
ツーリングが間近に迫っているので、少しでもLSDの挙動を知っておくべく、本当に久しぶりに夜走りに出ました。
もうだいぶ目が利かなかったり(笑)、コゾーのようなマネを随分していない事や、135iはひいき目に見てもライトが明るい方では無いので、夜に走るのはあまり気が乗らないのですが、そうも言ってられません(^_^;。
まずはエラーを吐かないようマップがリセッティングされたと思われるJB4の8/21版にファームウェアを書き換えてから走りに出ます。
6月に高速で塩尻に向かうときにフェラーリを追い、エラーを吐いて往生したので、それは避けたいところです。
ツーリングの最中に、例の「エンジン異常、出力低下」で戦列を外れるなど笑えません(^_^;。
とりあえずDTCモードとしてやや速いペースで流しますが、3ヶ月半乗っていないという事もあるのか、それほど違った印象は持ちません。
自分は多板の機械式LSDが組み込まれたクルマに乗った事がないのですが、(音が全くしないというのもありますが)言われなければ、グリップ中の挙動からはほとんど装着を気付く事が無いのではと思います。
ただ、やたらリヤがグリップし、同じくリヤ回りがすごく落ち着いた動きになっている気がします。アクセルを踏むと滑る以前からアクティブに駆動力を配分していくので、そもそも左右のサスの動きの差が小さくなって、柔らかい純正のMスポでありながら、リヤ回りを少し締め上げたような感じでリヤのロール量が減っている気すらします。
曲がり込みながらの減速時にも似た感触を得られ、1.5ウェイの差動制限効果(TCDは組み付け時にカム角を確認しましたが、1.5ウェイだと思います)が現れているようでヘタクソには助かります(?)。
走っていてすぐに気付くのは、DSC、DTCモード共にトラクションコントロールの介入度合いが減った(と言うよりほとんど無くなった)事です。
履いているアジアンタイヤは深い溝のおかげか(?)減るまではトレッド剛性が低めのようで「ゆるゆる」と踏面が動くような感触が常にあり、実際DSCが頻繁に作動しましたが、LSD装着後は「ゆるゆる」感こそあるものの(笑)全く介入しなくなりました。
基本的に左右輪の回転差に依るようであり、逆に言えばその左右差が無ければ介入しない感じです(他の要素ももちろんあるのでしょうが)。
組み込み前に予想していた、オープンデフ前提で制御設計されている135iのDSC/DTCについて「滑りにくく(即ち左右輪の回転差が付きにくく)なるのだから、単に介入が遅くなるだけではないのか」というのは、およそ正解のようです。
それにしても、攻めても本当に両タイヤのグリップ限界まで滑らなくなりました。こんなにもグリップするのか、という感じです。
個人的には従来の内輪が空転し始めるタイミングでは「ホントにこれが265の限界なのかなあ??」という疑問を常に持っていたので、やっと本来のグリップになった、という感じです。
従来はイン側のタイヤは空転していても外側のタイヤは全く余裕のグリップ中だった、と言えそうです。
今ではタイヤサイズを本当に生かせている感じがして、自分的に納得のポイントですね(これなら純正のリヤ245でも、かなりイケると思います)。
差動制限が効いているかどうか一番顕著に分かる上りのタイトターン、これは感動的でした。
それまでなら早いタイミングで内側が空回りを始めて明らかに失速する感じになっていたのが、外側のタイヤが鳴いたと思った瞬間、ケツが外に向かって出て行きました(笑)。
それも、好きなだけ出せます(っておい(^_^;)。ガクッと失速するのでなく滑りながらもグリップしている感じが残り、前に出る不思議な感触です。
135iは低回転からトルクが太いので、曲がっている最中にもこの領域に簡単に持ち込めるのですが、同時に宿命的に「電制に期待できない」のがハッキリ分かってきます。
両輪が限界までグリップするとは、逆に言えばそれを越えた時にはそれこそ両輪が一気に滑り始めるということです(笑)。
早めに内輪が空転し始めるオープンデフ前提で煮詰められた電制にとって、いきなり両方滑るというのはあまり考えられていない状況のようで、はっきりブレーキを掛けられます(笑)。
DSCモードでこれをヤラれると、左右輪が繋がった状態なので結構ガクッという感触と共に後ろに引っ張られる感じになるのです(爆)。
そもそもDSC、DTCの制御は片輪が、しかも早めに滑り始める事を期待して制御に幅を持たせているフシがあります。これが同時にスパッと行くのは想定外に近いのかもしれません(^_^;。
この部分は最初からLSDが搭載されているM3や1MなどがどんなDSC、DTC介入の挙動になるのか興味のあるところですが、純正はロック率が25%と、明らかに弱いと言えるレベルのようなので、電制の介入的にはそれほど問題無いのかもしれません。
誰かお乗りの方、どんなものなのか教えていただければと思いますm(_ _)m。
ただ、そういった状況なので、これまでのようにランプペカペカのDTC制御状態をキープすべくアクセルを踏み足していくというような乗り方は全くできなくなりました。
それをやれば、簡単に回ってしまうでしょう(ある意味、健全です(^_^;)。つまり、もう車両の安定限界は、越えるもとどめるも自分で制御してやるしかありません(^_^;。
だけど昔のクルマはみんなそうだったハズで、そうした乗り方をすれば良いだけです。
DTCモードの介入も、従来よりもタイミングが遅くなっている感じです。最終的には全オフで走るのが自然なのかも知れませんが、保険として(?)まずはDTCモードを使うつもりでいます。
ただ、普段の走行はDSCで全く問題ない(そもそも滑らない)ですが、「走ろう」と思ったときは明確にDTCか全オフに切り換える、という操作は必須でしょう(笑)。
総じてLSDを組み込んだ走りは自分が期待した通りの結果を得られましたし、まだまだこれから違った世界を見せてくれると思います。
ところで今思うにLSD装着前の、アクセル踏み続けても回らないBMWのトラクションコントロール制御とは本当に素晴らしいものでした。限界近いタイヤのグリップを引き出しつつ絶対に限界を越えない。しかもその領域を誰でも簡単に使う事ができる。
しかしそれを越える術を得たとき、その領域は全て自分で責任を負わなければならないという、単純な図式でしょう(笑)。
…ま、いろいろ理屈を言ってもそれはごくごく限界の話で、普段は全くそんな状況は無く普通に走ってる訳ですが(^_^;。
低い速度域でも、アクティブな駆動力配分がリヤ回りを落ち着かせていると思うのは気のせいでしょうかね~、直進安定性が良くなった、とかまでは特段感じていないんですが。
少し走ってみた印象というのは、そんな感じでしょうか。