早いもので、i-DMsに参加させていただいてから1年になります。
思えば昨年の11月19日、初めてオフミに参加してからあっという間でした。
この一年大変楽しい時間を過ごさせていただき、あらためましてタッチ_さんはじめメンバーの皆さん、ありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします\(^o^)/
さて、私たちを魅了してやまないi-DMですが、世間的には名前や自分のクルマに装備されていることは知っていても、これを活用して楽しんでいる人はそれほど多くはありません。私のディーラー担当者は、いまだに緑がベストと思っており、「おって知るべし」な状況です。
普及がイマイチなのは何故なのか?
タッチ_さんのブログにも考察が述べられており「屋上屋を架す」な感じはありますが、一周年の記念に、私なりに考えて見ようと思います(笑)
i-DMの主な機能は「運転技能の可視化」です。これをマツダはほとんど全車に装備してくれているのですからありがたいですね(^o^)
しかし、この可視化によりみなさんもご存知の悲喜劇が生まれます。基本的に運転が好き、あるいはクルマにこだわりを持っているドライバーは自分は「運転が上手だ」と思っています。考えてみれば、世の中のあらゆるスキルの中で一番「自分はうまい」と思っている人が多いスキルなのかもしれません(笑)。
どうしてこんなことが起こってしまうのか?
勉強でもスポーツでも大多数のスキルは子供の頃より、他者との競合を経験しておりそれを通じて自分の立ち位置がわかっています。テストの点数が良いから、サッカーの試合に出て活躍できたから、自分はその分野が上手だとわかるし、周りの認識とも一致しているため悲劇はおこりません。
しかしながら、運転というスキルは教習所で基本操作を習って以後は、良く言えば「独自の」悪く言えば「独りよがりの」練習・経験を積んでいきます。大部分の人は初心者でなくなった頃からまず人に教わることはありません。しかも「運転が好きな人」は仲間と出かけるときもまず自分がドライバーですから、他者の運転を客観評価できる機会が少ないのです。いや、それ以前に、「どういう運転がうまいのか?」すら正しく、明確に認識できていないことが多いのですから評価もなにもありません。
(一部の、最初から本能的に正しい運転を理解しているうらやましい人や、サーキット走行などで他人と競合して客観的に自分のスキルを把握している人を除く)
こんな状況でi-DMにより、いきなり「あなたの運転は3点ですよ」、とか言われるわけですから、カルチャーショックです。
「おかしい、自分は運転は得意なはずなのに・・・。」
そしてここからいくつかのパターンに分かれていきます。
パターン1
「んー。俺の運転が3点?そんなはずはないだろー。こんな機能は役にたたない、いらない。」あるいは「エンジン停止のときエコ画面に点数でてるけどなんだろう。まあ気にしなくていいや。」さらにはi-DMの存在にまったく気づかず、興味を持たない。活用せず。(次も気に入ればマツダのクルマを買うかもしれない)
パターン2
「うーん。3点か。ちょっと練習してみよう。少し飛ばし気味に走ると点数が良くなるな。ブレーキもちょっと強めに踏めば良いんだな。でも山道走るとすごく点数が下がるな。i-DMは丁寧に走ると点数が良くなる仕組みみたいだから、気持ちよく思いのまま走ると点数はでないのも当然なのだろう。マツダも人馬一体の走りとか言ってるけどこんなものか。練習して街中でマイペースで走れば5点とれるようになったし、もう十分上達した。これからはi-DMを気にしないで自分なりに楽しく走ろう。」と一般的に活用。(ある意味幸せ。次も気に入ればマツダのクルマを買うかもしれない)
パターン3
途中まではパターン2と同じだが、「いやいやこのi-DMの仕組には、なにかもっと自分がしらないものがあるにちがいない。」と考えネットを検索してタッチ_さんのブログを発見し興味を持つが、地理的な問題やなんとなく積極的になれずオフミ等には参加しない。ブログを読んで理解したつもりになるも、スキルはパターン2とあまり変わらず。「上手な操作をすると点くという青がなかなかつかないなー。ちょっと気になるなー。」と悩み、「もしかしたら自分の運転は下手なのかも」とネガに考えたりもするが、それ以上突っ込まず。かなり活用。(こころに引っかかるトゲになったら、もしかしたら次はマツダのクルマは買わないかも。)
パターン4
途中まではパターン3と同じだが意を決して、オフミに参加。メンバーの皆さんと走って自分の実力に愕然。あるいはワンメイクレース等優劣のつくイベントに参加し惨敗。「これはなにかの間違いだ。夢に違いない。この記憶は永久抹消だ。」とi-DMは封印。かなり活用。(ショックでクルマを売ったりして。たぶん次はマツダのクルマは買わないかも)
パターン5
途中まではパターン4と同じだが、オフミに参加して、「おおっ。こんな世界があったのか。これはすごい。練習すれば人馬一体の境地にいたれるかも」と沼にはまり込む。すごく活用。(次も絶対i-DM付きのマツダのクルマを買う可能性高し)
(わかりやすくするため、かなり誇張した表現であることはお許しください。
またi-DMに関係なく、最初からあるいは自力で上達する方ももちろんいらっしゃるでしょう。)
うーむ、しかしこうして見てみると「i-DMの積極的普及策」はメーカーとしてはリスクが高いですよね。普通のスキルの人がi-DMの仕組みを理解し、活用するにはメンターが必要です。しかもわかりやすく実際に見本を見せれる人が。これをメーカーが実践しようとするとお金がかかります。(私たちはタッチ_さんやマイスターの方々のノブレス・オブリージュ的な好意によって恩恵を受けているのです。感謝!)
練習する場所や実践する場所もメーカー(企業)が絡むとなれば、いくら道交法を遵守していると言ってもコンプライアンス上のリスクや企業倫理からも公道というわけにはいかないでしょう。サーキット等を借りればこれもお金がかかります。
お金をかけてもそのリターンが十分見込めればよいのですが・・・。上記の乱暴なパターン分類でも、
1、2、は売上増減にはほとんど影響せず
3、4、はどちらかというとマイナス効果(中途半端に普及を推進するとこのパターンの人たちが増えるかも(TT))
5すごいプラス効果(しかし、このパターンに至るのはかなり狭き門。休日に碁盤の目をグルグルしているアナタには十分理解できるはず)
な感じなので、マツダが「i-DM普及を中途半端に行うとリスクが高いし、その分のコストはエンジン等の開発に回した方が得策だろう」と考えている可能性は高いような気がします。
こうして考えてみると、i-DMの普及は険しい道のりな感じですね。しかしながら私たちがi-DMをとても楽しんでいるのは現実です。楽しんでいる人が一定数いる以上、世間的に正しい認知が進めば分母が増加し仲間も増えるはず。仲間が増えれば、例えば今回のようにマツダが興味を示してくれたりするわけです。(スゴイことですよね。)
さらに増えれば、またく違う展開がみえてくるのかしれません。
私自身はあやうくパターン3で悶々とすごすところでした。思い切って新しいことに踏み込むことは「人生を楽しむ」ために重要なファクターだと再認識しました。このブログをよんでいらっしゃるi-DMs未加入の、あるいは加入していてもオフミに未参加の皆様、ぜひ一緒に遊びましょう!!
結論としてはやっぱり
「i-DMで楽しく遊べる仲間をどんどん増やそう!!」
というところでしょうか。(もとより、タッチ_さんはこれもねらってi-DMsを作ったのですよね。あらためて感服しました。)