ヘッドカバーのオイル漏れの改修

持病らしきヘッドカバーのオイル漏れの修理…というか改修作業です。
この画像はすでに汚れを拭き上げたあとなので綺麗になってますが、元は結構酷かったです。

これは右から2番目のプラグ穴かな。
このあたりも真っ黒だったのを相当拭きましたが、オイルがまだまだ残ってます。
プラグの時にも書きましたがフィラーから少し溢した経歴もあるらしく、それも合わさって3番プラグ周りは洪水状態でした。

さて直します。
作業自体はヘッドカバーボルトのシーリングを行うだけです。

まずは銀色の細いパイプを留めるボルトを外してずらし、インテークパイプも外します。

インテークパイプはヘッドカバー上側のバンドを緩めてゴムパイプを外し、金属パイプの方が対辺10mmのボルト2本でエンジン側面に留まっているので、そのボルトを外せばブラブラになります。
普通のラチェットとショートエクステンションで作業できますが、1本はパイプ裏側で手探りに近くなるのでうっかりボルトを落とさないように注意します。

ヘッドカバーを留めるボルトを1本づつ外して、拭き上げてから座面に液体ガスケットを塗って戻します。
昔のオートバイのように「ヘッドカバーがカムホルダーを兼ねている」ので面倒でも1本づつ行います。

上死点を出せばカムにテンションが掛からないので全外しで効率よく作業出来ますが、上死点出しをしないままボルトを一気に抜いていくとバルブスプリングに押されてヘッドカバーが簡単に浮いてきてしまって締め戻せなくなり、最悪カムタイミングがずれる可能性も出てきますんで（経験者談

やはり座面からしっかりとオイルが出てきてます。

つか座面が鋳肌のままじゃんね。
普通こういう場所って切削加工されてるんですけど。。
カムホルダーを兼ねていて締結に精密さが求められる場所なのに意味わからん。

液体ガスケットを座面に塗って戻していきます。ボルト側の座面に塗るのがやりやすいですね。

規定トルクは特に高くなく普通に11Nm。精度が高い低トルク向けトルクレンチで締めましょう。

そういえば外すときに明らかに少し緩いボルトが2本あったけど…ルノーの組み立て精度管理って甘いんかね？

向かって左後ろのボルトは上のカバーが邪魔になって抜けきらないのですが、それでも緩めて拭いて座面にガスケットを塗って再度締めます。
ここはちょっと入り組んでますが、普通のオフセットメガネや15°のコンビメガネで作業可能です。

今回使ったガスケットはパーマのウルトラカッパーです。思ったより銅っぽくはないけどヘッドガスケットにも塗れるし、オイル周りにも使える万能品（オイルパンだけは指定品か肉盛り性が良いJBが良いと思う）。当方の使用でも相当実績あるので採用です。剥がすときもラクだし。
何よりもはみ出すオレンジ色がちょっとカッコよい。俺ってチョーメンテナンスやっちゃってるぜって感じ。

作業の方ですが、合計16本くらい処置しました。本数が多いので結構時間がかかります。
エンジンマウントを外すとその下にまだボルトがあり、上のカバーを外すと中にもボルトがあるのですが、この暑い中であまりにも面倒なのでそこまでは処置しませんでした。

普通ならヘッドとヘッドカバーの間からオイルが滲むと思うのですが、F4Rエンジンはカムホルダーを兼ねる関係で板ガスケットなしの液状ガスケットのみで組付けられています。
この方式だとそこまで漏れることはないはずで、件のボルト端面から漏れるのはまず間違いないでしょう。

みんカラ内でもボルトに銅ワッシャーを挟んでいる方がいますし、Youtubeでも外人さんが液ガスで処置しています。外人さんの方はボルト先端にガスケットを塗ってますが、オイルを止める目的なら座面でいいと思います（後々を考えても座面が良い）。
ボルト先端が特殊形状になっていて、そこでシーリングするのかもしれませんがガン無視です。

改善したかどうかはまた後日。
これ以上悪くなる要素はないけど。