?)、この機会だから許すぞ的なものがあったとすれば…なんだかメーカーの姿勢として心配です(いらんお世話でしょうが…)。
変える、という事はバリエーションを増やすという以上に「従来の考え方を否定する」という意味が強くあると思います。
なぜなら設計者は「より良くする」という本能を持っているだろうと期待するからです。
「改良」のつもりがあるなら「全く逆の構造」は、うまく行かずに悩み抜いた末、その最後に出てくるアイデアかどうか、程度のものではないでしょうか?
「従来の全否定」を何だか気軽に最初にやっちゃっているような気がして、すごく不安になります。
実際にその変更で、さしたる問題がなかったとしても、なおさら「それならなぜ変えた?」という話になるのが普通でしょう。
良いもの(構造、仕組み…いろいろ含まれるでしょうが)は守る、引き継いで長く続ける…それがのちのち、特徴とか伝統とかメーカーの色と言われるものになってゆくのかと思っているのですが、よく言われる「変えていくこと、変わっていくことが正義」と単純に文字通りに捉えてしまうのは、「変える」という本質の部分が理解できていません。
決して全否定から入るものではないのです。
BMWほどのメーカーが実行するのですから、これらの変更が「本当に意味のある」ものであった事は期待したいところです。
新旧比較の最後がこんなまとめではおかしいんですけど、どなたかそれらの変更の理由をきちんと説明していただけますかね(^_^;?
「今のMiniがみんなそうなってまーす」
なら、プラットフォーム流用ということで何となく納得しても良いですが「じゃあBMWとMiniがなんでことごとく逆になってるの」という次なる疑問までは持たないようにしまーす(笑)。